-国内初 自動車廃ガラスを建築用板ガラス原料として再資源化-
AGC株式会社(代表取締役社長:平井良典)は、6月19日、連結子会社で補修用自動車ガラス事業を展開するオートグラス株式会社(代表取締役社長:羽藤 正史)を通じて、自動車修理・交換時に発生する廃フロントガラスの回収および再資源化に向けた実証実験を、2026年6月から開始すると発表した。この実証実験では、AGCがこれまで建築用ガラスの資源循環で培った知見を活かして、産業廃棄物として処理されてきた自動車用フロントガラスを回収し、建築用板ガラスの原料として再資源化するスキームの構築を目指す。自動車廃ガラスを建築用板ガラスの原料として循環利用する体系的な施策は国内初*1の試みになる。
自動車修理・交換で発生する廃ガラスの現状と課題
国内では、事故や飛び石被害、経年劣化などに伴い、自動車ディーラーやガラス施工店で年間1万トン以上の自動車廃ガラスが発生しているとされている。一方で、処理コストや回収の難しさから、十分なリサイクルの仕組みは確立されておらず、その多くが産業廃棄物として埋め立て処分されているのが実情。特に、自動車用フロントガラスは、衝突時の安全性を高めるために、ガラスとガラスの間に樹脂中間膜を貼り合わせた構造となっており、リサイクルにあたっては、ガラスと樹脂を分離する工程が必要になる。このため、一般的な板ガラスに比べて再資源化が難しい素材とされてきた。
実証実験の概要
同実証実験では、補修用自動車ガラスの卸販売・デリバリーを担うオートグラスと、全国の自動車ガラス施工店とのネットワークを活用し、廃フロントガラスの回収から再資源化までを一貫して行う新たな資源循環スキームを検証する。回収した廃フロントガラスから精製したカレット*2を、AGCの建築用板ガラスの原料として活用できるかを検証し、品質・安定供給性・実用性の観点から評価を行う。再資源化材であるカレットを使用することで、ガラス原料由来のCO₂や原料調達・製造時のエネルギー起源CO₂を削減でき、自動車廃ガラス1トンあたりで約0.6トンのGHG排出量削減が見込まれる(Scope1+2+3)。これにより、廃フロントガラスの埋め立て処分量削減と、資源循環型社会の実現に向けた実効性のあるモデル構築を目指す。

今後、自動車ガラスのリサイクルスキームの実現可能性を検証するとともに、対象エリアの拡大や施工店、自動車メーカー、損害保険会社など、パートナーとの連携強化を進めていく。これらの取り組みを通じ、国内における自動車廃ガラスの回収・再資源化を拡大し、業界全体の資源循環インフラの整備に貢献していく。
〈注釈〉
*1 AGC調べ(2026年6月時点)
*2 ガラスを細かく砕いたもの。
(IR universe rr)