ロイターによると、中国の銅製錬所が硫酸販売による高収益を狙い、硫黄分を多く含む黄鉄鉱(パイライト)の調達を拡大している。銅精鉱の加工委託費(TC/RC)がマイナス圏に沈む中、従来は副産物だった硫酸が製錬所の重要な収益源へと変貌しているためだ。
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背景には、イラン戦争による湾岸地域からの硫黄供給混乱がある。同地域は世界の海上輸送硫黄の約半分を担っており、硫酸価格は急騰。調査会社Oilchemによると、硫酸1トン当たり約1,500元(222ドル)の利益が見込まれ、銅精鉱処理の赤字を十分補える水準となっている。
硫酸価格推移(RMB/トン) 6か月
銅鉱石(TC30%)推移 6か月
中国では金川集団など少なくとも6社が黄鉄鉱購入を増やしており、1~4月の未焙焼黄鉄鉱輸入量は39万1,916トンと2014年以来の高水準を記録した。輸入の57%は山東省と江西省に集中している。中国の精錬銅生産も両省で全体の36%を占める。
また、主要製錬企業の硫酸事業粗利益率は雲南銅業66%、江西銅業63%、山東恒邦冶煉61%など50%超に達しており、業界では「今は硫酸だけが利益を生む」との声も出ている。
もっとも、黄鉄鉱利用拡大は銅精鉱消費の減少や銅生産量の伸び鈍化につながる可能性もある。中国製錬所は黄鉄鉱や金精鉱の処理能力増強を進めているが、技術的制約から参入できない製錬所も少なくないようだ。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)