2026年7月中旬~7月下旬のレアアース市況は全体に動きが鈍い。金属取引全体が世界的な夏休み入りでオフシーズンに入り、取引量が減少している。その中でも市場規模の小さな酸化イットリウムは欧州価格の快進撃が続く。長く横ばいが続いたものに値ごろ感を意識して物色する動きがあり、金属ランタンはほぼ1年半ぶりの高値に上げた。
■酸化イットリウム、欧州値上がりは「税制も影響」REIA
欧中酸化イットリウムの価格推移(99.999% EU、S/Kg)(China RMB/kg)

資源枯渇不安がくすぶる中希土類の酸化イットリウムは中国内外での乖離が続く。欧州価格が7月17日に仲値$522.5/kgと過去最高値を付けた半面、中国価格は6月25日の仲値RMB52.5/kgから動きがない。
IR Universeが協業する国際希土類産業協会(REIA)の幹部はイットリウムの欧州価格の上昇について、「(欧州の)付加価値税(VAT)の有無による違いに加え、市場規模の小ささから取引停滞による価格上昇が起きやすいと考えられる」と話した。
■ランタンとジスプロシウムが上昇
金属ランタンの価格推移(99% FOB China)($/kg)

金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

金属ランタンは7月17日に仲値$3.7/kgを付けた。2024年1月以来およそ1年半ぶりの高値水準。金属ジスプロシウムも7月10日に$315/kgと4月2日以来の高値に上げた。いずれも長い横ばい後の上昇で、値ごろ感に注目した買いが入った可能性がある。
■ネオジムとテルビウムは横ばい
金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

ほかは横ばいが多い。金属ネオジムは7月3日に付けた仲値$152.75/kgから横ばい。軽希土類の動向を反映しやすい中国のレアアース価格指数も動きは鈍い。7月20日に273.52と、前週末の7月16日(273.5)からほぼ横ばいだった。
中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)
金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属テルビウムは6月19日から1か月以上値動きがない。
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7月20日
中国税関総署が7月20日に発表した2026年6月の貿易統計月報によると、同国の6月のレアアース製品の輸出量は前年同月比0.2%増の1万1571トンで、伸び率は5月の36.6%増から急激に鈍化した。レアアース鉱石の輸出量は6月単月が前年同月比34.1%減の5105トンだった。輸入量は前年同月比25.3%減の6261トンと、減少率は5月の42.1%減から縮小した。
関連記事:中国、6月のレアアース製品輸出は0.2%増 数量は1万1571トンと前月から横ばい
7月17日
マレーシアのウォン・チェン国会議員は7月17日、「同国の議会委員会が、オーストラリア資源ライナス・レアアースと米国防省との間のマレーシア産レアアースに関する供給契約について、調査を行った」と発表した。
関連記事: マレーシア、豪ライナスの対米レアアース供給を調査 親パレスチナの政府姿勢と齟齬の可能性で
7月15日
東京大学の加藤泰浩教授は7月15日、東京ビックサイトで、「南鳥島周辺海域の海底鉱物資源研究の最前線」のテーマで講演した。
関連記事: 南鳥島周辺海域のレアアース泥で中国依存からの脱却を―東京大学・加藤教授がプラントショーで講演
7月14日
レアアースのリサイクル事業を展開する米リエレメント・テクノロジーズは7月14日、重要鉱物精製の設備資金として、国防省から2500万ドル(約41億円)の投資を受けることが決まったと発表した。
プレスリリース: 米リエレメント・テクノロジーズ、防総省から2500万ドル調達
7月14日
豪レアアース鉱山会社ノーザン・ミネラルズ(Northern Minerals Limited)は7月14日、「豪政府から中国系の株主3者の議決権行使などを制限する命令を受けた」と発表した。
関連記事: 豪政府、資源ノーザンの中国系株主の議決権行使を制限 株売却命令に違反、乗っ取り阻止
7月8日
米資源のクリティカル・メタルズ(Critical Metals Corp)は7月8日、「デンマーク領グリーンランドでのレアアース開発に注力するため、非中核資産の売却などを検討する」と発表した。
関連記事: 米クリティカル・メタルズ、グリーンランドのレアアース開発に注力加速へ トランプ氏は所有意欲を再表明
7月2日
豪レアアース採掘のイルカ・リソーシズ(Iluka Resources)は7月2日、「豪鉱物探査・生産のVHMリミテッドと希土類精鉱の長期供給契約を締結した」と発表した。