リン循環産業振興機構 事務局・理事長
大竹 久夫 氏
講演タイトル:「経済安全保障(特定重要物資)とリン」
講演概要(Abstract)
リンは2023年に「経済安全保障の確保の推進の関する政令」で指定された特定重要物資11品目の中で、肥料、半導体・集積回路、蓄電池および重要鉱物の4品目と関係している。このため経済産業省の「半導体に係る安定供給確保を図るための取組方針」では、黄リン(リンの単体)およびその誘導品が施策の対象となる原料に指定されており、また「重要鉱物に係る取組方針」でも、昨年度リンは当面の施策の対象となる19品目(重要鉱物は36品目)の一に加えらた。広範な製造業分野で使われる高純度リンマテリアルの多くは、黄リンを出発原料として製造されるが、黄リンは世界でも中国、米国、カザフスタン(旧ソ連)およびベトナムの4か国でしか生産されていない。しかもその輸出は、事実上カザフスタンとベトナムの2か国でしか行われていない。わが国は国内で黄リンを生産できず、年間約2.5万トンの黄リンをベトナム一国からの輸入に頼っており、その調達には常に大きなリスクが伴っている。本講演では、リンの調達リスクの現状とその根本的対策としての黄リン国内生産への取組について紹介する。
【プロフィール】
平成02年 広島大学工学部醗酵工学講座教授
平成15年 大阪大学大学院工学研究科応用生物工学専攻教授
平成17年 大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻教授
平成27年 早稲田大学リンアトラス研究所客員教授
平成30年 一般社団法人リン循環産業振興機構理事長