Loading...

石原環境大臣、太陽光パネルリサイクル費用の前払い制度は「現時点で必要ない」

2026/05/08 15:50
文字サイズ
石原環境大臣、太陽光パネルリサイクル費用の前払い制度は「現時点で必要ない」

石原宏高環境大臣は4月28日、衆議院の環境委員会の会合に出席。太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案において、「(太陽光パネル廃棄・リサイクルなどの費用負担について)現時点では事前徴収(前払い制度)の構築は必要ない」と見解を示した。

 

太陽光パネルのリサイクル推進における前払い制度の導入ついては、前回の会合で参考人として参加した一橋大学大学院経済学研究科の山下英俊准教授がその必要性を指摘。「本来、リサイクル制度においては誰が費用を負担するかが根幹となるべきではあるが、本制度ではその点が明確に示されていない」と述べていた。また、同氏は「審議会では費用負担の在り方について一定の議論がされたにも関わらず、本法案には十分に反映されていない印象を受ける」とし、「経済学的には不法投棄の抑制や環境配慮設計の推進が期待できる前払い型の仕組みが望ましい」と要望した。

 

これに対し、石原大臣は、今後の費用の低減が見込めることなどを理由に、「事前徴収は現時点で必要ない」と回答。「事業終了後の太陽光パネルの放置・不法廃棄の懸念があることは認識しているが、現時点で具体的な事象が発生したわけではない」と続けた。

 

放置や不法廃棄の対策としては、「経産省の再エネGメンによる現地調査などを通じて、太陽光設備が適切に維持管理できているかを確認していく」と述べた。

 

太陽光パネルリサイクルについては、当初、製造業者や輸入販売業者が費用負担することを前提に、パネルリサイクルを義務付ける案が支持されていたが、輸入販売業者などからの反発が強かったせいか、検討中止に終わっていた。今回の新法制度案では、メガソーラー事業者らへの計画届出義向けに加え、リサイクル費用低減に向けた技術開発支援やリサイクル設備の導入支援が組み込まれたものの、費用負担を誰が担うかは言及されておらず、制度の意義そのものが曖昧となっている状態だ。

 

28日の会合では、リサイクル費用と埋め立て費用の想定値についても質問が挙がった。政府の説明ではリサイクル費用はkw当たり1万2000円、埋め立て費用が2000円とされていたが、前回の会合では、太陽光パネルリユース・リサイクル協会の浜田篤介代表理事が登壇し、埋め立て費用は約6000円かかり、政府の数値とは乖離があると指摘していた。また、質疑を行った中道改革連合の金子恵美議員は「廃棄物処理業者によっては埋め立て費用とリサイクル費用を同額に設定しているケースもある」とし、詳細な調査を行うべきと求めた。

 

石原大臣は「リサイクル業者などの関連団体の協力の下、最新の状況を調査していく」と述べたうえで、「施行後も定期的に差額を調査していく」と答えた。

 

いずれにしても、廃棄・リサイクル費用がどれだけ必要となり、だれが負担をするのかの議論が進展することを期待したい。

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

Kota Kuribara

関連記事

新着記事

ランキング