ミダック 社会インフラとして動脈産業を支える産業廃棄物業界で、業界NO1エキスパートを目指す!
静岡県浜松市東区に本拠地を置くミダックホールディングスは、産業廃棄物の収集運搬から最終処分までの一貫処理体制を持つ日本有数の会社である。同社は1952年に現本社のある場所で小島清掃社として創業。当初、し尿・ごみの収集運搬からスタートした同社は様々な転換期を経て現在創業71年目を迎えている。
※2023年3月に増改築されたミダック本社社屋
同社は創業から71年の間に制定されてきた廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に合わせて廃棄物処理事業を整備・拡大してきた。
第1転換期は創業から17年後の1969年に迎える。主力事業であったし尿の収集運搬の認可や車両が浜松市によって買い上げられた。そのため、事業活動に伴って生じるごみや不要物(のちの産業廃棄物)の収集運搬・処分に軸足を移していった。1972年には初の最終処分場を開業。それから1988年までの間に安定型と管理型の最終処分場をつくりながら産業廃棄物の処理事業を拡大してきた。1977年に設置した初の安定型処分場では輸送機器メーカー、製造業から発生した廃プラスチックを取り扱っていた。また、処分場から排出される汚水問題が、中間処理の必要性、重要性を認識する機会となり、廃棄物の「収集運搬」「中間処理」「最終処分」という一貫処理体制の構築を目指す端緒となった。
下水道の普及が進み、排水基準が次第に厳しくなってくると、廃液処理の依頼が増えていった。自社で廃液処理を行う必要性を感じ、1986年本社事業所に廃液処理施設を設置。この水処理施設も同社の飛躍に貢献した。現在は主に重金属などを含む工場廃液、廃油、スラッジ等を取り扱い、基準値以下の無害化した水に処理して下水へ放流している。
1980~1990年代は製造業が盛んであり浜松という土地柄、車やバイク工場からの廃液等、廃棄物の処理需要があり、今でも事業の柱の一つになっている。
創業から40年ほどで、現在の同社の柱となる最終処分場・水処理施設などの中間処理施設が揃う。
最大の転換期は1996年、当時の社長が業界のイメージを変えたいという想いのもと、社員の公募により同社の経営理念にもある「水・大地・空気を次の世代に美しく渡す」の「水・大地・空気」の頭文字をとったミダックへ社名を変更。
その後2003年までに、焼却炉の操業開始や処分場の増設、関連会社のグループ化、関東進出などさらなる事業拡大を行ってきた。
2023年現在、同社は東証プライム、名証プレミアの上場企業である。売り上げも2022年3月期に63億、2023年3月期に77億と順調だ。今後、2027年3月期には100億、80周年を迎える2032年3月期までに400億の売り上げを目指している。
昨年開業した管理型最終処分場の奥山の杜クリーンセンター(静岡県浜松市北区)は埋立容量約319万㎥、東京ドーム約2.5杯分の大きさと東海地区最大級で、埋立期間は約30年を予定している。高速からのアクセスが良く、連日50台以上の運搬車両が入れ替わり立ち代わり出入りしている状態だという。
【奥山の杜クリーンセンター】
※同社HPより
同社はメイン事業の他にも様々な研究を独自で行っているが、そのなかでも処分場CCSは早稲田大学と共同研究する脱炭素プロジェクトで注目される。CCSとはCO2を回収、貯留することで、CO2を吸着させた廃棄物を奥山の杜クリーンセンターへ埋め立てるというもの。同処分場面積の森林最大983年分のCO2を貯留するポテンシャルを持つ。CO2は炭酸カルシウムという別の物質となって固定化される。
現在は研究で得られた知見を基に処分場CCSの社会実装に向けての検討を進めている。
※CCSはCarbon dioxide Capture and Storageの略語です
※CO2固定化実験に使用している廃棄物
今後の課題としては、これまで廃棄物処理を軸に動いてきたため、リサイクルの側面ではまだまだ弱い部分があるという。資源循環の観点から、現在も廃棄物から有価物を抽出する研究は行っている。ノウハウの蓄積を継続して行い、注力すべき本業とのバランスを考慮しながら、推進していきたいという意気込みで取り組んでいる。
リサイクル化に向けた研究やリサイクルを得意とする企業との共同研究や協業なども検討していきたいと語る。
※ミダック本社のロビーにて 同社の大橋さんと浅野さん
また、廃棄物処理業について担当の大橋氏は「社会インフラを担うクリーンな業界として動脈産業を支える産業廃棄物業界で、業界NO1エキスパート企業と言われるようになっていきたい」と抱負を語る。
(IR universe rk)
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