4月30日13時、共英製鋼、26/3期の決算を発表。減収ながら増益となった。続く27/3期は14%増収、経常14%減益見通し。なお、決算説明会後に再度報告する。
<26/3期実績>
〇実績
売上高は前期対比77億円(2.4%)減収の3,151億円、営業利益は同16.3億円(10.7%)増益の169.6億円、経常利益は同4.6億円(3.0%)増益の162.1億円、当期利益は、同9.2億円(8.6%)減益の98.6億円となった。同社グループが推進する「世界3極体制」の下、海外鉄鋼事業の業績改善により、営業利益、経常利益の増益を確保した。
図表1、26/3期業績実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント別
●国内鉄鋼事業
国内の建設・物流現場での人手不足による建設工事の遅延・見直しや資材価格高騰などの影響により、建設鋼材需要は低調に推移した。そうした状況の下、同社の製品出荷量も前期対比7.1万トン減少し、138.0万トンとなった。価格面では、原材料(鉄スクラップ)価格は、通期では前期対比3.5千円(7.4%)下落したが、今4Qにおいて、円安の進行に加え、中東情勢の緊迫化を背景とした国際市況の変動等の影響によって輸出価格が上昇し、国内価格も急騰した。同社は製品価格の引き上げに努めたものの、需要環境の影響などから通期で同7.6千円(7.4%)下落し、売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)は同4.0千円(7.3%)縮小した。
以上の結果、売上高は前期対比170億円(12.0%)減収の1,255億円、営業利益は同61.0億円(35.2%)減益の112.5億円となった。
●海外鉄鋼事業(ベトナムおよび北米(米国・カナダ)、いずれも決算期は12月)
・ベトナム
経済成長重視の政策に転換した政府によるインフラ投資を中心に、年度を通じて旺盛な鋼材需要が続いた。南北拠点ともに製品出荷量は前期対比増加したほか、従前からのコスト削減策の効果も相まって、全拠点で営業黒字を計上した。また、北部拠点で25年6月に稼働を開始した新圧延工場では立ち上げが順調に進み、概ね計画通りの生産・販売を記録した。
・北米
堅調な鋼材需要の下、米国拠点では設備老朽化による操業上の課題に対処しながらの生産が継続。通期では前期に続き赤字を計上したが、下期には操業の安定化や製品市況の上昇などにより営業黒字を計上した。カナダ拠点では、利益率の高い細物鉄筋の拡販等により、前期を上回る利益を計上。
以上の結果、売上高は前期対比99億円(5.9%)増収の1,789億円、営業利益は同78.5億円増益(前期は▲17.1億円の営業損失)の61.4億円となった。
〇環境リサイクル事業
医療廃棄物処理分野において厳しい競合環境が続く中、下期は産業廃棄物処理分野における大型の個別案件の寄与により業績が改善したが、処理量の減少に伴うコスト増などの影響により、売上高は前期対比2億円(4.8%)減収の59億円、営業利益は同1.2億円(18.9%)減益の5.4億円となった。
〇その他事業(ベトナムでの港湾事業や国内およびベトナムでの鋳物事業など)
売上高は前期対比3億円(6.9%)減収の46億円となり、営業利益は同0.2億円(5.1%)減益の4.2億円となった。
<27/3期予想>
〇業績予想
売上高3,600億円、営業利益160億円、経常利益140億円、当期利益90億円を見込む。
図表2、27/3業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント
●国内鉄鋼事業
人手不足による施工能力の制約から、住宅部門、非住宅部門ともに、建設鋼材需要の低調な推移が予想される中、鉄スクラップ価格は上昇基調が続く意味通し。また、中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇に伴いエネルギー費や物流費等諸コストの増加も予想されることから、業績は前期よりもさらに厳しい内容を想定。同社はより一層のコスト削減・製品価格引き上げの取り組みを継続しつつ、「エシカルスチール」の拡販にも取り組み、収益の増加を図る。
●海外鉄鋼事業
ベトナムの鋼材需要は引き続き旺盛であり、南北エリアともに販売量の増加を見込む。北米は、米国拠点では、堅調な需要と現行設備の操業安定化により前期対比業績の改善を予想。併せて、設備老朽化対策として前期に着手した、大型設備投資計画を進める。カナダ拠点は、堅調な需要が予想される中、前期に続き高水準の利益計上を見込む。これらにより、海外鉄鋼事業は前期対比増収増益を予想。
●環境リサイクル事業
前期並みの業績を予想。
なお、中東情勢の影響については、一定程度織り込んでいるが、現時点で見通すことは難しい状況。今後の動向を注視し、迅速かつ適切に対応していく。
<配当政策>
配当について、装置産業としての長期的観点から事業成長と企業体質の強化に必要な内部留保を確保しつつ適切な水準の株主還元を実施する。具体的には、「配当性向年間30-35%、ただし1株当たり年間配当の下限は30円」を目途として配当することを基本方針としている。
26/3期末の剰余金の配当は、従来公表のとおり1株につき60円の予定(年間配当金としては1株につき90円)。
また、27/3期の配当は、2Q末配当30円、期末配当40円の年間配当70円を予定。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)