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日本トムソン 26/3期15.9%増収、営利2.5倍に続き、27/3期も半導体製造装置、電子部品実装機向け伸長し19%増収、営業利益2倍予想と収益上伸予想

2026/05/25 10:05
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日本トムソンの26年3期決算は、半導体製造装置や電子部品実装機向けの需要急増で営業利益が2.5倍と大幅に上振れた。27年3期も同分野の拡大が加速、ヒューマノイドロボット向けクロスローラー軸受の本格拡大も見込まれ、19%増収、営業利益倍増予想 と収益続伸見通し。

 

480日本トムソン 26/3期WEB決算メモ  ややポジティブ継続

 

26/3期実装機や半導体製造装置向け急増し15.9%増収、営利2.5倍、27/3期も上伸へ

 

株価2066円(5/22) 時価総額1407億円 発行済株73501千株

PER(27/3DO予19.58倍)PBR(1.73X)配当27/3期DO予34円  配当利回り:1.6%

 

26/3期実装機や半導体製造装置向け急増し15.9%増収、営利2.5倍、受注29.8%増

   直線運動用軸受大手で半導体製造装置、電子部品実装装置向け等に強味。5/11に26/3期決算が開示され、5/15にWEB説明会が開催された。26/3期は売上高630.31億円(2/9修正予想比25.31億円上振れ、15.9%増)、営業利益41.02億円(同10.02億円上振れ、2.5倍)、経常利益51.62億円(同19.62億円上振れ、2.6倍)、税引利益40.69億円(同11.69億円上振れ、6.3倍)と大幅な上振れ着地となった。受注も725.03億円(29.8%増)と、18/3期の729.80億円に次ぐ規模にまで増加した。

地域別では国内が285.27億円(同7.27億円上振れ、6.0%増)と、半導体製造装置向けや実装機向け、工作機械向けなどが拡大も全体では緩やかな上方修正。一方、海外は345.04億円(同18.04億円上振れ、25.6%増)と大幅な伸びに。とりわけ伸びが高かったのが中国で111.85億円(期初計画比23.85億円上振れ、2/9予想比4.85億円上振れ、56.4%増)と、半導体関連事業向けや大口の設備投資案件が寄与し上伸した。 米国向けも101.35億円(同15.35億円上振れ、同4.35億円上振れ、25.2%増)と、ロボットや各種医療機器向、一般機械向けも好調に推移した。欧州、その他地域もいずれも増収で、円安影響もプラスとなっている。

業界別では直販分が315.30億円(10.3%増)で、内訳はエレクトロニクス向けが113.50億円(18.4%増)と実装機や半導体製造装置向けなどが好調に推移、工作機械向けも27.21億円(9.2%増)と増加した。市販・外国代理店向けは250.04億円(3.1%減)と欧州向けなどは増加も、在庫調整などの影響で伸び悩んだ。

製品別では軸受等が565.34億円(期初計画比44.32億円上振れ、2/9修正予想比21.32億円上振れ、17.9%増)で、内訳は直動軸受が349.39億円(同39.39億円上振れ、同105.39億円上振れ、24.2%増)と、半導体製造装置、電子部品実装機、医療機器向けなどの増加が寄与し、上振れの大半を占めた。ニードルベアリングは215.93億円(同4.93億円上振れ、同5.93億円上振れ、8.9%増)と、ロボット向けクロスローラーベアリングや搬送機向けなどのカムフォロアやローラフォロアなどが堅調な伸びを示した。諸機械部品は売上高64.17億円(前期比1.2%増)とほぼ計画並みで横ばいに。

利益面では直動軸受の売上の伸びが高かったものの、生産高が売上高の伸びを下回り、操業度効果がもう一つ、加えて原料高などの影響もあり、売上高総利益率は0.5ポイント改善にとどまり32.0%となった。ただし増収効果で販管費比率が3.1ポイント低下し営業利益率が3.6ポイント改善し3.5%となったことで大幅な営利増となった。なお営業外では為替差益が6.25億円(前期は0.79億円の差損)発生し、経常増益幅はさらに高まった。

