鉄筋販売会社のウィンファーストは創立20周年という大きな節目を迎えた。これを記念し、日頃から同社を支えるパートナー、商社、母体会社の関係者ら約140名が一堂に会する「創立20周年感謝の集い」を6月15日、東京ステーションホテルにて華やかに開催した。
苦難の20年を支えた「初期メンバー」と「商社」への深い感謝
大きな拍手に包まれて登壇したウィンファーストの向山敦社長は冒頭、母体会社である向山工場および三興製鋼、そして全国から駆けつけた商社関係者ら約140名の来賓に向けて、心からの謝意を述べた。

「2006年の設立当時、34歳前後だった社員たちも、気づけば54歳のおじさんたちが多い会社になった(会場笑)。しかし、向山工場と三興製鋼から出向した9名の初期メンバーは、企業文化や営業スタイルの違いという壁を、何度も車座になってオープンに議論し乗り越えてくれた。彼らの苦労があったからこそ、今の形がある」
さらに、この20年間は電炉・鉄筋業界にとって「試練の連続だった」と振り返る。設立直後の中国の爆食による資材高騰、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災に伴う電力コストの急騰。その後もコロナ禍、ウクライナ情勢、働き方改革、そして昨今のコスト高と建設需要の減少と、まさに逆風の連続であった。
そんな苦しい時代を足元から支えたのは、九州から北海道まで全国から集まった商社各社である。主催者は商社へ向けて、お互いの利益を確保する「適正価格での販売」と、今年リリースした環境配慮型コンクリート向けの溶融亜鉛メッキ筋「ガルバWS」や、滝川クリステルさんをイメージキャラクターに起用した環境配慮型鉄筋「エコボ(ECOBO)」の普及への期待を語った。
最後は、「鉄筋のことならウィンファーストに聞け、と言われる業界のソリューションカンパニーを目指し、100周年に向けて挑戦を続ける」と力強く宣言した。
来賓祝辞・乾杯:業界を挙げての「ハッピー」な連鎖を目指して
続いて来賓を代表し、伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社 代表取締役社長の平川隆義氏が登壇。鈴木会長と向山社長が牽引してきたウィンファーストの歩みに深い敬意を表した。
平川氏は、「両社の創業者の想いと名前に由来する『ウィンファースト(Win First)』という社名は、今なお全く色褪せていない。次々に新しい取り組みや新製品を生み出されるその熱量と発想力は、若い世代にとっても刺激であり、業界の発展へ多大に貢献されている」と絶賛。日頃の取引や昨今共に推進するGX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みに感謝を述べ、「質も量も伴った貢献で、次の20年も微力ながら支え続けたい」とエールを送った。
乾杯の発声を務めたのは、エムエム建材株式会社 代表取締役社長の温井健夫氏。自身が40歳の駆け出し担当者だった20年前、当時の六本木オフィスへ熱心に通った思い出を述懐。「世の中には様々な『ファースト』があるが、勝つのが一番というストレートで素晴らしい社名はない。我々流通もウィンファーストの『関わるすべての人をハッピーにしたい』というビジョンを見習い、業界を明るく盛り上げていきたい」と語り、力強い乾杯の発声で会場の熱気は最高潮に達した。

特別スピーチ:阪和興業・古川相談役が吼える「鉄筋こそが成長品種」
宴の最中、スペシャルゲストとして登壇したのは、阪和興業株式会社 元社長で現相談役の古川弘成氏。激動の鉄鋼相場を最前線で戦い抜いてきたレジェンドならではの、ユーモアと深い洞察に満ちたスピーチが披露された。
古川氏は、かつて自身が鉄筋価格が激しく乱高下する時代に育ち、香港・中国向けにハイテンション鉄筋を毎月45億円も売り上げていた豪快なエピソードを披露。さらに、離合集散の激しい電炉業界の中で独自の基盤を築いて利益を上げ続ける、ウィンファースト母体アライアンスの強固な結束力を高く評価した。
また、古川氏はマクロ経済の視点から鉄筋ビジネスの優位性を力説した。
「今、日本のあらゆる産業は中国の猛烈な攻勢を受けている。しかし、この『鉄筋』だけは影響を受けない。なぜなら日本の鉄筋は、3.5mから12mまで50cmピッチという細やかな現場ニーズに応える独自の商習慣に守られているからだ」と指摘。
かつて自身が海外製の安価な鉄筋を輸入して大損した経験を交えながら、輸入物が簡単に入り込めない日本の鉄筋こそが、実は「相対的な成長品種」であると強調した。「ゼネコンが人手不足で仕事を選ぶ時代、ウィンファーストも注文を断るくらいの気概を持っていい。この仕組みを誇りに、100周年まで発展してほしい」との最高峰のビジネスパーソンからの太鼓判に、会場からは惜しみない拍手が送られた。
ウィンファースト20年の軌跡と、未来への展望
歓談中には同社の20年の歩みを振り返る映像が紹介され、参加者はその目覚ましい成長の軌跡に目を奪われた。
組織の進化とプロパー社員の躍進
2006年7月、三興製鋼の製品を扱う営業部から始まった同社は、鉄筋加工のスペシャリスト集団「営業第3部」、設計営業やVE提案を行う「営業第4部」、向山工場・三興製鋼の共同調達を行う「調達本部 購買部」、そして社内DXや広報を担う「業務企画室」を次々と新設してきた。
創立時はわずか9名、京セラ創業者・稲盛和夫氏ゆかりのビルの一角(現・東京ミッドタウンの地)から始まった組織は、現在約30名に拡大。当初0%だったプロパー社員の比率は今や全体の44%を占めるまでに成長し、次世代へのバトンタッチが着実に進んでいる。
「ハッピー」を形にする新理念と制度改革
2023年には新たな経営理念(パーパス・ビジョン・バリュー)を策定。この理念のもと、定量的な「新評価制度」、感謝を視覚化する「サンクスカード(4カード)制度」、時差出勤や時間有給などの「ワークライフバランス向上策」、独自の組織論「識学」による社内研修などを次々と導入し、誰もがパフォーマンスを最大化できる先進的な職場環境を整えてきた。
結び:私たちの未来は、ここから始まる
2025年以降も、DX認定の取得や会社のブランディング向上を進めるとともに、非化石・脱炭素資材などの環境配慮型先進素材を次々と発表していくウィンファースト。
創業メンバーへのインタビューで語られた、「人数が増え、活気もあり、困難に立ち向かう力がさらに増した。私たちの未来は、ここから始まる」という言葉の通り、鉄筋業界のソリューションカンパニーとして、同社は次の20年、50年、そして100周年へと、より良い地球環境を次世代につなぐための新たな挑戦をスタートさせた。
(IRUNIVERSE YT)