年末の電極覆面座談会は例によって茅場町某所にて発作的に行われたが、いつも以上にブレーキの壊れたダンプカー(スタンハンセン)よろしく放談は止まらず夜は深まっていった。。諸々失礼な発言もあったかもしれないが、そこはコロナ時代の年末、ということで明るく笑って許していただきたい。
司会:さて、前回の座談会(→ 電極覆面座談会 2020#秋編 電極バブルのエピローグしかし、いつか来た道・・・)からまだ日がたっておりませんが、どうやらマーケットはにぎやかになってますね?
A:やっぱり電極バブル来るんじゃないか?
B;コンテナも足りないし、フレートは爆騰している。既契約分も到着していない。合金鉄とかたいへんな騒ぎになっている。毎日問い合わせの電話が怖い!
C:これはひどいね。すでに1月予約分は入らない。船会社もどうなるかわからないと言っている。
B:いまでも1月積み決まらないですよ。
D:え!それは大変ですね
B:いや、もうかなり危険な状態ですよ。
A:フォースマジュール出るんじゃないの?
司会:コンテナ不足で製品が出荷できないというのはあるんですかね?
B:結局、中国ですよね。中国もコンテナ作ってない。今年の2月、3月頃だとここまで景気良くなるとは思わなかっただろうから。中国でコンテナを作ってなかったのと、また急に中国経済が回復してきたので中国にだけコンテナが偏在して足りなくなっている。
C:このためか、フェロシリコンも上がってますね~。
B:フェロシリコンが上がるということは電炉の生産がいいってことだから、やはり電極は上がるのでわ?
A:中国が電炉比率まだ上げていくのと、ベトナムもインドも電炉比率上がっている。しかもCO2削減時代なので、もっと電炉生産は増える。イコール電極需要は増える

(出典:鉄リサイクリングリサーチ社)
B:そうなると日本の中小電炉メーカーは危ないんじゃないの?
司会:それはどういう点で?
B:結局、スクラップは上がる、電極コストも上がる、しかし鋼材価格上がらない、では典型体な原料高製品安になる。そうすると経営的に難しくなる電炉は当然、増えてくるよね。
C:あ~牧場もってる電炉とか?
D;牧場の方は電炉事業は廃業しましたよ。一方、元勲章もらっている電炉なんかは盤石でしょう。
A:え~、それはどこですか??
B:いやいや、ご想像にお任せします。
司会:さてさて話を元に戻して、電極の話ですけど。。
C:電極価格は底を打ちました。年明けからは電極価格は上がっていくようですね。
A:それはつまりT社のN社長が言っていたことが実現しているわけですね?
C:このままいったら4月以降も上がるかも??だとしたら2017年の電極が上がり始めたときと同じになりますかね?
D:いま一体何を考えているのかといわれているN社長が言ってる値段がむしろ安かったとなりますね?
A:10%の値上げが安いということですね?
D:そうそう、だから10%の値上げは安いということになる。
C:N社長もこれまでいろいろ言われて少しおとなしめに言ったんじゃないですか。
A:そうなると、次のピークがいつかっていうことになりますね?
D:こういうマーケット展開になると中国、インドが豹変することになります。去年の輸入最高値はトン当たり170万円だった(インドからの輸入品)。
B:電極、そしてスクラップが大変
A:国内に関していうと、自動車生産がいいときはまだいいけど、自動車が落ちると危険。特殊鋼はがんばっているけど。
B:それは東南アジア、東アジアでも一緒。韓国の特殊鋼メーカーもめちゃくちゃ忙しい。今は。これで自動車がコロナでまたこけたら大変なことになる。一番こわいのは今年の春先のコロナパンデミックが世界に到来したら危険。クルマ売れないでしょう。実際みなさんクルマ買いました?
司会;私は買い換えましたよ。中古ですけど。日産のE-Powerというやつ。。
D:日産といえば大同特殊鋼(笑)
C:う~む、確かに確かに。自分自身もクルマ買い替えてないから。やっぱり車売れないかも。。
D;車で幸せは買えませんからね。
司会:ところで今、足元のUHP、SHPはおいくらなんですか?実際
D:前回と変わってない。安値横ばい。
→(関連記事)電極覆面座談会 2020#秋編 電極バブルのエピローグしかし、いつか来た道・・・
A:トレンドとしてはボトム圏ですね。T社は足元は赤字ですからね。
B:昭和電工の決算みれば明らかですね。
A:電極で9割稼いでましたからね。電極バブルのときは。化学メーカーだけど。
C:だからH社買ったのが負担だったけど、また電極バブルの復活で盛り返すんじゃないの?