27/3期予想は実装機や半導体製造装置向け拡大加速し19.0%増収、営利2.0倍予想

27/3期会社予想は売上高750億円(19.0%増)、営利82億円(2.0倍)、経常利益81億円(56.9%増)、税引利益68億円(67.1%増)予想と売上高で過去最高更新予想、営業利益で09/3期81.53億円を超え、08/3期の98.53億円に次ぐ数字とした。この数字は中期経営計画2026年ROE8%、営業利益65億円計画に対し、ROE8.1%、営業利益では計画比17億円増額での着地予想となっている。

 

地域別では日本が326億円(14.3%増)予想と、とマウンタ向け、半導体製造装置向けの伸長、加えて工作機械向けなどの増加が寄与しよう。海外は米州が111億円(9.5%増)と、半導体製造装置、医療機器、ヒューマノイドロボット、宇宙開発など幅広く堅調な伸びを見込む。中国は151億円(20.1%増)と、工作機械の補助金継続、ロボット生産の拡大、半導体製造装置メーカーの台頭などで高成長を見込む。欧州は74億円(10.6%増)と半導体製造装置、医療機器向け、FAも在庫調整完了堅調な伸びを見込む。またその他では台湾、韓国、シンガポールなど、半導体製造装置向けなどが大きく伸びる見通しのほか、新興国向け二輪車需要も好調持続を見込む。現状、米国向けでは人型ロボット向けにクロスローラーベアリング(ニードル)、アジア、米国、日本では半導体製造装置需要の拡大、チップマウンタもスマホやPC、民生向けに加え、データセンタ向け大型基板対応、フィジカルAI対応でのクロスローラー軸受など、需要が急増しており、下期の伸び率が上期の23%増に対し、15.2%と伸び率鈍化予想、絶対額でも上期比6億円増の378億円予想にとどまっており、欧州、その他地域、米国も上期比1億円増などにとどまっており、下期増額が見込まれる。

品目別で軸受が684億円(20.9%増)、内訳は直動軸受が412億円(17.9%増)、ニードルベアリングが272億円(26.0%増)予想となっている。27/3期はニードル分野で人型ロボット向けにクロスローラー軸受が本格拡大見通しのほか、従来の産業用ロボットも需要増に加え、多関節化などで需要が増える見通し。一方、直動軸受を17.9%増と見込んでいるが、半導体製造装置需要、チップマウンタ需要の見通しから、少なくとも26/3期程度の成長率が見込まれ、軸受全体で下期に増額が見込まれる。諸機械部品は66億円(1.6%増)予想となっているが、こちらも工作機械受注の拡大や半導体製造装置受注の拡大からXYテーブルなどの需要が増えるとみられ、こちらも多少上振れが期待される。

利益面では、収益性が高い直動シリーズが増額となっていること、さらに受注も拡大しており増収効果で36.69億円の増益を見込む。またMIX良化、今期は遅れていたニードル軸受の生産拡大による稼働率アップなどの効果も大きく売上原価改善効果も9.21億円を見込む。実際には売上上振れで営業利益も上振れが期待される。

31/3期に売上高1000億円以上、営業利益150億円以上を目指す

同社は中計2026の計数目標を上振れ達成したが、さらなる成長を見据えて「IKO VISION 2030」を策定、31/3期に売上高1000億円以上、営業利益150億円以上を目標としている。  

現状、27/3期に売上高750億円、営業利益率は10.9%計画となっているが、上振れが見込まれ、28/3期も半導体の拡大継続で収益拡大が続く見通し。

軸受については直動シリーズが半導体製造装置向けの拡大、チップマウンタ向けも民生向けに加えデータセンタ向けなどの大型基板向け実装機の増加などで高い伸び率が継続しよう。半導体製造装置は2027年に23%程度の市場成長、2028年もAIデータセンタ需要、スマホやPCでもAI対応、さらにはフィジカルAI、自動車では自動運転など、半導体需要の拡大というビッグウエーブ到来の中で、直動軸受の需要も製造装置需要増並みの需要拡大が可能とみられる。チップマウンタも、従来の民生用に加え、データセンタ向けの大型基板対応、さらには電子部品に加えて半導体装着も加わり、台数以上に高単価製品の拡大が期待される。チップマウンタ市場も過去最高を更新しており、年率10%超の成長、特に高機能機の伸びが高まるとみられ、高機能に強いFUJIを最大ユーザーとしているだけに、市場成長以上の伸びが期待される。その他、工作機械向けは工作機械受注が2026年度に過去最高水準に達する勢いで、2026年度は10%を超える受注増が見込まれる。こちらも複合機の比率が高まり、リニアガイドの装着台数が増えるとみられ、26年度は20%弱の需要が見込まれ27年度も伸びが継続しよう。このほか一般機械向けでは、同社が注力している医療向け、ロボット向けでも超小型リニアがガイドでロボット指関節を制御するなども期待しており、高い伸び率が見込める。このように、全体として高水準の需要拡大が見込める。

