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米国 太陽光パネルリサイクル規制始まる・ガラスリサイクルが課題

 米国アリゾナ州に拠点を有する“We Recycle Solar”社(WRS)と言う珍しい名称の企業は年間6900万ポンド(31,300トン)のソーラーパネルのリサイクル専門企業で、その処理パネル数は5億2,200個に相当する規模まで拡大を計画している。

 

 

 WRS社は更に増加するソーラーパネルのリサイクル量に今後の処理能力の増強を図っている。同社はこれまで、E-Scrap Newsに対して、アルミ製フレーム、銅線及びガラスをリサイクルしていると語っていたが、現在は真空アームでガラスを取り出しガラスを再生し、2次化学処理や電解工程なども含まれる新たなリサイクルプロセスで、ほとんどの材料を再利用する新たなソーラーパネルリサイクル工程をアリゾナ州Yumaで構築する予定である。

 

 現在のソーラーパネルは、全重量の70%をガラスが占めているが、両面ソーラーパネルの出現で、2枚のソーラーパネルがサンドイッチ状となる為、全重量に占めるガラスの割合が85%まで増加する事となる。回収されるアルミフレームの全重量に占める割合も10~15%に相当する。

 

 同社のYumaリサイクル拠点を全米最大規模の75,000sq feetまで拡大し、年間6,900万ポンドの処理能力まで高め2028年までに5億2,200個のパネル処理を目指している。同社のコンプライアンス&技術取締役のDwight Clark氏は、これらの改善でこれまでより処理速度を上げ労働者がより安全に処理できると語った。クラーク氏は、これらの改善により太陽光パネルの処分場への投棄が削減されるとしたが、現時点でソーラーパネルの投棄を規制している州は、ミネソタ州。ニューヨーク州、バーモント州の3州だけである。

 

 これまでもソーラーパネルのリサイクルはガラスリサイクルが課題であったが、屋根に設置する際も、寿命を終えて屋根から取り外す際もガラスが重量の大半の為に重機などの大型機械が必要となる。

 

 これだけソーラーパネルの技術が改善しても尚、ガラスしか表面を覆う材料が開発されない事もリサイクルでは大きな課題である。優秀な製品を製造する場合、同時に寿命を終えた製品の解体性能やリサイクル性能も求められるが、長期間太陽光に晒されるソーラーパネルは非常に特殊な接着剤などを使用している為、容易に接着剤を剥離できないなど課題を抱えており、未だリサイクル面では発展途上の製品と目される。

 

 

(IRUNIVERSE/MIRUcom Katagiri)

 

 

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