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グラスバーグ全面再開、さらに1年遅延へ フリーポート、完全復旧を2028年に後ろ倒し――銅供給懸念長期化の可能性

2026/05/09 19:57
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グラスバーグ全面再開、さらに1年遅延へ  フリーポート、完全復旧を2028年に後ろ倒し――銅供給懸念長期化の可能性

米資源大手フリーポート・マクモラン傘下のインドネシア銅鉱山「グラスバーグ(Grasberg)」の全面操業再開時期が、従来見通しからさらに1年程度後ずれする見通しとなった。インドネシア現地法人フリーポート・インドネシアは5月8日、地下鉱山「グラスバーグ・ブロック・ケーブ(GBC)」のフル生産回復を2028年初頭に延期すると明らかにした。
これまで同社は、2025年9月に発生した地下泥流事故後、2027年の全面復旧を見込んでいた。しかし、今回の修正により、供給正常化の時期がさらに後ろ倒しとなる。


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■ 「2026年再開」から「2028年全面復旧」へ
この案件を巡っては、フリーポートが2025年11月時点で、
「2026年4〜6月期に操業再開」
と説明していた経緯がある。
ただし、この表現は「部分再開」を意味するもので、当時から全面復旧とは異なっていた。実際、事故影響を受けなかった区域では2025年10月末から操業が一部再開されており、2026年には段階的な回復を進める計画だった。


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今回明らかになったのは、その先にある完全生産能力回復の時期が2028年へ後退したという点である。
フリーポート・インドネシアによると、現在の生産水準は通常時の40〜50%程度にとどまっている。
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■ 地下水流入で想定外の難工事
延期理由は、事故後の地下環境悪化だ。
会社側によれば、坑内停止後に地下水流入が進み、鉱石が想定以上に湿潤化。これにより、採掘した鉱石を鉄道へ積み込む搬送システムや関連インフラの改修が必要となった。
関係者によれば、単なる復旧工事ではなく、
「物流・鉱石ハンドリング全体の設計変更」
に近い対応が必要になっているようだ。
同社は安全性確保を優先するとしており、復旧ペースを慎重に進める構えを示している。
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■ 世界第2位銅鉱山、供給不安は長引く公算
グラスバーグは、チリのエスコンディダに次ぐ世界第2位の銅鉱山であり、副産物として金生産量も極めて大きい。通常時には年間銅16億ポンド(約73万トン)規模の供給能力を持つ。
今回の遅延は、世界銅市場にとって無視できない。
銅市場では既に、
•    インドネシア以外の鉱山事故
•    中東戦争による硫酸供給不安
•    TC/RC(製錬マージン)の急低下
•    銅鉱石品位低下
など供給制約要因が重なっている。
一方で、AI向けデータセンター、送電網投資、EV関連需要への期待から、銅価格は依然として高値圏を維持している。
市場関係者の間では、
「グラスバーグ正常化が2028年にずれ込むなら、供給不足シナリオが長期化しかねない」
との声も聞かれる。
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■ ただし“完全供給停止”ではない
もっとも、供給への影響は限定的との見方もある。
事故影響を受けなかった区域では2026年4月から部分操業が再開されており、段階的な回復は進んでいる。市場では「ゼロ供給状態ではなく、回復速度の問題」との受け止めも強い。
そのため、今回のニュースは直ちに供給ショックを意味するというより、
「銅高値を支える構造的な供給不安が、想定以上に長引く可能性」
として捉えるべきとの見方が優勢のようだ。

(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。

 

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