~革新的なケミカルリサイクル技術により、「おくすりシート」を水平リサイクル可能な包装資材へ~
第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)とJFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区)は、6月18日、錠剤やカプセルの包装に用いられる「おくすりシート」(PTP包装)などの使用済みプラスチックから、化学品原料となる合成ガスを生成する工程の実証試験を実施し、合成ガスの安定的な生成に成功したと発表した。
廃棄物処理分野においては、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、資源循環と温室効果ガス排出削減の両立が求められている。従来、医薬品包装として多く用いられる「おくすりシート」は、プラスチックとアルミニウムからなる複合資材であることから分離が難しく、これまで多くが焼却処理または資源ごみとして回収されたのちにサーマルリサイクル(※1)により処理されてきた。
こうした中、JFEエンジニアリングでは複合資材等も含む使用済みプラスチックについても、化学原料へ転換して再資源化するケミカルリサイクル技術の開発を進めていることから、「おくすりシート」のリサイクルにも適用可能であることを検証するため、同試験を実施した。
同試験では、第一三共ヘルスケアが「おくすりシート リサイクルプログラム(※2)」で一般生活者から回収した「おくすりシート」を含む使用済みプラスチックに対し、JFEエンジニアリングの革新的な廃棄物ガス化技術「C-PhoeniX ProcessⓇ<シーフェニックス プロセス>(※3)」を適用し、合成ガス(CO・CO2・H2)を生成した。
◆試験の実施概要
JFEエンジニアリングは、廃プラスチック(使用済みプラスチック)から合成ガスを経てプラスチック原料等へと再生する一連の廃棄物ケミカルリサイクルの確立を目指しているが、今回の試験はこのうち「廃プラスチック→合成ガス」工程(図の緑枠)を小ロットスケールで検証したもの。
図:JEFエンジニアリングが進める廃棄物ケミカルリサイクルとその活用例

引き続き、回収量の増加にも対応し得る新たなリサイクルの選択肢として、より具体的な検証を進めるため、今後建設が予定されている大規模な廃棄物ガス化プラントにより、技術検証を重ねながら社会実装を目指していく。
第一三共ヘルスケアとJFEエンジニアリングは、今後も両社の強みを活かし、医薬品包装資材という特性上、削減が難しい「おくすりシート」の資源循環確立に向けた取り組みを推し進め、持続可能な社会の実現に貢献していく。
◆担当者コメント
第一三共ヘルスケア サステナビリティ推進マネジャー 岩城 純也
今回の試験は、これまで「おくすりシート リサイクルプログラム(※2)」にご参加いただいた皆さま一人ひとりのご協力があってこそ実現できた取り組みです。心より御礼申し上げます。
「おくすりシート」は、複数種類のプラスチックやアルミニウムなどからなる複合資材であり、当社ではこれまでさまざまなリサイクル方法(※1)の検討・実証を行ってまいりましたが、マテリアルリサイクルのみでは用途や処理量の面で限界があると感じていました。そうした中、本試験は素材を有効に活用できる可能性を持ち、回収量が増加した場合にも持続可能な循環のビジョンが見えてきた点に大きな意義を感じています。
今後は回収エリアの拡大を目指しながら、生活者の皆さまがより参加しやすい回収の仕組みづくりと、リサイクル技術の検討を両輪として、一歩ずつ取り組みを前進していきたいと考えています。無理のない形で、しかし着実に、生活の中に根づくリサイクルを、これからも皆さまとともに築いていきたいと思います。
JFEエンジニアリング 環境本部開発センター長 奥山 健一
今回の試験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業において、環境省、千葉市のご協力のもと実施することができました。心より感謝申し上げます。
本試験で対象とした「おくすりシート」のように、マテリアルリサイクルや他のケミカルリサイクル手法(※1)では対応が難しい複層材などについても、当社の廃棄物ガス化技術によりリサイクルできる可能性を確認しました。今後さらなる技術検証を進めるとともに、より多くの製造業等企業の皆さまのリサイクルニーズに応えるべく、社会実装に向けた取り組みを加速していきます。
(IR universe rr)