5月19日10時半、古河電工はビジョン2030実現に向けた経営方針を発表した。詳細はこちら。
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〇経営方針の全体像とパーパス
・パーパス(存在意義)
「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」を頂点とし、2030年に向けたビジョンと共通の価値観(Core Values)で理念体系を構成。
・ビジョン2030
地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報・エネルギー・モビリティが融合した社会基盤の創出を目指す。
・本姿勢
先行きの不透明な環境変化を踏まえ、従来の中期経営計画のような固定的な目標ではなく、現時点で最も実現可能性が高い「到達水準」を提示し、適宜見直しを行う方針に転換した。
〇25中期経営計画の振り返り
・財務目標の達成
25年度の目標に対し、ROIC(12.2%)、ROE(19.1%)、営業利益(639億円)など、主要な指標をほぼ達成または上回る見込みであり、経営基盤の強化が進んだ。
・サステナビリティ
温室効果ガス排出削減(見込44%減)や再生可能エネルギー比率の向上(見込53%)など、目標を大きく上回る進捗を見せた。
・重点施策
事業撤退やM&A、グローバルなファイバ・ケーブル事業の再編など、資本効率を重視した既存事業の収益最大化に取り組んだ。
〇財務到達水準と投資戦略(26-30年度)
・2030年度の財務目標
営業利益: 2,500億円(25年度実績比で約4倍)を目指す。ROE: 20%以上。ROIC: 15%以上。
・キャッシュアロケーション
5年間で8,000億円の営業キャッシュフローを創出し、そのうち6,500億円を投資に配分。
・注力分野投資
投資総額のうち5,000億円をデータセンタ関連などの成長分野に集中投下する。
〇経営上の重要課題:社会課題解決による価値創造
・情報をベースとした社会基盤の創出(データセンタ関連)
生成AIの普及に伴うデータセンタの大容量・高発熱化に対応し、30年度に同事業で営業利益2,000億円を目指す。
「光ソリューション(Lightera)」、「サーマル・電子部品」、「ファイテル製品」の3領域を柱とし、水冷冷却製品の売上を4,000億円規模に拡大、レーザチップ等の供給能力を大幅に増強。
・再生可能エネルギー・HVDC関連
再エネ需要増に対応した事業体制を構築し、30年代のHVDC(高圧直流送電)プロジェクト立ち上げに向けた投資と技術開発を推進。
・新規事業への挑戦
ライフサイエンス、超電導(線材の増産)、インフラレーザ、グリーンLPガスなどの分野で、30年以降の収益の柱を育成する。
〇経営上の重要課題:経営基盤の確立
・事業ポートフォリオの最適化
26年度より6つの新セグメント(光ソリューション、情報コンポーネント、エネルギーインフラなど)へ再編し、マーケット発のソリューション提供を最適化。
・労働生産性の向上と人的資本
生成AIによる業務変革やDXを活用した「次世代工場」により生産性を向上。また、ジョブ型人材マネジメントの整備やエンゲージメント向上に取り組む。
・ガバナンスとリスク耐性
監査等委員会設置会社への移行に合わせ、「CXO制」の導入により意思決定迅速化と執行力の強化を図る。
〇株主還元方針の変更
・新指標の導入
従来の「配当性向30%目安」から、「株主資本の3.5%(DOE)」を目安とした配当方針に変更。
・目的
注力分野への投資を加速させつつ、時々の利益水準に左右されない安定的かつ継続的な株主還元を実現するため。
(IRuniverse 井上 康)