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コンパウンドも行う再生ペレット工場が竣工!家電to家電をリードするG・E・T(株)

 ジー・イー・ティ株式会社(本社茨城県稲敷市上須田)は、2018年9月設立の主に国内発生の使用済み家電系プラスチックをマテリアルリサイクルし、高純度再生ペレットを製造している企業だが、このほど最新鋭機器・設備を備えた上之島第二工場(同市上之島)が竣工、2023年11月10日(金)その竣工式が行われた。

 

コンパウンドで顧客ニーズにも対応

 この日、同第二工場には、取引先や関連会社、銀行およびメディアなど、各方面から来賓が多く訪れ、入口近くの建屋脇には祝花の胡蝶蘭が並ぶなど、まさに祝賀ムードに包まれていた。定刻になると、神主による神事が一通り執り行われ、その後新工場の紹介や同社取締役・相談役の稲田氏より挨拶などが行われた。

 

 前記の通り、ジー・イー・ティでは使用済み家電製品(TV、冷蔵庫、洗濯機など)およびOA機器(コピー機、プリンターなど)の粉砕混合プラスチックを高技術分別方式で処理、ABS、PS、PP等へと種類分け、色分け、雑物分離し、これらを高純度のプラスチックペレットへ再生している。稲田氏の挨拶にもあったが、新工場はさらなる収率アップや高品質化が図られている。そして特筆すべきは、さらに顧客の要望に応じた物性を出すために、独自にフィラーを混入しコンパウンドも行っている点だ。

 

 このコンパウンドまでを行うハイスペック機器(プラント)は、自社で設計した特注品であるといい、このマシンがあってこそ顧客の求めるコンパウンドプラスチックが製造可能となっている。さらにこの工場の大きな特徴として挙げられるのが、入荷、製造工程、出荷までをIoTを駆使して制御し、徹底して自動化・省人化を図っている点だ。またオートメーション梱包ソリューションも備えており、フレコンバックに限らず顧客ニーズにあった柔軟な梱包を可能にし、保管庫まで自動配送しているという。

 

 ちなみに、今後はまず使用済み家電由来プラスチックの前処理工程(PP、PS/ABSと他のプラ、廃棄物の選別)をこの上之島第二工場で行う。第一工場(同市上須田)では、第二工場で分別したPS/ABSを静電気分離でABS、PSへと分け、再生ペレット化する。PPの再生ペレット化については、第二工場で行うこととし(2基設置)、その生産能力は1基1hあたり1000kg程度であるという。正確な額は明かせないが、この上之島第二工場の建設及び設備の設置には数億円の費用を要したという。

 

海外樹脂関連会社とも事業提携、さらなる横展開を

 さて、この竣工式には来賓として、同社の再生ペレットを購入している日立グローバルライフソリューションズ株式会社の生活家電調達部長の宮原氏が招かれていたが、同氏からの祝辞もあり、今後はサステナブルな社会の実現のために再生プラが一層必要になること、またジー・イー・ティによる高品質なペレットの安定供給に今後も大いに期待したいことなどが述べられた。同社ではすでに使用プラスチックの20%程度が再生プラスチックであるといい、ジー・イー・ティが最大のベンダーとなっているという。

 

 またここでは、ジー・イー・ティと海外のプラスチック関連メーカーとの締結式および調印式が行われた。その企業とは韓国のGS CALTEX社とフランスのENVIE社。この3社は、使用済みプラスチックの再生ペレット製造とサプライ面などで今後連携していくといい、来年を目処に、ENVIE社はフランス国内にジー・イー・ティ上之島第二工場と同等規模の再生ペレット工場を建設する予定であるという。

 

 基本的に、使用済み家電由来のプラを取り扱っているジー・イー・ティであるため、供給先は家電メーカーであるが(家電to家電)一部自動車パーツにも用いられているという。

 

 このように進行したジー・イー・ティ上之島第二工場竣工式だが、式終了後は銘酒久保田と洋菓子が土産として振る舞われ解散となった。

 

 この上之島第二工場、とにかく目をみはるのが自社で特別にカスタマイズした、再生プラにコンパウンドを行うマシンでありIoTによるプラントの自動化だ。今後、再生プラのニーズは国際的な規約・規制もありウナギ登りになることは確実。同社のような高純度な再生プラが安定供給できるプラント(工場)は、社会的にも今後待望されるだろう。同社では、フランスでの工場建設同様、今回の新プラントを世界へ横展開していきたいと、意気込みを語る。

 

 

 

 

(IRuniverse kaneshige)

 

 

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