国内アルミ合金・スクラップ市況は、一服感が漂う展開になってきた。製品の国産ADCは2日現在、2月中旬比、安値10円高の1キロ460‐465円で推移している。安値は値を上げているものの高値は持合いの動きを見せており、以前ほどの勢いは失っている状況。スクラップ市況も合金の主要原料は、同比横ばいの動きを見せており、発生薄の中、強もちあいではあるが、こちらも以前の勢いはない。しかし、原料高・製品安の状況は変わらない。輸入塊の高騰を背景に、合金・ダイカストメーカーの価格交渉は、激しさを増しそうだ。

LMEアルミ相場
主要スクラップ市況は2日現在、上物の2S新切、ビス無しがともに2月中旬比持ち合いの1キロ当たり430円、同440円で推移している。裾物のビス付きも、同比持ち合いの同380円を付けている。一方、集荷競争が激しいUBCも同比持ち合いの同345‐350円。「春節直後で、中国向け輸出は落ち着いている状況。あくまで、瞬間的な動きと考えている」(商社筋)との声も挙がっており、3,000ドル台の水準を保つLME相場を含め予断を許さない状況だ。合金メーカーの原料事情については、「(強もちあいの背景として)スクラップの品目ごとに需要の違いが出ており、1月のようなどのスクラップでも欲しいという感じではない」(同)との向きもある。

2S新切り相場

アルミサッシ63(ビス無)相場

ビス付きサッシ(プレス品)相場

UBC相場
スクラップの代替品として合金材料に使われる国内ベースメタルも2日現在、2月中旬比で持ち合いの1キロ400‐415円。海外原料のゾルバ(Metal97~98% CIF China)は同日現在、同比で安値、高値ともに20ドル高の1トン2,470‐2,520ドルに値を上げており、「ひっ迫感に加え、インドの需要は盛り上がりを見せている」(複数関係者)とのことで、中国向けもつれ高の状況だ。

国内ベースメタル相場

ゾルバ(Metal97~98% CIF China)相場
国内スクラップ市場に一服感が漂う中、大手合金メーカーの2日発表のアナウンスは関東・関西ともに横ばいのアナウンスとなった。
原料高・製品安の改善を目指す国産ADC12は、2月中旬比で安値10円高の2日現在、1キロ460‐465円の水準にある。「ダイカストメーカーの抵抗感は強く、『470円で勢いよく売れているいるか』と言えば、そんなことはない」(大手商社)、「為替の動きが激しい状況で、約2週間の軸で見ると安価な輸入塊も流入しており、ダイカストメーカーの国産品に対する抵抗感も強かった」(合金メーカーA)という。一方、「足元は、輸入塊の価格も上がっており、値上げ攻勢をかけていきたい」(合金メーカーB)との声もあり、価格交渉は激化しそうだ。

国産ADC相場
競合品の中国産ADCは2日現在、2月中旬比で安値30ドル、高値20ドルの幅で水準を上げ、1トン2,880‐3,000ドルで推移している。1ドル=157円で換算すると、1キロおよそ467‐486円(諸掛り込み)になる。3,000ドル台の水準を保つLME相場や原料のゾルバ高を映した形だ。他の輸入塊については同日現在、マレーシア産が同比140ドル高の1トン3,020ドル、インド産は同比85ドル高の2,920ドルとなっている。

中国産ADC相場
世界では、市況の強・弱材料になる出来事が起きている。米国とイスラエルによるイラン攻撃を背景に、同国は米英の石油タンカーを襲撃、通信社の報道によるとホルムズ海峡は、事実上の封鎖状態になっているという。「日本は、中東からそこまで輸入はしていない。しかし、調達先を失うということは相場の上げ材料になる」(業界筋)との向きもある。一方、中国のレアアース輸出規制により「(原料の調達難で)自動車部品メーカーの生産が、停滞する可能性もあり不安材料だ」(複数関係者)との声もあり、ここにきて、輸出規制に対する懸念が市場に漂っている。国際的な動きが国内のアルミ合金・スクラップ市況にどのような影響を与えるのか、注目である。
(IRuniverse G・Mochizuki)