デンマークで創造された巨大3枚羽風力発電の開拓者
いつから巨大な風力発電が始ったのだろうか。その歴史は今から約50年前まで遡る。当時世界ではOPEC諸国が石油利権の改善を求めて世界の石油価格が高騰した時代が、デンマークで大型風力発電の開発が始った。
Jutlandジェットランド半島とはドイツの北部にある半島で、日本ではユーラント半島と言う名称で地図に表記されている場所が、その開発の舞台となった。そのジェットランド半島の北半部がデンマークで、南半分がドイツ領となっている。改めて地図をよく見るとジェットランド半島は東側が北海で西側に大小の島があり、デンマークの首都のあるコペンハーゲンはジェットランド半島の西側のシェラン島にあり、スウェーデン領の南側に対峙している。
このジェットランド半島は比較的平坦の為、北海の強風をまともに受けている。日本の青森県の様な地形のイメージである。その地での強風の評判は極めて悪く人々は生活上の苦難を負ってきた歴史があった。
写真:Henrik Stiesdalさん(ウイキペディア)
1973年に起った原油輸出禁止の出来事が契機となってHenrik Stiesdalさんは父親の会社で強い北海の風のエネルギーを電力へ変換する試みを始めた。21歳のヘンリック・スティスダルさんの挑戦には多くの機械加工の協力者が応援し、特色ある3枚羽根の風車が開発された。その後3枚羽根風車は洋上の巨大風車にまで開発されてきた。スティスダルさんの開発がその後巨大風力発電企業の礎になっていった。彼の保有する風力発電の特許の数は1,000にも及ぶ。
巨大風力発電会社Siemens Gamesa社でChief Technology Officerを務め66歳で退職したスティスダルさんは21世紀のデンマークの発明家として、、今なお新たな開発テーマである深い海洋で活躍が期待されているフローティング・タービン分野の開発にも尚も挑戦している。
将来スティスダルさんのフローティング・タービンが北海道や青森県など日本の周辺に設置されるかもしれない。
参照:ウイキペディア、The New York Times of May 5,2023
(IRuniverse Katagiri)
関連記事
- 2024/04/27 中国太陽光パネルのジンコソーラー、23年は大幅増収増益=出荷量、世界首位返り咲き
- 2024/04/26 EU、エネルギー憲章からの離脱で合意 1994年設立、気候政策に敵対的で時代遅れに
- 2024/04/25 マイクロ波化学 鉱山プロセスで革新的なマイクロ波利用の標準ベンチ装置を完工
- 2024/04/25 原油価格の動向(4/24)
- 2024/04/24 三菱重工と日本ガイシ アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムを共同開発
- 2024/04/23 米国ボルチモア港閉鎖による米国石炭輸出量減とその影響
- 2024/04/23 日本製鉄の水素活用「直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発」PJ、NEDO基金事業に採択
- 2024/04/22 【MIRUウェビナー】欧州からの風~電池規則とELV規則(法案)~ 5/9 15時~
- 2024/04/22 関西電力他 「EVワイヤレス給電協議会」設立発起
- 2024/04/19 古河電工産業電線 全拠点で再生エネルギー由来の電力導入