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ステンレス鋼材 日鉄 2か月連続値下げ 欧米市場も値下がり続く オウトクンプは棒鋼事業撤退

国内ステンレス最大手の日鉄ステンレスは11日、ステンレス冷延薄鋼板の8月契約分の一般流通(店売り)向け価格について、ニッケル系を1トン1万円引き下げることを発表した。値下げは2カ月連続。クロム系も同5千円引き下げ。ニッケル系厚板も1万円の値下げとした。

ニッケル系は指標LMEニッケル価格の下落に準じてだが、実需の不振もある。

 

9月以降の実需の盛り上がりに期待する向きもあり、日鉄ステンレスもそうしたコメントを発しているが、ニッケル系鋼材の主要な需要先である半導体製造装置関連からは需要回復の兆しは見えない。板系ステンレスメーカーの日鉄も日本冶金も大幅な減産を継続している。それでも利益をあげているのは鋼材価格が高いゆえ。日本冶金の利益の源泉は高機能材ではなく、一般汎用材(304系)。

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また、欧米市場でもステンレス不振は続いている。

欧州ステンレスミルは価格云々ではなく、構造的な問題から大減産の真っ只中。きわめて厳しい状況が続いている。

7月、8月と欧州ステンレスミルはサーチャージを引き下げ。しかしそれ以上に生産能力比半減、という大減産のほうが深刻。

5月のBIRでも「欧州のステンレス産業は国の補助がなければ生き残れない」という衝撃的な指摘がなされた。

→ BIRアムステルダム#1 欧州のステンレスメーカーは国の保護がなければ生き残れない

 

欧州最大のステンレスメーカーであるオウトクンプ社はダイエットを続けている。

同社は1日、Long Product ABが保有しているスウェーデンのDegerfors及びStorfors工場をイタリアのCogne Acciali Specialiに1200万ユーロで売却して、ステンレス棒形鋼事業から撤退したと明らかにした。

 

オウトクンプはステンレス鋼板の販売とフェロクロム事業に集中する。またDegerfors工場のステンレス鋼板の生産には今回の売却の影響がないと言及した。

 

同社は今年1月にイタリアのMarcegalia Steel Groupに2億2800万ユーロで大半の棒形鋼事業を売却していた。

 

 

米国も値下がり傾向が顕著。

6月まで、米国のステンレス鋼の国内価格は世界最高で推移していた。

MEPSによると、6月に米国の304ステンレス冷延鋼板の流通価格がヨーロッパに比べトン当たり1867ドルも高い状態が続いていた。最近5年間の価格差がトン当たり300ドル程度であったことからすると、異常な価格差、インフレ価格であったのだが、7月、8月と米のステンレスサーチャージが下落したことでようやく欧州との価格差は縮まってきている。北米のステンレス304冷延価格はUS$188~190/cwtで推移している。欧州北西部は€2500~2600/ton。

 

 

(IRUNIVERSE/MIRUcom)

 

 

 

 

 

 

 

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