レゾナックは25日、徳山事業所(山口県周南市)において、半導体回路のエッチング工程に使用される「高純度フッ化水素ガス(HFガス)」の製造を2026年内に新たに開始し、川崎事業所と合わせた国内2拠点体制にする予定と発表した。
高純度ガスは、半導体ウエハーの回路形成(前工程)で使われる材料であり、近年の半導体市場の拡大に伴い需要が増加しているという。特にデータセンターやAI用途の拡大を背景に、半導体チップを3次元的に高密度に積層する構造の採用が進んでおり、積層された多数の層を貫く微細で深い回路を高精度に形成する技術が求められている。
こうしたニーズに対応する技術として注目されているのがクライオエッチングだ。同技術は、ウエハーを極低温に冷却した状態でエッチングを行うことで側壁を保護しながら加工でき、従来よりも深く滑らかな微細構造を高精度に形成できる。高純度フッ化水素ガスは、この先端エッチングプロセスにおいて酸化膜の除去などに使用される重要な材料であり、クライオエッチング技術の普及に伴い、より高い純度と安定した供給が求められている。
このような市場環境を踏まえ、レゾナックは需要拡大に対応できる供給体制の強化を目的に徳山事業所での製造開始を決定した。
BEAM Technologies、日本低軌道社中らと地球低軌道における半導体製造に関するMOU締結
また、レゾナックは同日、BEAM Technologies(BEAM)や日本低軌道社中らと、地球低軌道(LEO)における半導体製造事業の実現に向けた覚書(MOU)を締結したとも発表している。
日本低軌道社中が開発する日本モジュールでは様々な技術実証や商業利用が計画されており、レゾナックは材料関連の中でも、特に市場規模、日本における産業基盤、技術優位性のある化合物半導体における「微小重力を活用した次世代製造プラットフォーム」を共同で構築。2030年以降に商業宇宙ステーションに接続される日本モジュールにおいて化合物半導体製造の実現を目指す。
(IRuniverse K.Kuribara)