イランによるホルムズ海峡での商船タンカーへの攻撃で米イの停戦が破棄され攻撃の応酬が始まった7月だったが、月初に世界のコンテナ運賃は約2年ぶりの高値圏に突入した後、現在は微妙な下降傾向を示している。
現下のコンテナ運賃動向をノルウェーのゼネタ(Xeneta)社のコンテナ運賃情報「Xeneta Shipping Index by Compass」(XSI―C)https://xsi.xeneta.com/ (40フィート・コンテナのスポット運賃で各種サーチャージを含む)で見てきているが、下図のように6月からすると7月は太平洋航路と北欧州航路はともに上昇した格好だが、7月初めに最高値をつけ、本稿執筆中は徐々にではあるが下降気味の印象だ。
(単位:米ドル)
航 路 | 10月24日 | 11月25日 | 12月19日 | 1月28日 | 2月23日 | 3月27日 | 4月28日 | 5月19日 | 6月26日 | 7月27日 |
東アジア/ 北米西海岸 | 2,068 | 1,955 | 2,134 | 2,260 | 1,842 | 2,329 | 2,831 | 3,141 | 5,958 | 6,070 |
| 北米西海岸/東アジア | 662 | 639 | 637 | 616 | 618 | 590 | 637 | 622 | 660 | 649 |
東アジア/ 北ヨーロッパ | 1,942 | 2,317 | 2,528 | 2,643 | 2,181 | 2,767 | 2,470 | 2,709 | 4,763 | 5,106 |
| 北ヨーロッパ/東アジア | 151 | 136 | 137 | 158 | 140 | 187 | 253 | 239 | 266 | 272 |
他のコンテナ運賃指標で東アジア発米国西岸向け運賃(40フィート)を見てみると、Drewryでは前週比394ドル減の5,878ドル(7月23日付)、Freightos Baltic Index では前週比854ドル減の6,175ドル(7月24日付)とそれぞれ先週末より下降気味だ。両運賃指標ともXeneta同様に7月初めに約2年ぶりの最高値を記録していた。
日本発の運賃はどうか?
(公財)日本海事センターが公表している日本発の運賃(40フィート)は、3月入り上昇に転じ、その傾向は5月も続いている。
(単位:米ドル/40ft)
航 路 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
| 横浜―ロスアンジェルス | 5,941 | 3,863 | 4,045 | 3,980 | 3,411 | 3,677 | 3,664 | 3,543 | 3,465 | 3,788 | 4,360 | 4,690 |
| 横浜―ニューヨーク | 8,347 | 6,648 | 6,359 | 6,200 | 5,411 | 5,547 | 5,471 | 5,225 | 5,166 | 5,679 | 6,224 | 6,341 |
日本・アジア/米国間コンテナ貨物の荷動き(TEU: 20フィート換算)―中国復活、ASEANは堅調
日本海事センターが7月28日に発表した6月のアジア18カ国・地域発米国向け往航(北米東航)コンテナ輸送量(速報値)は、前年比14%増の191.6万TEU。1-6月の累計では、前年同期比0.3%増の1078.5万TEUだった。
国別では、日本は3.2%減となる5.4万TEU、中国は25.5%増となる95.5万TEU、韓国は0.9%増となる10.8 万 TEU、台湾は7.3%減となる5.5万TEU、ベトナムは3.4%増となる31.4万TEU、インドは0.8%増となる10.6万TEUだった。
地域別では、ASEANは7%増となる59.9万TEU、南アジアは5.2%増となる14.1万TEUだった。
アジア域内スポット運賃指数
2026年から週次発表となったドゥルーリー(Drewry)によるアジア域内スポット運賃指数(Intra-Asia Container Index)は、7月23日現在、2%下落し、40フィートコンテナ1個あたり960ドルとなった。
これで5週連続の下落となり、特に上海~ジャワハルラール・ネルー港、マニラ、ジャカルタ、高雄の各航路で運賃の下落が続いている。日本関連の運賃は、横浜発上海向けは84ドルだった。
コンテナ運賃の今後は?
米政府は7月24日、日本を含む60カ国・地域を対象に原則10%または12・5%の新たな関税措置を発動、関税引き上げを見越した前倒し輸送が7月までの北米航路でのコンテナ運賃を押し上げてきたが、足元ではその効果が一服した感があり、今後の荷動きへの影響が注目される。
欧州航路は、7月中旬以降の欠航増加とピークシーズン調整費(PSS)継続により、市況は当面高止まりするようではあるが、北米同様に前倒し需要が終了する可能性もあり、8月以降は上昇ペース鈍化の可能性がある。ホルムズ・紅海情勢が改善し、船社のスエズ復帰が進めば中長期的には供給増加による下押し圧力も想定される。
船腹供給過多にある現況ではコンテナ船社は欠航(ブランクセーリング)による船腹削減を図っており、よって需給を厳格に管理しているのも現実だ。船社による運賃維持策や中東情勢を巡る不透明感から短期的な市況の大幅な下落は想定しにくい状況のようだ。