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豪州からの風#4 第2波襲来で再びロックダウンのメルボルン

2020.07.13 13:19

 豪州では現在、メルボルンを中心としたVIC州に新型コロナウイルスの第2波が襲来しており、メルボルン全域(プラスα)が先週後半より再びロックダウンに入った。期間は現時点で6週間が予定されている。新型コロナウイルスの世界的流行が始まって以来、豪州は島国(大陸)である利点を生かして、国内で厳戒態勢を敷くとともに、国境を厳重にコントロールすることで抑え込みに成功してきた。まずはじめに国境を開けるのはお隣の、そして新型コロナの抑え込みに関し豪州よりさらに優等生であるニュージーランド相手と決め、その具体的な時期こそ明らかにされていなかったものの、両国はここ数ヶ月ほど2国間の国境再開放に向け準備を進めて来た。しかし現在、恐れていた第2波が豪州国内にやって来たことにより、この計画も暗礁に乗り上げているようだ。

 

 VIC州政府の公式発表によると、VIC州内での具体的な新規感染確認件数は、7月12日(日)発表分が273件、同様に11日(土)216件、10日(金)288件、9日(木)165件、8日(水)134件・・・となっており、ここ1週間ほど、連日100件を優に超える新規感染が確認されている。件数の内訳は、これまでとは違い海外からの帰国者であるホテル隔離組の割合は少なく、市中感染(詳細調査中含め)が多くを占めている。病院、学校などでのクラスターも発生し、閉鎖も相次いでいる。

 

 とは言え、日々の感染確認件数だけで見れば、米国やヨーロッパ諸国、インドやブラジルなどの国と比べれば未だ微々たるもので、世界的に見て今も優秀であるといえよう。これまでの豪州全体の感染確認総数9797(人)、そして死者108人という数字を見ても、人口の違いはあれど、例えば日本より悪い状況であるとは決して言えないものと思われる。ちなみにVIC州以外に関しては、今のところ大きな第2波はまだ生じていない。シドニーのあるNSW州は、第1波が収まってからは、1日あたり5~15件ほどを記録することが標準的となっているが、このうちのほとんどが海外からの帰国者であるホテル隔離組からの陽性のため、今のところ市中感染拡大には繋がっておらず、また、 “疑わしきはとにかく検査”と言わんばかりの豪州全体の超積極的な検査体制から考えても、隠れ感染者の心配は少ない方であるといえよう。QLD、WA、SA、TAS、NTなど、その他の州・地域に関しては、0件か、多くても1日あたり数件という結果をここ数ヶ月間保っている。

 

 しかし、良し悪しはともかく豪州のコロナ措置は日本のそれより相当厳格で、政府の危機感も非常に高いため、メルボルンの一部地域での市中感染が連日確認され始めると、すぐに対象地域のロックダウンを開始(この中には、数日間限定ではあるそうだが買い出しなども含め一切の外出が禁じられた一部公共住宅も含まれる。大規模クラスターの発生したこの公共住宅群では、多数の警官が建物を囲い、政府による食料の配給が行われているとのこと)、そしてこのロックダウンは数日後にはメルボルン全域へと拡大され、現在へと至る。全体的には3月末頃から行われたロックダウンと同様で、住民は仕事及び学校、日用品の買い出し、屋外でのエクササイズ、介護・ケア、通院など、限られた目的を除いては原則外出が禁止され、違反者には罰金も課される。また、飲食店やジムなども再び営業停止が義務付けられている(飲食店はデリバリーとテイクアウトのみ許可)。唯一の違いは、今回の第2波を受けて、これまでは“必要だとは言えない”、“特に推奨しない”との立場を頑なに貫いてきた政府が、ついにVIC州ではマスク着用を推奨するようになったことである。

 

 

 

↑メルボルンでハード・ロックダウンの対象となった公共住宅に見張りの警官が到着する様子。

 

 

↑同公共住宅の住民らが部屋の中から助けを求め書いたとされるメッセージ。事前の充分な告知なしにいきなりこのハード・ロックダウンが始まったとも言われている。

 

 

 VIC州に最近まで出張、旅行していた、あるいは現在一時滞在中の他州・他地域移住者への影響も相当なものであろう。州ごとに詳細は違うものの、多くの州がここ1週間ほどの間にVIC州との行き来を原則禁止し(避けられない移動の場合には事前に政府からの特別許可が必要)、また、VIC州から戻って来た人々には14日間の強制隔離を義務付けることとした。鉱山企業に限って言えば、鉱山、つまり現場はWA州やSA州、QLD州などが比較的多いように見受けられるため、操業への直接的な大被害は無いかもしれないが、メルボルンはシドニーに次ぐ大都市であり、企業の本社なども多数あることから、この移動制限はビジネス面でも様々な影響、困難を与えることが想像される。また、より正確に言えば、メルボルンに第2波が来る以前より、NSW州、VIC州以外の州では、シドニー、メルボルンといった大都市からウイルスを持ち込まれるリスクを避けるため、州のボーダーを頑なに開けまいとする動きも見られていた。その辺りがようやく緩和され始めようとしていた矢先にこのVIC州第2波が起こり、振り出しに戻ったというわけだ。

 

 今回第2波を被ったのはメルボルンであったが、街の規模、人口密集具合などを考えてみても、これがシドニーでなかったのは運としか言いようがないだろう。さらには、つい先日まで州ボーダーを完全に開けていたことからも、NSW州にすぐにでも同様の第2波がやって来る可能性は極めて高いものと思われる。7月11日時点で、すでにVIC州からやって来た訪問者の陽性がNSW州にて確認されており、また、それとは別にシドニー南西部のパブにて現在数名のクラスターも確認されている。

 

 感染の収まる気配の見えない中、さすがにロックダウンをこれ以上続けるわけにもいかず、仕方がないとばかりに経済活動を再開させたり、コロナ規制を大幅に緩和させたりしている国も多い中、今回の第2波への政府の対応によって、豪州はまだまだ慎重姿勢を崩さず、それが可能かどうかはともかくとして、国内の新型コロナウイルスを根絶(あるいはそれに可能な限り近く)させるつもりでいることがあらためて明らかになったといえるのではないか。これはつまり、仮にこの第2派の抑え込みに成功し、豪州国内全体で再び安心して生活を送れるようになった後も、国外からの持ち込みを最大限に避けようとする姿勢、要するに国境の閉鎖は当面の間継続するだろうということだ。現地報道では、豪州から、あるいは豪州への海外渡航は、(NZなど一部の国を除いて)2020年中はまず無理だろう、あるいは2021年後半までは実現しないのでは、などと言われている。

 

 ともかくこの第2波がどこまで広がるのか、あるいはこのままロックダウンで抑え込めるのか、鉱山・資源企業への影響はどの程度生じるのか等、豪州政府の動向とともに、注意深く見守っていきたい。

 

 

(Ayako Crnokrak)

 

 

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 豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには是非お声がけください→info@iruniverse.co.jp(窓口:川合)

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