2026年6月のコバルト価格は小動き。LGコバルトがじりじりと上昇を続ける半面、HGコバルトや硫酸コバルトの調整の動きも続いている。最終需要の弱さが意識される中で下流企業の調達意欲が低く、取引が停滞している。
コバルト生産の7割を担うコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)の輸出割当が続き、国際市場でのコバルト流通量は限られている。一方で電気自動車(EV)の販売や車載電池向けコバルトの需要は細り、最終製品の需要も弱い。
上海有色網(SMM)は6月18日までのレポートで「下流の企業が弱い需要に対応するのに十分な量のコバルトを既に抱えており、新たな調達の必要性を感じていない」と指摘した。市況の先行きへの懸念も根強く、売買を手控えるムードが蔓延しているという。
■LMEは1月から横ばい
過去6か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

国際価格のLMEコバルトは1月7日に高値$5万5835/tonを付けた後、横ばいが続く。6月22日高値は$5万5860。
過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

ベンチマークとなるLGコバルトもやはり値動きは乏しい。6月19日に仲値$26.3/LBを付けた。$26台前半でじりじりとした値上がりが続く。水準としては2022年7月以来の高値圏にある。
過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移

■硫酸コバルト、低価格リサイクル品の流通も重荷
過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移

航空機向けなどハイグレードのHGコバルトは6月12日に$29.015/LBを付けた。3月19日-4月7日を直近高値に調整が続く。
過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)

電池向けの硫酸コバルトはさらに調整が鮮明だ。6月19日に仲値RMB8万8000/mtと、2025年末以来の安値に下げた。1月9日-2月5日のRMB9万5000をピークに下落が続く。SMMは硫酸コバルトについて「買い手と売り手の間の希望価格差が大きく、実際の取引に結びついていない」と指摘した。リサイクル品が低価格で出回っていることも値下がりの遠因としている。
■Topics
6月16日
ロンドン金属取引所(LME)は6月16日、「7月26日以後に輸入分のロシア産銅とコバルトは、欧州連合(EU)の倉庫に登録できないものとする」と発表した。
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5月26日

京都大学は5月26日、ホームページ上で、「同大工学部の研究グループが、高温で安定な結晶構造を室温でも多量に残留させることで、多結晶純コバルトの室温での強度(強さ)と延性(ねばさ)を大きく向上させることに成功した」と発表した。コバルト合金の高性能化に貢献することが期待できる。
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