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優良リサイクル企業の全国ネットワーク ESJ(エコスタッフジャパン)の田部代表に聞く

2012.11.19 23:46

 写真1エコスタッフ・ジャパン株式会社(ESJ)は全国の産廃処理企業を認定するネットワーク。
現在37社が認定されており、その中の11社が株主として出資する企業だ。
主な活動内容は、環境省が指定した基準を元に産廃処理に関する統一基準を作り、その基準をクリアした企業をさらに優良企業として認定すること。06年に起業し今年で6年目となるESJの活動内容はどのようなものなのか。そして、今後の産廃処理業界に対して、どのように考えているのか、代表の田部和生氏に話を伺った。

 

 

 

 

 

――本日はよろしくお願いします。はじめに田部さんが、起業を志したきっかけについて教えていただけますか?

 

田部) はじめは「安心安全」のブランドを作りたいという思いで始まりました。そのためにはどこかに期待していてはだめだ。我々自身でやっていくのだと考えて、この会社を作りました。当時は、世間の産廃処理業界に対するイメージが悪かったのですが、私はこの業界に後から入ってきて、優良企業の方と多くお会いしていたので、ひどい面ばかりとは思ってなかった。それを外部の人にきちんと伝えて、排出事業者の方々に処理企業を判断する際の基準として認定企業という制度をつくり、情報公開や教育研修を徹底してやっていこうと思いました。

■認定企業について
 認定企業となった各企業は、全国優良企業の担当者と研修会で直接交流し、ESJ作成のマニュアルと検定試験を活用することで、現場作業レベルでの顧客満足度の向上を目指している。また、最新の案件情報・行政情報を随時共有し、全国優良企業ネットワークによる対応力と、教育研修が徹底された現場力・信用力によって、他社との差別化を実現している。
 

ESJの優良認定業者を選定する基準は大きく分けて以下の3つ
1.CS(顧客満足)基準
 ・経営者による品質向上等に関する誓約書「10の宣言」の提出
 ・安心してサービスを提供できる「ESJマネージャー」の任命
2.優良産廃処理業者認定制度に基づく基準(安心・安全)
 ・情報開示(産廃情報ネットで実地など)
 ・法令尊守(5年間行政処分なしなど)
 ・環境保全(ISO14001またはエコアクション21の取得)
3.サービス品質基準
 ・専任担当者や管理システムを導入しての、マニフェスト管理の徹底
 ・スーパーバイザーによる現地審査および定期調査
 

田部) ESJの特色は、情報公開を徹底していることです。ESJマネージャーの方には顔写真を出してもらうなど現場の責任者には情報公開をしていただいています。他のネットワークだと、たいていはお金を払うなどすれば参加できるのですが、ESJは審査基準を設けていて、その基準をクリアした企業しか認定していません。環境省が指定した基準をクリアしているのかをチェックし、社長に話を聞き、マネージャーにも合い、現場にも入り、廃棄物関連の伝票とか契約書をきちんと管理できているかをチェックし、基準をクリアした会社だけを認定企業として認定しています。



――LME相場の影響と国内市場の縮小で、メタル系のリサイクル業者はどこも苦しんでいますが、その中で着々と利益を上げている企業も出てきています。その違いは何だと思われますか?
 

田部) 新卒採用を継続的に行っている会社は私の見るところでは強いですね。また、ITを使いこなしているかも一つの鍵で、以前は情報公開をしたくないという企業も多かったのですが、今は自分たちの企業について知ってもらうことが第一で、そのためのツールをいかにうまく使いこなせるかが大事になっています。会社を訪問するとよくわかりますが、若い社員が嫌々仕事をしているか、この業界で働きたいという前向きなモチベーションでやっているかどうかで、全然違います。その意味でやっぱり「人」でしょうね。設備を持っていれば仕事が来る、という考えの会社もまだまだ多いですが、顧客対応や営業に力を入れている企業が力を付けてきていて、業績の悪い企業を吸収合併して、つぶれた産廃業者が受け持っていた仕事を勝ち組の企業が請け負うという例は増えてきているように思います。



――研修以外にはどのような事業をされているのですか?


田部) 幹の部分が基準の設計や研修といった仕事だとしたら、リサイクル製品を販売する事業やネットワークを使った仕事が枝葉の部分として広がってきています。全国に排出店舗を持っているコンビニチェーンの廃棄物管理の仕事などを請け負っています。ほかには全国から出るホテルのベッドの廃棄などもやっています。全国から同じような品目が出るのですが、処理する廃棄物会社は地方によって別々です。それを信頼できないところに委託するわけにはいかないので、我々のネットワークで審査基準をもうけて、選抜した会社に処理して頂くということをやっています。
 

 

――ESJが企業に対して産廃業者を紹介することで、産廃業者と排出業者のマッチングミスを埋めるという感じですか?

