2026年3月のチタン原料市場は上昇基調にある。中東の紛争ぼっ発で燃料価格や輸送料などのコストが増加し、加工品である二酸化チタンと金属チタンが毎週のように値上がりしている。3月は中国の春節(旧正月)後の始動時期で例年、市場が活発化しやすい時期であることも価格上昇に影響している。
FerroAlloyNetは3月13日までの週刊レポートで、ホルムズ海峡の実質閉鎖による原油価格の高騰などを受け、「チタン精錬企業は大きなコスト圧力に直面しており、硫酸価格の上昇や原油価格の上昇による輸送コストの増加により赤字で運営されている企業もある」と精錬コストの増大を指摘した。このため、「以前の低価格で売ることは困難になっている」と、価格転嫁が進んでいるとも説明した。
コスト増加でやりくりが困難になっているため一部の企業は既に受注を停止しているとも言う。供給が細っていることも値上がりに拍車をかけているようだ。
■二酸化チタンとスポンジチタン、3月は毎週値上がり
過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

酸化チタンは3月19日に仲値$2065/tonと、心理的節目の$2000を上回り、2025年7月中旬以来の高値を付けた。2月は6日に$1935を付けた後は横ばいが続いたが、3月に入り毎週のように上昇している。
過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

金属チタンも上昇している。合金向けの一般産業向けスポンジチタンは3月19日に仲値$6.814/kgを付けた。2025年9月下旬以来の高値水準となる。直近安値である12月24日-1月8日の$6.386を底に上昇し、3月に入ってからも毎週値上がりしている。
■ほかは様子見、鉱石は3月動かず
過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

ただ、ほかのチタンは動きが鈍い。3月に入って動きがあったのは、四塩化チタンが3月13日に、フェロチタンが3月6日に上昇しただけだ。いずれも2025年7月以来の高値水準にある。
過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

鉱石価格は2月13日に付けた$254.5/tonから横ばい。ルチルは2026年に入ってから動きがない。航空機向けスポンジチタンは2023年初めから横ばいが続く。
<Topics>
3月18日
日本製鉄は3月18日、「チタン製品を供給する旭化成や日鉄物産と協業し、食塩電解セルの製造工程で発生する純チタンスクラップを純チタン原料として再資源化するリサイクルスキームを構築した」と発表した。
関連記事:食塩電解セルの製造工程で発生する純チタンスクラップの再資源化スキームを構築―日本製鉄など
3月16日
大阪チタニウムテクノロジーズは3月16日の決算発表会見で、兵庫県の尼崎工場で計画しているスポンジチタンの生産強化計画について、「原材料費の高騰などを受けて設備投資額を見直す」と発表した。
関連記事:大阪チタニウム:スポンジチタン生産能力増強の投資額増加
3月12日

オーストラリア資源のソブリン・メタルズ(Sovereign Metals Ltd)は3月12日、自社ホームページ上で、「三井物産との間で、同社が手掛けるアフリカの鉱山から採掘されるルチル精鉱を巡り、供給の覚書を結んだ」と発表した。三井物産側の発表はまだ。
契約が正式に結ばれた場合、2030年から4年間にわたり、天然ルチル精鉱を年間7万トンを上限に日本へと供給する。同社はこれについて、米国とその同盟国で結ばれた重要鉱物のサプライチェーン(供給網)構築に則ったもの」と説明した。
プレスリリース:d0a78964-bb3.pdf
3月9日
オーストラリアメディアのオーストラリアンは3月9日、「英豪資源のリオ・ティントが、計画していたチタン事業の売却案を一時凍結した」と伝えた。
関連記事:英豪リオ・ティント、チタン事業の売却計画を凍結・外電 中東紛争で再編意欲減退か
(IR Universe Kure)