日鉄ステンレス鋼管出展@SEMICON Japan2022
SEMICON Japan2022が、東京ビッグサイトで2022年12月14日(水)~12月16日(金)の3日間、開催されている。日鉄ステンレス鋼管株式会社は前工程ゾーン/総合ゾーンのホール5に出展した。ブースでは半導体・液晶製造用高純度ガス配管:スーパークリーンパイプについてご説明いただいた。
スーパークリーンパイプは、日本製鉄(株)で半導体製造用部材として溶解された高清浄度鋼を使用し、優れた内面平滑度を誇る製品である。
日鉄ステンレスの鋼管の沿革の説明は、非常に難しい。日鉄ステンレス鋼管のホームページによれば、
日新製鋼ステンレス鋼管の前身である日本亜鉛鍍が尼崎工場を1934年4月に建設。
住友金属工業株式会社の出資により1950年10月に市川特殊鋼鋼管株式会社が設立。
住金ステンレス鋼管と日鉄ステンレス鋼管が2009年に合併し、住金日鉄ステンレス鋼管株式会に改称されたのが、2009年。その3年後の2012年には、日鉄住金ステンレス鋼管株式会社に改称された。その後再び2019年に2014年に設立した日新製鋼ステンレス鋼管株式会社と合併し、名称は、日鉄ステンレス鋼管となった。
ブースで放映されている映像では、高圧水素ガス用配管についても紹介していた。ブースでは、スーパークリーンパイプ「Sumiclean」シリーズが注目されていた。その名称及び湘南工場で製造されていることから、それをヒントに参考文献を見つけた。詳細については、下記を参考にしてください。
1a152001.pdf (nipponsteel.com)
写真上の記号の説明は下記による。
BA:光輝焼鈍仕上げ
BAS:高帰路熱処理+精密洗浄
EPS:電解研磨仕上げ+精密洗浄
MPS:機械研磨仕上げ+精密洗浄
クリーンパイプは、素管⇒冷間抽伸⇒脱脂⇒光輝熱処理⇒矯正⇒仕上管切⇒渦電流探傷検査⇒外観・寸法検査⇒梱包・出荷となる。
BAS管は、BA管を精密洗浄、EPS管はBA管を電解研磨後、精密洗浄する。
溶接部からの発塵による超高純度ガス汚染のメカニズムを蒸気参考文献から整理してみた。
・溶接により発生するヒュームのほとんどは蒸気圧の高いマンガン(Mn)による。このMnは溶接部近傍に再付着し、そこでハロゲンガスにより腐食し、鉄(Fe)クロム(Cr)からなる腐食生成物を生成し重金属お膳を起こす。
・鋼中の硫黄(S)、酸素(O)が多いと溶接中に溶融金属の安定性が低下し、溶接リップルが生じやすくなり溶接ビード部の粗さが粗くなる。
・鋼中にアルミ(Al)が含まれていると溶接シールドガス中に含まれる酸素と反応しアルミナを主とする酸化スラグがビード表面に生ずる。
以上のことから有害元素Mn, Al, S, Oの4元素について、上限値の設定が必要となる。
写真下に示すように、ビード形状に影響する成分を極低で管理しているので、管内面の溶接部が非常に滑らかとなる。
<溶解方法概要>
スミクリーンCは、シングル・メルトの製品、スミクリーンMは、不純物及び非金属介在物を極限まで低減したダブルメルト材(VIM/VAR) を使用し、耐食性に優れた製品である。
この日鉄ステンレス鋼管の配管は、東北大学、未来科学技術共同研究センター、未来情報産業研究館に使用されている。
東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)は、社会の要請に応える新しい技術と新しい産業分野の創出を社会へ提案することを目指し、産業界等との共同研究の推進を図り、先端的かつ独創的な開発研究を行うことを目的としている。
2ホールの東北パビリオンに戻って、ブースの展示を確認した。
ウルトラクリーン溶接技術が展示されていた。
超高純度ガスを供給するために、ガス供給源からユースポイントまでの配管機器・部品に対してウルトラクリーンな表面処理技術・不働態処理技術(Cr2O3, Al2O3)・溶接施工技術・超高信頼性継手などを用いた施工システムを構築し、未来情報産業研究館に採用された。
写真上のFCSは、フジキン製。フジキンははバルブと継手の接ガス面(内面)の鏡面化に取り組んだ。鏡面化はバルブや継手の接ガス部分に残る付着残留パーティクルを減らすための手段であった。
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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