田部) 昔は、自社の許可範囲以外の仕事などを頼まれても「できない」と断るだけでよかったのですが、今はそれではお客様が納得しません。そういう時にESJのメンバーで、「お任せください」と提案できれば全国での仕事の幅が広がります。そのためにネットワークを活用していただいています。
当社のホームページに問い合わせが来ることも結構ありますし、逆にこちらから営業をかけることもあります。大手企業は排出基準を作って細かく自社でチェックしているのですが、日本の99%を占める中小企業は、廃棄物業界のことがわからないという方も多いので、そういう方々の窓口にもなっています。
 

 

――産廃処理といっても幅広いですよね。

田部) ESJに認定されている方々も千差万別です。例えば富山環境整備さんは容器包装のプラスティックごみを物流のパレットにリサイクルしている会社で、その規模は日本一で業界では有名です。京都の安田産業グループさんは、食品をリサイクルして堆肥や飼料にする事業をおこなっていますし、鳥取の三光さんは下水汚泥をバイオマス工場でリサイクルをするという事業を来春開始する予定です。不況に強い業界と言われていますが、中でも勝ち組の企業は新しいことに取り組んで、価格競争に陥らない仕掛けをうまく作っています。ESJの研修制度もその一つだと思います。
 

 

――今後のエコスタッフ・ジャパンの取り組みについて教えてください。

田部) 去年の10月から優良ドライバー検定に取り組んでいます。廃棄物処理企業の顧客である排出事業者と日常接するドライバーは業界の顔です。彼らが「安心・安全」の代名詞、ブランドとなるように日頃からの教育研修でレベルアップを図り、検定という目に見える形にして業界全体の信頼を高めていきたいと考えています。これまでは、仕事を依頼する時にその会社のドライバーの教育がどこまでされているかまではあまり見えなかったのですが、ESJの認定がその一つの基準として機能すればと考えています。最近では、別々の会社ですが、同じ教育研修をうけた優良ドライバーの人たちにしかできない案件を始めたところです。
 

――どのような仕事ですか。

田部) 大手企業から出る廃棄物を一定の廃棄物処理企業に運搬するという仕事です。我々は西日本を担当させていただいているのですが、処理企業を選抜してドライバーを教育して、同じ作業水準でやります。ESJが入ることで、情報公開を徹底し、どういう理由でどの廃棄物処理業者が選抜されたのかと、ドライバーレベルでの基準を合わせることで、安心安全に処理をしているということを口だけでなく現場で実践することができます。リサイクルにおけるフローの透明化の例ですが、ESJは特に時間をかけてそれを徹底しています。

 

――最後にESJにとっての「今後の課題」について教えてください。

田部) 廃棄物処理企業の方々の意識は長年のトレーニングもありまして、鍛えられた会社が多いと思いと感じています。難しいと思うのは仕事をいただいている排出事業者様との意識のズレですかね。少しずつ変わりつつあるのですが、ごみを出す企業の意識がまだ追いついていないと感じることがあります。本来、産業廃棄物は出した人に排出者責任があって最終処分まで責任を持たないといけないのですが、そういう意識がない企業が多いというのが現状です。今後は排出事業者の側に対する研修のニーズも増えてくるのかなと考えています。
   更に突き詰めると、環境配慮型設計(DfE)という考え方が、もう少し普及しないといけないのかなぁと思います。製品設計の時点で、解体・分別しやすいように企業が配慮するべきなのですが、今は作る人は、作ることばかりに情熱を燃やしていて、使い終わった後のことを考えていないように思います。また、何が材料に使われているかは作っている側が一番わかっているはずなのに、捨てる時に機密だからといって情報公開しないことがあるとも聞いています。それって処理する側からすると迷惑な話だと思いませんか。一方で、マテリアルリースという考え方もありまして、私たちはパソコンとかデジタルカメラという物がほしいのではなくて機能がほしいわけですよね。だから使い終わったら機材をメーカーさんに返す。それがマテリアルリースと言って、素材だけを貸して、機能だけを使うという発想なんですが、これは非常に面白い考えだと思っています。そういう発想のもとで、メーカーが責任を持って作り、責任を持って処理をする。その裏側に我々がいるという設計になれば面白いと思います。コンセプト的な話ですが、そういうことも忘れないようにしたいです。
 

――ESJならではの考えですね。


  
田部) わが社の顧問を担当されている細田衛士先生はコンソーシアム型(ゆるやかな連携)という考えを提唱しています。アメリカにもヨーロッパにも、数兆の売り上げがある処理・リサイクル企業があります。日本はもともと自治体ごとの許可制ということもあって、自治体に基づいた大きさの会社が多く、一般的に10億、20億クラスの売り上げ規模です。ただ、優良な会社は地方に必ずいくつかあって、彼らはずっとそういう仕事をやってきた。欧米的発想でいうと合併買収になるのかもしれませんが、日本はそうじゃないだろう。というところでコンソーシアム型という考えが生まれたんです。
 

 

――細田先生との出会いは大きかったのですか。

田部) 細田先生と株主の方々との出会いが大きくて、それをやりましょうと箱をみなさんが作って私が経営者をやっているという図式ですね。仮に私がどこかの処理企業出身だったら、色のついたネットワークになってしまうので、中立の立場に立つよう心掛けています。細田先生をはじめ、立ち上げのメンバーと出会った時に、業界全体のためにやるということに非常にやりがいを覚えました。どこか一社の利益のためにだとモチベーションは上がらなかったと思います。全国処理企業の社長とお会いしますが「こういうのを待っていた。いっしょにがんばろう」とみなさん言ってくださいます。細田先生も、これは世界ではじめての取り組みだから、がんばろうと言ってくれています。正直会社経営としてはまだまだ売り上げが言えるようなレベルではないですが、夢とやりがいを感じる仕事だと思います。

 ――本日はありがとうございました。

 (IRUNIV 千野政史)

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