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ステンレス鋼鋼材 仕入れ先・月別輸入量推移 2023年9月実績

 2023年9月のステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量は前月(2.15万トン)比8.2 %減の1.976万トンとなった。4か月ぶりに2万トンを下回った。前年同月(1.966万トン)比では、0.5 %増。

 仕入れ先別では、韓国が9,849トン、台湾が2,883トン、中国が6,192トン、インドネシアが396トン、タイが148トン及びスウェーデンが58トンとなった。

 

 インドネシア及びタイからの輸入は、すべて鋼板類であった。

 インドネシアからの輸入量は、2014年1月以降で最高となった。

 

 国内メーカーの供給余力が限られていたことや、国内材の値上げに対して、割安な輸入材を手当しようとする動きで輸入量の急増につながった2022年1月(2.94万トン)比では、32.8 %減に留まった。

 

 2022暦年(1-12月期累計)の輸入量は、2021暦年(26.2万トン)比10.1 %増の28.8万トン。月換算量で2.4万トン。

 

 2022年度(2022年4-2023年3月累計)の輸入量は、2021年度(27.5万トン)比6.2 %減の25.8万トン。月換算量は、2.15万トンだった。

 

 9月のステンレス鋼鋼材累計輸入量は1.98万トンであり、2022暦年及び2023年度の月換算量をともに下回った。

 

 2022年度の国別輸入量順位では、中国が1位で10.2万トン(月換算値 0.85万トン)、韓国が7.5万トン(月換算値 0.63万トン)、台湾が6.4万トン(月換算値 0.53万トン)の順となった。韓国と中国の順位の入れ替わりは、2022年9月初頭にポスコの浦項製鉄所が台風被害を受けたことによる。

 

 9月の韓国からのステンレス鋼鋼材累計輸入量は、2022年度の月換算値を上回った。

 

 2023年1-9月累計の中国からのステンレス鋼鋼材累計輸入量は、4.8万トン、韓国6.6万トン、台湾4.5万トンとなり、ともに2022年同期累計を下回った。

 2022年1-9月累計の中国からのステンレス鋼鋼材累計輸入量は、7.75万トン、韓国8.54万トン、台湾5.65万トンであった。

 

鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼それぞれの輸入量推移については下記をご参照ください。

ステンレス鋼鋼材 仕入れ先・月別輸入量推移 2023年9月実績  鋼板類他 | MIRU (iru-miru.com)

 

 モニタリングシステムによる、9月の鋼板類の輸入量は1.82万トンと前月(2.00万トン)比9.0 %減。

 

<財務省統計>

 

 財務省が10月29日に発表した9月の貿易統計によるとステンレス冷延鋼板類輸入量は前年同月比6.1 %増と2か月ぶりに増加したが、前月(1万5,662トン)比では12.8 %減の1万3,653トンであった。6月以降は1万5千トン前後の高水準が続いていた。

 

 国別では台湾は入着時期の影響で減少(前月5,209トン)、中国及び韓国は5千トンを超えた(前月4,096トン)だった。

 

 2023年度上期の輸入量は8万4千トンとなった。韓国が3万1千トン、中国が2万8千トン、台湾が2万3千トン。

 

 ステンレス鋼材(鋼板、条鋼、線材・鋼線、鋼管)全体の輸入は前年同月比0.2 %増、前月(2万4,566トン)比6.3 %減の2万3,012トンとなった。輸入材の浸透度が目立つ状況となっている溶接鋼管は、1,317トン高水準が続いている。

 

<世界ステンレス粗鋼生産>

 

 世界ステンレス粗鋼生産 1~6月累計 前年同期比1.7 %減の2,844万トン

 

 世界ステンレス協会は10月19日、2023年1~6月期のステンレス粗鋼生産が前年同期1.7 %減の2.844万4千トンとなったと発表した。全体の63 %を占める中国は8.2 %増の1,758万7千トンとなり、地域別で唯一増加し、他地域は10数%の減少となった。

 中国の4~6月期は931万トン4千トンで四半期の過去最高となった。半期実績としても21年上期(1,726万2千トン)を上回り過去最高。

 1~6月期 地域別生産は欧州が同比13.4%減の313万6千トン、アジア(中韓以外)が同比14.6%減の331万8千トンなど。

 4~6月期の世界合計は同比1.5%減の1,475万9千トンで、中国以外は10%を超える減少幅だった。

 

<鉄鋼連盟情報>

 鉄鋼連盟の統計によりステンレス鋼鋼材の輸入量概況をみてみる。

 

 鉄鋼連盟の統計による、2022年度のステンレス鋼輸入量は、27万8,777トンと2021年度(29万4,364トン)比5.3%減となった。

 

 暦年では30万9,062トンと30万トンを超え、2021暦年(28万679トン)比10.1%増と大幅増で過去最多を更新した。

 

