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金相場、「中東危機でも上がらない」現実 中央銀行買いはなお継続

2026/06/17 08:50
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金相場を巡る市場の見方が変化しつつあるようだ。年初には1オンス=5,600ドル近辺まで史上最高値を更新し、「6,000ドル相場」も意識されたが、その後は大幅調整に入り、現在は4,300~4,700ドル近辺でもみ合う展開となっている。

NY Gold(USD/toz) 1年

注目されるのは、米国とイランの軍事衝突という典型的な地政学リスクが発生したにもかかわらず、金が期待されたほど買われなかった点だろう。

英バークレイズは16日付のリポートで、今回の金下落について、ドル高や米国株高、投機筋のポジション解消が重なった結果と分析している。従来の

> 「中東危機 → 金買い」

ではなく、

> 「中東危機 → ドル買い」

が優勢だった局面があった可能性を指摘している。

背景には、戦争によるエネルギー価格上昇がインフレ再燃につながり、FRBの利下げが遠のくとの見方があるのかもしれない。実際、UBSは米景気の底堅さと実質金利上昇を理由に、金価格が短期的に3,850~4,000ドル近辺まで下落する可能性があるとの見方を示している。

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一方で、中長期の強気論は依然として根強い。

世界黄金評議会(WGC)が16日に公表した調査によると、回答した74の中央銀行のうち45%が今後12カ月以内に金保有を増やす見通しを示した。前年の43%を上回り、調査開始以来の最高水準となった。保有削減を見込む回答はわずか1%だった。

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More central banks signal plans to increase gold holdings, WGC survey shows | Reuters

また、93%の中央銀行が既に金を保有しており、保有理由として「危機時のパフォーマンス」「長期的価値保存」「ポートフォリオ分散」が上位を占めたという。

バークレイズは今回の急落を弱気相場入りではなく「リセット」と位置付けている。インフレリスクや政策不透明感、中央銀行による準備資産分散といった長期的な支援材料は依然残っているとの見方だ。

結局のところ、市場は現在、

* 短期ではドル高・高金利が逆風
* 長期では中央銀行買いが下支え

という二つの力を同時に織り込んでいるように見える。

年初の熱狂は後退したものの、中央銀行がなお金を買い続ける限り、金市場の長期強気シナリオが完全に崩れたと判断するのも早計なのかもしれない。

(IRUNIVERSE S. Aoyama)


本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意
図したものではありません。
 

青山 雫

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