B;合金鉄はすでにきてるよ。メタマン(メタルマンガン)も暴騰してますね。
A:とするとS社の業績良くなる?
B:いや、きてるね。
A;でもS社の電極価格は最大手高炉にたたかれてますね?
B:その点、BHPビリトンはえらいね。合金鉄事業も一般炭の事業も先手先手で売却している。先を見ている。先見性がある。
司会:RIOTINTO、GLENCOREとはどう違いますか?BHPと。
A:グレンコアは商社、RIOTINTOはプロデューサー。
B:米クリントン政権のときに一番お金出してたのがグレンコアの前身のマークリッチだよね。確か。
D:マークリッチ、なつかしい名前!あの頃には力のある外商がいっぱいいたよね。
A:あの頃と今では隔世の感がある。もうね、今の日本の商社はもうダメでしょう。
D:昔の外商は優秀な人がいっぱいいた。
B:あの頃はサマンコールだってよかった。
D:しかし話変わるけど、日本のステンレス業界どうなるんでしょうか?
A:やっぱり、旧日新(周南)はなくなるじゃないかな?日鉄ステンレスは国策でやったけども。。
C:思い返すと、日新は生産能力増やしていって、けど合併の話がでてきたときにどんどん社員やめていったんだよね。
A:その点、冶金はすごいですね。
C:なんでしょうね。雑草魂というかなんというか。新しい電炉も出すようですし。それはすごいことかも。
A:冶金はやっぱり残るでしょう。
B:しかし独禁法で販売ルートは日鉄に渡した。
A:大江山(冶金の)はどうなるんでしょうか?
D:どこか買収するのかな?
C:それはないでしょう。
B:ただひとつ言えるのは、日鉄はヒトが多すぎるよね、日鉄物流で1万人もいる。でも仕事がない。中間管理職が多すぎる。
A:なので、冶金はいいポジションじゃないかな。
B:ということは冶金のトップの人たちの方向性は間違ってないんじゃないかな。賛否両論あると思うけど(笑)
C:結局、国内のステンレスメーカーでダメになったのは薄利多売を追求した会社ばかり。
A:小生産でハイクオリティはできるけど、量産でハイクオリティはできない。
司会:なるほどなるほど。しかし米ATIはステンレス事業から撤退です。これについては?
A:ATIはチタンもやり高付加価値を追求しているのでステンレスから撤退できたんです。
司会:そうすると日本のステンレス特殊鋼業界の行く末は?
B:ニッケル系2社とクロム系1社。
D:クロム系は2社ありますけど?
A:おそらく残るのはJだけでしょう。
C:特殊鋼でいうとD社、A社、S社もがんばってますね。
D:特殊鋼はD社、そしてA社は残るでしょう。
A:S社はベアリングがあるのでそこで生きるでしょう。Dは自動車メーカーでN社特化。A社は最大手T社が離さないでしょう。
司会:ではそろそろ2021年上半期の電極予想を。。。。
D:インド、中国。今も安いがこれからも安いかもしれないけど、これからが恐い。
司会:それはどかんと上がるかもということですね?
C:1Qは10%くらい上がって、2Qはさらに上がるんじゃないかな?不安です。着々と市場は進んでおり、確実に市場は盛り上がってきている。それをどれほど早くにキャッチアップするかが大事だし、電炉メーカーの購買マンが問われることになる、電極価格が暴騰したのは、安すぎたからです。HPが200円まで下がったときに暴騰した。今回もそこまで下がっている。だからこわい。ここまで下がると下がりすぎている。下がり続けると反動がこわい。
D:反動という言葉は当たってない。中国の電極メーカーは来月(2021年1月~)今の4倍、5倍の価格を提示してくるはず。それに間違いなくインドが追随してきます。これまでの歴史的に。
C:リスク管理するんだったら、購買担当者は安いときに長契決めるべきなんです!だけどこういう思い切った契約ができる購買マンはいない。逆にこういう思い切った契約でできる購買マンを会社は尊重するべき。だけど今の日本の会社にはいないだろうね。
司会:それでは今回はこの辺で!年明け、電極価格はやはり暴騰しているのでしょうか?また来年!よいお年を!
(編集IRUNIVERSE電極チーム)