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アドバンテスト(6857) 23/Q2決算電話会議メモ 

                                                                                                                                                                                             23/3期不透明感から31.9%増収48.2%営利増予想変更無いも円安分は増額期待

 

株価7870円(11/1) 時価総額15074億円 発行済株199542千株

PER(23/3期DO予11.3X)PBR(4.29X)配当(23/3DO予)140円  配当利回り1.8%

 

要約

 

 

23/3Q2は52.8%増収、営利2倍増とSoCテスタ好調で収益伸長続く

 

 23/3Q2決算が10/27に開示され、電話説明会が同日行われた。23/3Q2は売上高1389億円(Q1時増額修正予想比48億円増額、52.8%増)、営利431億円(同26億円増額、2.0倍)、税前利益468億円(同59億円増額、2.2倍)に。

 

 セグメント別では半導体・部品テスト事業が売上高988億円(64.6%増)、営利411億円(2.1倍)となった。SoCテスタがアプリケーションプロセッサ(AP)、HPC、サーバー向け、AI向けが一段の微細化や性能向上を背景に広範囲に拡大、自動車、産機などレガシー向けも堅調で売上は798億円(65.6%増)に。メモリテスタは売上高190億円(60.0%増)とメモリ市場が軟調も高性能メモリ中心に投資が継続し高い伸びに。利益面では増収効果に加え円安も寄与し大幅増益に。メカトロニクス関連事業は売上高127億円(34.2%増)、営利25億円(2.5倍)。テスタ事業の拡大でEUV対応デバイスインターフェース製品、テストハンドラ、ナノテク製品が増加、利益では増収効果で収益性向上。サービス他は売上高273億円(27.9%増)、営利39億円(12.9%減)と、データセンター投資やスマホ高性能化などでシステムレベルテスト(SLT)が166億円(29.7%増)と伸長、保守サービスも107億円(25.8%増)と高水準を維持も、利益面ではMIX悪化で減益に。

 

 地域別では全地域増加、主力の台湾向けが408億円(61%増)、中国はSoCテスタ伸長で347億円(55%増)、また米国は97億円(2.4倍)と最大の伸びに。また韓国もメモリ不振といわれるが286億円(35%増)と高い伸び率を確保している。

 

 

23/3期不透明感でSoCテスタ需要増も31.9%増収48.2%営利増予想変えず円安増額期待

 

 Q2で計画を上回ったものの、昨今の不透明要因も考慮、Q1で増額した23/3期会社予想の売上高5500億円(31.9%増)、営利1700億円(48.2%増)、税引利益1300億円(48.9%増)は変更無し。受注予想をユーザーの発注姿勢が変化、ミスリードを避けるために非開示とするとしたため、昨今の受注の絶対額はわからないが、説明会では現状でもBBレシオは1を上回っているとのことで、22/3期受注残高3947億円よりは大きな受注残高を抱えていることになる。

 このため豊富な受注残高の消化で売上は確保されると判断、多少の納期延期があってもキャンセルはないと見られ、会社計画の売上達成は可能と判断される。なおQ1で売上高400億円増額としたが、為替前提を期初計画120円に対し130円としたことで60%は為替影響による売上の嵩上げで、実質160億円の売上増額予想としていた。今回上期着地が135円、下期も130円前提を据え置いており、為替分の売上増額が見込まれる。

 

 通期予想に変更はないが、部門別売上では半導体システムを3890億円(Q1修正比40億円増額、35%増)と増額を見込む。同社は7月時の2022年SoCテスタ市場見通しに対し、従来よりレンジを下げて予想し直し、上限はドルベースで0.4B$引下げ4.4B$(2.3%増)とした。但し同社SoCテスタ売上は3200億円(同55億円増額、42%時)としており、微細化進展でテスト時間が伸びる傾向継続、先端プロセス採用加速で計画を上回り、全体市場はアップル向けの伸び悩みでライバルのテラダインの伸びが低まったことでシェアが55%に向上しているとした。メモリテスタは7月時点の市場予想を変更せず、約1.2B$~1.3B予想としているが、市況軟化を考慮、売上高予想を690億円(同15億円減額し期初計画並み、9%増)とした。メカトロ関連は売上高505億円(同35億円減額、19%増)とメモリ減速の影響で減額となった模様。サービス他は売上高1105億円(同5億円減額、29%増)を見込む。内訳はSLT(システムレベルテスト)が670億円(同15億円減額、35%増)と、高性能化ニーズの高まりで継続的に拡大、注力するリカーリングビジネスも拡大見込み。保守・サービスは435億円(同10億円増額、20%増)と機器納入累積台数の拡大で安定した伸びを見込む。全体として豊富な受注残高を抱え、想定以上の円安効果分の増額が見込まれる。

 

 利益面では、総利益率がMIX良化もあり、償却費が期初計画より42億円嵩む見通しでも通期で総利益率58%を維持するとしているが、販管費は研究開発費600億円(24%増)、人件費増などを見込み、販管費比率は下期に多少コスト増の偏りを見込み上昇するとしている。但し、下期為替前提を1$=130円と据え置いており、為替感応度がドルに対し1円円安で年間13億円の寄与となる見通しから、円安分の営利増分、好採算のSoCテスタ増額が寄与し、利益についても増額が期待される。

 

 なお前回、中計見直しを実行、売上レンジを4800億円~5200億円、営利率も27~30%に引上げた。総利益率も54~56%想定を57~58%、一方で販管費比率は増収効果で30~31%想定を28~30%に引下げている。基本的にテスタ需要・役割の拡大傾向に変化はなく、半導体全体の拡大、半導体の複雑化でテスト量の増加、テスト工程の追加などで半導体市場の伸びを上回るテスト需要を見込み、この中でシェアアップを図る計画。

 

 23年度は民生用の需要が減速し一部半導体需要が低迷するとして、7月時点では同社24/3期売上について23/3期比15%減~10%増のレンジで考えるものの、上限の10%程度の成長ができる感触があるとしていた。これに対し今回は豊富な受注残高があり、現在もリードタイムが9ヶ月から1年を要しており、2桁減収は考えにくく、一方で年後半から新規ユーザーの受注が期待されるもののその効果は24年度以降の売上寄与となるとの認識で、微減収から1桁の売上増に止まる可能性を示唆した。現状、この認識は正しいと判断され、24/3期は緩やかな収益拡大に止まるものと見られる。

 

 

 

(H.Mirai)

 

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