Loading...

広州汽車集団有限公司(GAC)、メキシコで組立生産を開始する初の中国自動車メーカーに

2026/06/09 16:07
文字サイズ

中国で上位10位に入る大手国有自動車メーカーである広州汽車集団有限公司(GAC)は、国際展開計画を推し進め、現在世界を席巻している印象だ。2026年上半期には、販売台数が前年同期比86%増を記録したとも発表した。GAC社の戦略は「サプライチェーン全体を通じたグローバル化」により世界市場への統合を図り、2030年までに中国の自動車輸出企業のトップに躍り出る可能性もあるようだ。

 

メキシコで組立生産を開始する初の中国自動車メーカーに

目下快進撃中と伝えられるGAC社の4月の発表によると、メキシコ組立工場が2026年下半期までに本格稼働するとのことで、このニュースは内外で大きな注目を集めた。但し、4月8日付のMexico News Dailyによると、GAC社はメキシコ国内においてどこで生産を行うのか、また投資額はどのくらいなのかを明らかにしていないとの情報だ。

 

同社は組み立て工場の候補地については沈黙を守っているものの、モレロス州とアグアスカリエンテス州にある閉鎖された自動車工場、すなわち日産のシバック工場と日産・メルセデス・ベンツのコンパス工場の買収に関心を示している模様だ。

 

幅広い生産車種と国際展開

組み立て生産を検討中の車種は幅広く、内燃機関車のセダン、ピックアップトラック、SUV、加えてハイブリッド車、EV等で、今年後半にも操業を開始する予定であるようだ。いずれにしても、同社は中国輸入車に対する50%の関税を回避し、グローバル展開を更に拡大すべく、メキシコで組立生産を開始する初の中国自動車メーカーとなる予定だ。

 

GAC社は「メキシコでメキシコ向けに製造」することで、明らかにライバル他社との優位性を確立できることを目論んでいるようで、持続可能な成長、地域開発、そして最終消費者との緊密な関係に重点を置いたモデルを通じて、国際展開に向けたグローバル戦略「One GAC 2.0」(2025年発表)を更に推進していく予定のようだ。2025年には、中国はメキシコへ約62万5187台の自動車を輸出し、これは他国への輸出台数を上回るものだった。

 

ライバル他社の状況

他の自動車メーカーも、主要市場である北米への近さからメキシコに拠点を置いている。しかし、これらの企業の多くは現在、経営難に陥っている。2025年末には、日産とメルセデス・ベンツが共同出資するCOMPAS(アグアスカリエンテス共同製造工場)が2026年に操業を停止すると発表された。トランプ政権によるメキシコから北米への自動車輸出に対する25%の関税に加え、消費者の嗜好が高級車からSUVやクロスオーバーへとシフトしたことが、COMPASに大きな打撃を与えたようだ。

 

自動車産業はメキシコの輸出総収入の31.4%を占めており、同国経済にとって重要な部分を占めている。絶えず変化する自動車市場において、メキシコは貿易摩擦の犠牲になるかに見えたが、GACの新組立工場の開設は、経済見通しを変えるための重要な一歩となる可能性がある。

 

メキシコの対応

中国製自動車はメキシコ市場では馴染みのある選択肢だが、国内で製造されているものはなく、GACに倣ってBYDやグリーリー(吉利)など、他の中国メーカーもメキシコ国内生産に関心を示しているようだ。

 

メキシコは今年初め、国内での組み立てを促進するため、自由貿易協定を結んでいない国からの1,463品目に対し、5%から50%の関税を課した。中国車には最高税率の50%が課されている。メキシコ国内で生産することで、この50%の関税を回避し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の枠組みの中で位置づけを再構築することができる。ただし、地域における原産地規則を遵守することが条件となり、これは、中国からの原材料に対する監査が厳格化される中で重要な要素で今後の大きな課題となるであろう。

Hiro

関連記事

新着記事

ランキング