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CSJ化学フェスタ2022 昭和電工〜多孔性配位高分子で革新的CO2分離

 10/18(火)〜20(木)の日程で行われているCSJ化学フェスタは第12回目を迎える(@タワーホール船堀)。先端的な化学分野の講演が数多く行われた。ここでは昭和電工の「多孔性配位高分子を用いた革新的CO2分離」を紹介する。

 

 

大分コンビナートでナフサからPCP製造、未反応原料を回収

 昭和電工は、2023年1月、昭和電工マテリアル(旧日立化成)と統合し持株会社として「レゾナック」を設立する。共創型化学会社としてシナジーを起こし、化学の力で社会に貢献するとしている。昭和電工は、半導体電子材料で世界シェアを大きく占めており、この部分の研究開発を推進し、一層世界シェアを伸ばしていくことを事業戦略に据えている。ここでは、半導体を離れ「つくる化学」として「多孔性配位高分子(PCP)を用いた革新的CO2分離」技術を紹介する。

 

 大分県大分市に面する別府湾には、同社の「大分石油化学コンビナート」があり、ナフサを中心とした原料をもとにメタン、エチレン、プロピレンなどを生産している。これらから触媒などを用いて、基礎化学製品を作っているが、同コンビナートでPCPも製造している。

 

 PCPは金属イオンと有機配位子を架橋することにより、ミクロ孔を規則的に持たせた「多孔性配位高分子」をいう。昭和電工では、この多孔性構造のガス吸着に焦点を当て、CO2ガスを選択的に認識し分離できる同製品の研究を進めている。

 

 

図

 

 

 大分コンビナートでは、前記の通りPCPを製造しているが、このPCPを用いて、化学製品を作った後の排ガス中に残る未反応原料含をを分離回収している。この回収率は数%だが、年間では数十万トン未反応原料が出ているため、この回収は大きな意味を持つ。

 

 

低濃度CO2からCO2を回収するPCP開発にも成功

 大分コンビナートでは、PCPの開発から評価、分離プロセスまでを一気通貫で行なっていることが強みで、特にCO2の分離に優れたPOP研究を行なっているが、高井耐久性と吸脱着性を実現した同化学製品の開発にも成功している。このPCPは、加える圧力を調整することで、吸脱着を繰り返すので、廉価な電気エネルギーで使うことができる。

 

 同社では「低濃度CO2ガス」からCO2を回収するPOPの製造にも成功しており、同コンビナートから排出されるCO2を回収し、これをまた原料に戻し化学製品を作る試みをしている。今後は日本製鉄とコラボし、2030年までにCO2の回収コストを1トンあたり3,000円以下にするという。

 


(IRuniverse kaneshige)

 

 

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