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減り続けるロシア産ベースメタルの輸入に対して内製化進む国内

 ロシアのウクライナ侵攻から大手アルミ合金メーカーおよび取扱う大手商社はロシア産アルミベースメタルAK5M2やADC12の輸入を手控えてきたが、それは貿易統計の輸入量にも現れている。

 


 9月の財務省貿易通関統計による、日本のロシアからの合金地金輸入量は6,664トンだった。侵攻前まではロシアから月間20,000トン前後の輸入がみられたので、半減あるいはピーク時の1/3まで減っていることになる。

 

 そして、この9月のロシアからの輸入単価がキロ当たり372円ということから、扱い筋は「この輸入単価から察するに、入っているものは、63ビレット、ホイル用356等の新塊系合金と思われる。5M2等のベース塊は、実質ほとんど無いのでは?」という。

 

 コンプライアンスの観点からロシア産原料を避ける動きは世界中で広がっている。アルミの新地金については米国も禁輸を検討。日本製鉄はロシア産フェロシリコンの代替を傘下の合金鉄メーカー、新日本電工に要請した。

 

関連記事:日鉄 ロシア産原料排除のインパクトは他でも広がる可能性大

 

 この「脱ロシア」の流れがアルミおよびアルミ合金業界でも広がるかどうかだが、現時点では経産省もそうした示唆もなく、日本アルミ協会、合金協会でも特段に輸入自粛の要請はない。企業川が自主的に輸入を手控えている。しかし中小の輸入企業は若干ロシア産ベースメタルを手当てしているが少量にとどまっている。しかしながら侵攻前は少なくとも月に10,000トン程度のロシア産ベースメタルの輸入はあった。その買い手は主に豊栄商会、ホントレ、豊田通商スメルティングといった溶湯メーカーであったのだが、このロシアベースメタルの輸入が減った分はどう補っているのか?

 

 「幸か不幸か、いまは半導体不足などで自動車生産が伸び悩んでいるゆえ、ADCの需要もさほど強くない。溶湯メーカーも40%程度の減産になっている。ロシア品代替としては、アフリカ、中東などからのオフスペックADCを輸入するか、国内ベースを使う方向にシフトしている」とのこと。
オフスペックとはいえ、この円安環境てあるため高いものになる。ちなみに現在のロシア産ベースメタルの輸入相場はトン当たり2070〜2100ドル。為替147円での日本着値はキロ当たり325円前後、となる。いまの国産ADCの実勢が330〜350円とすると割高なものにつく。


ロシアAK5M2相場の推移(USD/ton)1年間

 

中国ADC 相場の推移(USD/ton)1年間

 

国産ADC12相場の推移(YEN/kg )1年間


 

 

 そのため、合金メーカー各社は回転炉を使用してベースの内製化を進めているのだが、このベースの内製化においてもアルミスクラップ原料は必要となるが、廃車発生も減少、エンジンのリビルトパーツとしての輸出需要は高水準というなさ、アルミスクラップは常態的な発生減で、さほどLMEアルミ相場もADC需要も盛り上がっていないなかで、スクラップの需要、マーケットの堅調さが続いている要因のひとつにこれが関係しているかと思われる。
 

 


(iruniverse YT)

 

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