TOYOSHIMA COLLECT GENERAL EXHIBITIONリポート〜サステナブルアイテムを中心に
世界でも7本の指には入るという大手繊維商社である豊島(とよしま)。本社は愛知県名古屋市中区と東京都千代田区に在するが、今回のエキシビジョンは、東京本社で行われた(会期:1/24〜2/17)。さまざまな機能を備えた新しい繊維およびアパレル製品が展示されていたが、ここでは主に再生原料から製品を作る「TecRecyc」他を紹介する。
廃棄ポリエステル・ナイロン・アクリルの素材を再活用
最先端技術によるグローバル再生素材「TecRecyc( テックリサイク) 」は、これまで廃棄されてきたポリエステル・ナイロン・アクリルの3 素材を再び活用することで、CO2 排出量の軽減など、環境への負荷を低減することにチャレンジするプロジェクトだ。
ポリエステルはマテリアル+ケミカルリサイクルで大幅なCO2削減に成功。使用済みPETボトルを活用した再生ポリエステルのほか、ケミカルリサイクルで再生。ケミカルから作るポリエステルは、バージンポリエステルよりCO2 排出量を約60% 削減できることが証明されているという。
ナイロンはバージンナイロンの製造過程で発生した落ちワタをリサイクした再生原着ナイロンで、商品の製造過程で発生した端材や漁網をチップにしている。チップに着色を施すので、発色が良く、色落ちや色ブレの心配がない。また、染色工程による水質汚染の削減にも寄与する。
リサイクルが難しいアクリル素材の再生に成功。世界的アクリルメーカーと提携し、工場で発生する端材を利用する再生アクリルをリリースした。また、リサイクルの国際認証であるGRS 認証も取得している。これまでアクリルはごみとして焼却されすことが多かったが、これによりCO2削減に寄与できる。
展示では、これらリサイクル化繊により、具体的にどれだけのCO2排出に貢献できるかということを、図版を含め、分かりやすく説明していた。服飾のコア層はやはり若者だが、彼らはこうしたストーリーのある製品を持ちたいという志向性を持つ。デザインのファッショナブルさはもちろんだが、リサイクル繊維は、少々違った独自の質感を醸し出し、それがまた良い。もちろん品質的にもなんの問題もない。
organic× plasticsのランドループ
ランドループ製品は、廃プラと天然由来の廃材(バイオマス)をコンパウンドし、PP、ABS、PLAといった樹脂を作り、これを再び製品化する。この製品も独特の風合いを持つ。
コンパウンドするバイオも基本的に廃棄物で、バーク(樹皮)や茶殻、コーヒー殻など、多くの残渣が用いられる。製品からは、若干だが、お茶やコーヒーの匂いも感じられる。現在、高級ホテルなどからコップ類やハンガー類などの多くの引き合いああるという。
また、3Dプリンターでの整形も可能。著名デザイナーによる作品作りも行われている。
会期は〜2/17とあと1週間ほどとなっている。使用済み製品からの、アップサイクルの魅力を十分味わえる。(完全予約制)
(IR universe rr)
関連記事
- 2024/05/11 DOWA HD:24/3期決算説明会を開催した模様
- 2024/05/10 レゾナック エマルジョングループ製品の販売価格改定
- 2024/05/10 MIRUウェビナー(5/9) 欧州ELV規則(案)とバッテリー規則に関するポイント解説備忘録
- 2024/05/10 SUMCO(3436) AI半導体向ウェーハが予想以上も、その他の回復が鈍い
- 2024/05/09 HONDA:インドでの電動化の加速に向けた研究開発拠点をベンガルールに開設
- 2024/05/09 水俣病問題から一貫して目を背ける環境省
- 2024/05/08 旭化成、三井化学、三菱ケミカル 西日本でのエチレン製造でCN実現に向け3社連携
- 2024/05/08 TREホールディングス:千葉県市原市による『サーキュラーエコノミー普及促進事業 産学官連携プロジェクト』への参画
- 2024/05/08 三井化学と旭化成新設企業のエム・エーライフマテ 家庭でコンポスト可能不織布(生分解プラ)開発
- 2024/05/08 廃バッテリー不適正輸出問題、経産省改めて見解示す――参議院経済産業委員会