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マクロ経済 世界の国力バランスと基軸通貨の可能性を分析

2020.08.12 12:54

 米国の大統領選がある11月に向けて、さらに加熱するとみられる米中対立は、貿易戦争に加えて香港での人権問題もからみ、長期化が予測される。各国の軍事、農業、食料安全、知的財産面などの国力比較を通し、今後の基軸通貨ドルの安定性を、マクロ経済アナリストが俯瞰する。

 

 

■国防力で米国は抜きんでいる

 米国の防衛予算7160億ドルは中国の3倍以上、ロシアにいたっては16倍と圧倒的だ。軍従事者と戦車といった陸軍力では見劣りがするものの、航空機、戦闘機、空母24隻を含む空軍力は抜きん出ているのが比較表から見て取れる。

 

 

表

 

 

 ロシアの防衛予算はインドや日本、英国、ドイツよりも低く440億ドル。海軍力では中国が世界一になっているのは、南シナ海などへの拡大戦略によるものであろう。ただし空軍力は空母2隻のうち1隻は、現在オーバーホール中で弱い。インドは対パキスタンと中国向けの戦力保持と見られる。いずれにせよ、客観的にみて米国と戦う国はないだろう。

 

 

■内憂外患の中国

 中国は実のところ内憂外患の様相にある。習近平政権は外から見えているより、国内からの批判があるうえ、海外からは相当締め出されている。特に西欧諸国からは香港問題など民主主義の弾圧への批判が噴出し、かつての英国宗主国とも上手くいっていない模様だという。

 

 英国のウォレス国防大臣は「空母を東シナ海へ派遣する可能性がある」と発言した。国防大臣による中国への牽制は相当のことであると同氏は述べている。

 

 

■食料の輸出入額と食料安全保障指数

 食料輸出額についても米国はとびぬけて額が大きい。一方ロシアが日本に次ぐ劣勢であること、実は中国も食料の純輸入国であることに注目したい。食料安全のためには他国との協力なしに保障を担保できない状況にある。

 

 

グラフ

 

 

 英国のエコノミック・インテリジェンス・ユニットの分析による「グローバル食料安全保障指数」では、その順位は入れ替わる。食料輸出額上位10カ国に入らないシンガポールが87.4ポイントの圧倒的な1位であるのに対して米国は3位だ。日本は21位、中国は欄外、ロシアは44位に下がる。日本の順位は低いものの、米国を中心に同盟国との良好な関係を保っている限り、食料安全上の問題はないと同氏は述べている。

 

 

グラフ

 

 

■赤字大国の米国

 米中対立は、トランプ大統領が2期目を続投しても、民主党に政権交代したとしても長期化すると同氏は予測する。貿易戦争と民主主義と人権の問題があるためだ。そうした中、中国は南シナ海に進出し、盛んに特許出願を行い、金を買い占めるなどの囲い込みを行っている。

 

 中国以外にもロシアとトルコ、インドが野心的な意図でもって金準備を増加させる動きを示している。

 

 

グラフ

 

 

 ただ、ドルを大量に保有している中国が、ドルを大量に売って価格を下げ海外資産を目減りさせることは避けるだろう。同氏は、すぐに何かを起こることはないと見ている。

 

 

グラフ

 

 

 米国の対外純債務をグラフ化して、驚いたと同氏。リーマンショック時に急増した債務4万億ドルが、今はその3倍に膨らんでいる。一方で米国の国内的には家計と非営利法人において膨大なカネ余りが生まれている。

 

 

グラフ

 

 

 いずれプラザ合意のような、ドルを斬り捨てることが必要になるだろう。そのような環境が様々に起きていることを同氏は分析する。

 

 

■基軸通貨としての特権

 米国はドルが世界の基軸通貨であることで、特権を長く享受してきた。他国への債務を自国通貨で負うことができ、投資も自国通貨で可能なことなどである。実際100ドル札を刷るのにかかるのは数セントだ。米国の債務が拡大した1971年当時、金との交換価値は放棄されている。

 

 こうした特権に浴してきた米ドルだが、米国を債務問題から守ることと国際金融安定を維持することが二律背反になってきた。欧州の議論では、アンカー通貨であるIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引出権)が一つの候補として挙げられている。もう一つの金とのリンクについては、非現実的との見方で、金はこれまでと同様に外貨準備の対象にはなるという話だ。

 

 

グラフ

*Renminbiは、中国人民銀行発行の法定貨幣「人民元」の記号

 

 

■仮想通貨の可能性

 ビットコインに代表される仮想通貨が基軸通貨となる可能性はあるのだろうか。

 

 同氏は、Facebookの提唱する「リブラ」が、一つの方向性を示唆していると言及した。初期の構想は、複数の国の通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円)や短期国債などの証券で構成する単一の世界的仮想通貨にするというもの。当初のバスケットに連動させる案は、最近では転換することが検討されている。

 

 ほかに、中国の「デジタル人民元」もある。中国によるドル基軸通貨制から自国通貨流通拡大の構想だが、米ドル基軸通貨体制への挑戦であるとする懸念の声も多い。

 

 

グラフ

 

 

 同氏は、現時点ではビットコインの実績にみられる安定性に欠けるところが不安材料であることから実現は難しいとの見方を示した。

 

 

(山澤企画 講演会よりIRUniverse fukuiN)

 

 

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