重希土類 日本初となる権益獲得 JOGMECと双日が豪企業に出資
2023/03/08 12:10 FREE
経済産業省は7日、同省が所管する独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と、双日株式会社が2011年に共同で設立した日豪レアアース株式会社を通じて、豪のレアアース大手ライナス社が手掛ける重希土類の生産等に関し総額200百万豪ドル(約180億円)を出資し、日本向けに供給する契約を締結したと発表した。経済産業省によると、日本として重希土類の権益を獲得するのは初めてという。
ライナスは今回の出資を受けて、従来手掛けてきた軽希土類の生産を拡大するほか、重希土類の一種であるジスプロシウムやテルビウムの生産を始める。JOGMECと双日は、ライナス社が同国のマウント・ウェルド鉱山で採掘するこの重希土類のうち、最大65%を日本向けに供給する。これは国内需要の3割程度に相当するものだという。
ライナスは現在日本へ軽希土類を供給、モーター用磁石の主原料として使用されている。今回は、それに加え磁石に耐熱性を付与する重希土類であるジスプロシウム及びテルビウムの生産・供給を開始する。日本は重希土類の多くを中国の生産に依存しており、新たなサプライチェーン(供給網)を確保する狙いだ。
英語記事はこちら
(IRuniverse G・Mochizuki)
関連記事
- 2024/12/02 2024年11月レアアースの平均推移(月平均)
- 2024/11/29 マレーシアでレアアース開発セミナー 東海岸評議委と日系団体、日本の技術活用で脱炭素へ
- 2024/11/28 【貿易統計/日本】 2024年10月のレアアース(希土類)輸出入統計
- 2024/11/28 国内FPD製造装置生産Report#15 中国向け輸出増加に伴い6年ぶり生産増加
- 2024/11/28 工具生販在Report#62超硬工具PSI 好調だった2年前の水準に戻りつつある
- 2024/11/27 冷え込む中国経済‥これからどうなる、回復はいつ?過剰生産の構造とは
- 2024/11/20 リサイクル推進で新規鉱山開発40%削減も――IEAリポート「Critical Minerals Recycling」
- 2024/11/20 レアアース市場近況2024#22 横ばい、需給ともに弱い ミャンマー動向も様子見
- 2024/11/18 電子部品輸出Report#109小型直流モータ 2024年輸出数減少続く 単価急騰も注目
- 2024/11/18 トルコのしたたかなレアアース供給戦略