グラファイト価格、週明けは変わらず 関連株は上昇、韓国対応急ぐ 中国輸出規制
10月23日の金属市場で電気自動車(EV)の主要材料であるグラファイト(黒鉛)価格は横ばい。金属価格サイトのAsian Metalによると、バッテリー材料として多く用いられる鱗片状黒鉛の国際価格は10月23日に高値650$/mtと、前週末に当たる10月20日から変わらなかった。中国当局が10月20日、グラファイトの一部製品について12月1日から輸出を許可制にすると発表したものの、現時点では発表を受けた動きは見られない。
Asian Metalのデータでは、10月23日は土状黒鉛の価格は高値2550元/mt、球状黒鉛の価格は1万3300元/mtでそれぞれ前週末から動かなかった。黒鉛価格は足元では低迷しており、いずれの形状でも前年に比べ3~20%程度安い水準にある。
■韓国は既に対応を協議
一方、中国の規制による品薄感が強まれば黒鉛価格が上昇するとの思惑から、世界の株式市場では関連株に買いが入っている。10月23日のロンドン株式市場では、モザンビークなどでグラファイト採掘を手掛ける英ティルパティ・グラファイト株が前週末比25%上げた。オーストラリア株式市場(ASX)でも同じく天然グラファイトの採掘を手掛けるシラー・リソーシズが2割高となった。
中国の輸出規制を巡っては、韓国の二次電池業界に打撃になるとの見方が出ている。10月21日の朝鮮日報電子版は、「韓国はグラファイト輸入の97%を中国に頼る」と指摘。既に韓国産業通商資源部(産業部)が中国以外の輸入元の模索について協議したという。
一方、ロイター通信は10月23日、「グラファイトの主な輸入国は米国や日本、韓国、インド」とし、「こうした消費国の間で11月にグラファイト輸入が増える可能性がある」と報じた。
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(IR Universe Kure)
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