他方、ニードル軸受では、新たな需要先の急拡大で、今後の伸び率が高まろう。具体的には既存事業では2輪向けニードル軸受は新興国の需要拡大で緩やかな需要増が見込める。また搬送機器向けに使用されるカムフォロアなどもフィジカルAI対応で物流システムの無人化などで搬送システムの導入が増えるとみられ、着実な需要拡大が見込める。加えて注目されるのが、人型ロボットを含め、クロスローラー軸受の飛躍的な拡大である。クロスローラーベアリングとは、円筒コロを45°に傾けたローラーと逆に傾けたローラーを交互に直交させて配置し、1つのベアリングで軸受にかかる3つの異なる方向の荷重(回転軸に直角方向にかかるラジアル荷重、回転軸の中心方向となる縦方向のスラスト荷重、回転軸を傾けようとするモーメント荷重)を受けられる軸受である。これ1個で円錐コロ軸受2個分以上の荷重を受けられるとされている。内外の寸法を最小限にコンパクト化しながら内輪と外輪が「線接触」することで高い剛性、ガタつかない回転が得られる。このため、精密な回転テーブルやロボット関節部や旋回部などに最適な軸受とされている。同社はもともとニードル軸受を日本で独自開発したDNAを有しており、この分野では主導的な企業で、最大の競合は同業のTHKで、2社でかなりのシェアを握っているとみられる。同社の強みは標準形、薄型に強く、ロボットなどの旋回部に使うタイプに加え、ヒューマノイドロボットなどの関節部の軽量化が運動性能、消費電力、可搬質量直結する用途向けにはプレス成形した内外輪を使い、質量60%軽量化した厚み8mmの薄型新構造の製品も投入している。

 

 同社はロボット向け売上金額を開示していないが、分類上は直販の中のその他一般機械と、市販の一部に分かれて計上されているとみられ、推定ではロボット向け全体で40億円規模の売上があると推定され、会社側ではヒューマノイドロボット向け比率が30%まで高まったとしている。今後、ロボット自体の成長、米国向け中心にヒューマノイドロボットの本格量産でロボット向けだけで29/3期には倍程度の80億円規模も視野に入るとみられる。なお、「少量多品種の超高精度ニードルベアリング+直動案内機器」の組み合わせが、半導体製造装置・医療・宇宙向けという高付加価値用途の需要増加に対し直動軸受最大手のTHKとの差別化となっており、シナジー効果も需要増に寄与しよう。

 

全体として27/3期予想の増額が期待され、28/3期も順調な収益拡大が見込める。28/3期には営業利益で08/3期98.53億円、経常利益で23/3期104.79億円、税引利益で23/3期74.69億円を上回り、過去最高収益更新が期待される。

株価は26/3期実績、27/3期の収益拡大見通しを踏まえ、2日にわたり大幅高を演じ2000円大台を突破、5/22には2144円となり高値更新中である。現在27/3期会社予想EPS98.66円に対しPER21.2倍はプライム機械平均PER22.1倍に対しほぼ同水準。直動トップでようやく上方修正となったTHK(6481)の35.8倍、軸受総合メーカーの日本精工(6471)24.2倍に対し割安となっている。今後、増額修正も期待され、28/3期は半導体関連、チップマウンタ向けの拡大から最高益更新も視野に入る。1週間で5割高を演じたものの、従来の評価が低すぎたものが修正されたと判断、ややポジティブ継続の評価としたい。

 

 

 

                     *THK(6481),黒田精工(7726)、日本精工(6471)

                                  (図表は 26/3期決算、決算補足資料、会社製品カタログ等から添付、加工、チャートはヤフーから)

 

 

 

 

 

 

 

 

H.Okamoto

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