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コンデンサ国内生産Report #58MLCCとタンタル電解編 タンタル電解回復遠そう

   日本国内のコンデンサ生産は、MLCC、タンタル電解コンデンサともにまだ前年同月実績を下回っている。ただ、MLCCの生産数が底を脱し、少しずつ増えているのに対して、タンタル電解コンデンサがまだ底が見えず、減り続けている。

 

【1】セラミックコンデンサ国内生産概況

   経済産業省の生産動態統計データによると、2023年7月のセラミックコンデンサの生産額は634億円だった。前月とほぼ変わらず、前年同月比5.0%減少し、9か月連続のマイナスとなった。このところ同比のマイナス幅は、1桁パーセントにまで縮小している。

 

   2023年1-7月の同累計生産額は4,002億円、前年比11.2%減少した。同比のマイナス幅も前月より僅かだが小さくなった。それでも一昨年の同累計生産額を下回っており、2020年以来の少ない額となった。

 

   ただ、前年同月実績との比較で、マイナス幅が小幅になったのは、同生産数でも見られる。7月の同生産数は893億個、前年同月比7.9%減少し、22か月連続のマイナスとなった。それでも同比1桁パーセントのマイナスは、2か月前まで過去1年半無かった。

 

  2月には、単月生産数として2015以来、久々に500億個台まで落としたが、そこから急速に戻してきている。

 

 7月の1千個あたりの同生産平均単価は710円、前月とほぼ変わりなかった。

 

   昨年終盤から2023年年初にかけて大きく落ち込んだインダクタの生産数も、ここに来て急速に戻してきている。フィルタや水晶振動子なども似た動きが見られる。スマートフォン向けの電子部品の生産が少し増えてきた様子である。日本国内のインダクタの生産も増えてきている。ただ、一時的な増加かも知れず、完全に回復するかどうかは、今暫く様子を見ないとわからない。

 

【2】タンタル電解コンデンサ国内生産概況

   2023年7月のタンタル電解コンデンサ生産数は5,086万個だった。2か月前にも過去10年で初めて単月生産数6千万個を割ったが、今回再び下回った。前年同月比44.2%減少し、23か月連続のマイナスとなった。年初を底にMLCCの生産数が再び増加気味に転じてきたが、タンタル電解コンデンサは底が見えず、そのまま生産数を減らし続けている。

 

   7月のタンタル電解コンデンサの1個あたりに生産平均単価は14.6円、前月より1.1円高だった。多くの電子部品が原材料高騰や人件費の上昇を受けて、昨年の単価を上げて、そこからあまり下げずに2023年も高値圏で推移している。しかし、タンタル電解コンデンサの国内生産分については、ここに来て単価上昇する前の2020年終盤の底値以下にまで下げている。

 

   2023年1-7月の同累計生産額は78.1億円、前年比35.7%減少した。過去10年、この時期の同累計で100億円に到達したなかった年はない。

 

   今回何度も繰り返して述べているが、MLCCの生産数が緩やかに増加している。別途報告予定だが、自動車などにも搭載されることが多いアルミ電解コンデンサや金属化有機フィルムコンデンサは、まだ大幅な減速に至っていない。コンデンサの中でも、世界的にタンタル電解コンデンサの需要が最も回復の兆しが見えていない。

 

※記事内のグラフ・図表は、MIRU.comにて作成

 

(K.AKIYAMA)

 

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