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ベトナム景気、悪化続く 輸出や不動産悪化、レアアース採掘量は前年比10倍増も

 ベトナムの景気悪化に歯止めがかからない。ベトナム統計総局(GSO)が5月29日にホームページ上で発表した2023年1~5月の主要経済指標では、輸出入や工業生産高などが軒並み悪化した。希土類(レアアース)の採掘量が急激に伸びている地域なだけに気にかかる。

 

 2023年1~5月の経済指標では、工業生産高は前年同期比2.0%減った。輸出は同11.6%、輸入は17.9%それぞれ減少した。輸出の減少は世界的なスマートフォン需要の減少を受け、組み立てなどの工場を設置する外資系企業の輸出が減ったことが背景にある。輸入は大幅減で、国内の製造業が低迷していることが窺がえる。世界的なインフレの影響も受け、消費者物価指数は前年同期比3.5%上昇した。

 

ベトナムの1-5月の経済指標

ベトナム統計総局(GSO)のHPから

 

 ベトナムでは、中央銀行のベトナム国家銀行も5月25日に政策金利であるリファイナンス金利を0.5%引き下げた。利下げは3月からの2か月間で3回におよび、欧米はじめ世界の主要国がインフレ抑制に向けて金融引き締めに動くのに逆行している。前述のようにベトナムもインフレには襲われているが、それに構う間がないほど景気悪化のスピードが激しいことが推察される。

 実際、GSOが4月に発表した2023年1~3月期の同国の実質国内総生産は前年比3.3%成長と、2022年の8%成長から急減速している。ベトナム政府は2022年秋の国会で2023年の経済成長率目標値を6.5%と設定したが、最近では国内外でこれを達成するのは難しいとの見方が広がっている。

 

 そんなベトナムで好調なのが、レアアースの採掘だ。ロイター通信などが5月初旬、米地質調査所(USGS)の資料として報じたところによると、2022年のベトナムのレアアース採掘量は約4300トンと前年の40トンから10倍に伸びた。レアアース生産国は中国が21万トンで断トツの首位だが、ベトナムも22年のランキングは前年の10位から6位に大幅に上げた。中国企業による採掘が拡大したことが背景にある。ベトナムはレアアースの埋蔵量は2200万トン程度と中国に次ぐ2位とされるが、今まで採掘が進んでいなかったところに中国企業が攻勢をかけている。ベトナムからのレアアース輸出先も中国がトップだ。

 

 問題は、この中国企業による進出がベトナム経済を潤す状況に至っているかどうかだ。前出のGSOの資料では、2023年1~5月の海外からの投資(FDI)は前年同期比7.3%減。工業生産高のうち、「採掘(mining)」も3.5%減った。

 資料枷読み取れる部分では、伸びているのはむしろベトナム政府による固定資産投資や域内小売りで、いずれも2ケタの伸びだった。消費が堅調なのは安心材料ではあるものの、製造業の弱さが今後、レアアース採掘にも響いてくる可能性はある。中国を含む海外からの投資も鈍るなか、ベトナム経済の先行きには注意が必要だ。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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