7月7日15時半、日本製鋼所は中計をアップデートした。詳細は以下の通り。
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〇中期経営計画「JGP2028」アップデートの概要
市場環境の変化を踏まえて事業戦略をアップデートし、最終年度である29/3期の財務目標を上方修正した。
図表1、29/3期の中計目標(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇33年度に目指す姿 (Vision & Purpose)
●Purpose(パーパス)
「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。
●Vision(ビジョン)
社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて、持続可能で豊かな世界の実現に貢献する。
●マテリアリティ(解決すべき社会課題)
「プラスチック資源循環社会の実現」「低炭素社会への貢献」「超スマート社会への貢献」を掲げている。
●財務目標(33年度)
売上高5,000億円規模、営業利益500億円、ROE11~12%の企業グループへの成長を目指す。
〇JGP2028 4つの基本方針と進捗状況
①現有事業の持続的価値向上
・広島製作所において、樹脂機械製品の生産能力拡大(新工場の竣工および建設中)や、適地生産・相互補完による防衛装備品の生産能力拡大中。
・グローバル展開の推進として、韓国での新工場建設や、インドへのエクスペリエンスセンター設置を推進中。
・室蘭製作所での素形材製品の生産能力拡大も順調に進捗。
② 新規事業の創出・育成
・「超スマート社会への貢献」に向けた重点投資を中心に研究開発を推進しており、新たな研究開発拠点の用地取得や、窒化ガリウム(GaN)結晶などの早期事業化を目的とした「フォトニクス事業室」を設置。
③ 人への投資を始めとした無形資産投資の拡充
・事業戦略に適合した多様な人材の獲得を計画を上回るペースで進め、「くるみん」認定を取得。
・DX戦略も順調に進捗しており、経済産業省から「DX認定事業者」として認定。
④ コーポレートガバナンスの強化
・中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、役員報酬制度において株式報酬比率を引き上げた。
・取締役会・監査役会における社外役員・女性役員比率を向上させ、多様性を確保。
・政策保有株式は、27/3期までに純資産比で10%以下へ縮減する予定。
〇配当方針
「連結配当性向35%以上」を目標とし、業績に関わらず「DOE(連結株主資本配当率)2.5%」を下限として配当を実施する方針。
〇事業環境の変化と事業戦略のアップデート詳細
中期経営計画策定時から変化した市場環境に対応するため、各セグメントの事業戦略を見直し。
●市場環境の主な変化
・EV市場の成長減速(バッテリーセパレータフィルムの設備過剰)。
・地政学リスクの高まりによる防衛関連予算の拡充と新規装備品ニーズの増加。
・エネルギー安全保障を背景とした、高効率火力・原子力発電需要の増大。
・AIの普及とデータセンターの増加に伴う、関連製品(プレス機、ラミネーター、銅合金等)の需要急増。
●事業セグメント別戦略
・樹脂製造・加工機械 / 成形機
成長地域(インド・中東等)への経営資源の重点配分や、プラスチック成形機のグローバル化加速、フィジカルAI向けマグネシウム成形機の需要取り込みを強化。
・防衛関連機器
適地生産と相互補完による供給能力増強と、新規装備品の提案を強化。
・電子デバイス他
FPD製造装置の需要増大への対応や、データセンター向けプリント基板製造用プレス機の拡販。
・素形材エンジニアリング
高効率火力・原子力発電需要の増大に対応するため、タービン・発電機用ローターシャフトの生産能力を1.5倍に、原子力向けを倍増させるほか、データセンター向けチタン銅の供給体制を構築。
・フォトニクス
次世代半導体向け等の結晶の量産化対応を加速。
●セグメント別財務見通し
・産業機械事業
29/3期の売上・利益は当初計画を下回るものの、増収・増益基調は維持する見通し。
・素形材エンジニアリング事業
電力・原子力製品の需要が牽引し、当初計画に対して大幅な増収・増益を見込む。
図表2、セグメント別目標(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)