 円ベースの年度金額では、1,377.8億円と21年度(1,116.6億円)を超えた。

 

 鉄鋼連盟のステンレス鋼材輸入量統計では、形鋼、棒鋼、線材、厚板、中板、薄板、広幅鋼帯、鋼帯、継目無鋼管及び溶鍛接鋼管の輸入品目コード61コードの集計である。

 

<2022年度9月 鉄鋼連盟輸入速報>

《特殊鋼鋼材合計及びステンレス鋼鋼材の輸入量推移》

 

 鉄鋼連盟が発表したステンレス鋼鋼材の23年度9月(速報)では、輸入量は2.15万トンと、前月(2.3万トン)比では6.4 %減、前年同月(2.12万トン)比では1.7 %増の見通しとなった。

 

 図1に特殊鋼鋼材合計及びステンレス鋼鋼材の輸入量推移を示す。特殊鋼鋼材全体の輸入量は減少傾向にある中、ステンレス鋼鋼材の輸入量は国内のニッケル系の価格急騰により、安価な輸入品を求め増加したが、それらの価格も高騰してきたため、2022年1月にピークとなり減少傾向をたどった。その後6月及び7月に再びに急増し3万台となったが、8月及び9月は2万台に戻し、10月からはは2万トンを上下した。2月は2万トン台を下回ったが、その後再び戻し、6月実績から9月(速報)では2万トン超えを継続した。

 

 2022年8月からは、9月初頭のポスコの浦項製鉄所が受けた台風被害により韓国材が減少したが、2023年度に入り、韓国材は徐々に増加に転じていることが、2023年度に入ってから増加傾向を示している主要因である。

 

図1 特殊鋼及びステンレス鋼鋼材の輸入量推移(月率換算)2016年度~2023年9月(速報)

 

<ステンレス鋼鋼材輸入量 仕入れ先主要3か国推移>

 鉄鋼連盟が発表した2023年9月の輸入速報までの、ステンレス鋼の輸入推移をみてみよう。

 

 図2にステンレス鋼 主要3か国(韓国、中国及び台湾)月別輸入量推移を示す。10月から韓国(図2 緑棒グラフ)からの輸入量が激減する一方、中国材(図2 赤棒グラフ)が2022年12月迄、増加していることが分かる。

 

図2 主要3か国月別輸入量推移[2021年11月〜2023年9月(速報)]鉄鋼連盟

 

 この韓国及び中国からの輸入量の変動は、2022年9月初頭のポスコの浦項製鉄所が受けた台風被害により韓国材が減少し、その代替としてポスコ張家港不錆鋼からの輸入量の増大により、中国材が増加したものである。 韓国及び中国の総和(水色折れ線グラフ)でみると、バランスが保たれていることが分かる。2023年度に入ってからは、韓国材の回復に伴い中国材は減少しつつあり、総和は、ほぼ台風被害前に戻りつつある。

 

 鉄鋼連盟が発表したステンレス鋼鋼材の23年度9月(速報)では、輸入量は2.15万トンと、前月(2.3万トン)比では6.5 %減、前年同月(2.12万トン)比では1.4 %増となる見通しとなった。

 

 仕入れ先別では韓国が1.04万トン、台湾が3,239トン、及び中国が6,502トンとなり、前月より台湾材は減少したが、韓国及び中国材が増加した。

 

 ステンレス鋼鋼材の2023年度8月(確定)の輸入量は2.23万トンと前年同月(2.55万トン)比12.5 %減となった。仕入れ先別では、韓国から1.0万トン、台湾から6,577トン、及び中国から5,550トンだった。

 

 ステンレス鋼鋼材の2023暦年上半期[2023年1月〜6月(確定)]の輸入量は、11万3,851トンとなり、2022暦年上半期(16万8,577トン)比では、32.5 %減となった。

 

 ステンレス鋼鋼材の2023年1月〜9月(速報)の輸入量は、18万648トンとなり、2022年同期比では、27.3 %減となった。

 

 ステンレス鋼鋼材の2023年度4月〜9月(速報)の輸入量は、12万7,708トンとなり、2022年同期比では、22.7 %減となった。

 

 鉄鋼連盟での統計は、ステンレス鋼材合計であり、しかも仕入れ先別分類は、韓国、中国及び台湾の3か国のみである。

 アイアールユニバースでは、ステンレス鋼鋼材の過剰輸入を懸念して、品種別、仕入れ先別輸入量推移を、経済産業省のモニタリングシステムを用いて注視している。

 

《経済産業省のモニタリングシステムによる集計結果から》

 

<主要国からのステンレス鋼(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼 合計)月別輸入量推移 図3、図4>

 

 2023年9月のステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量は前月(2.15万トン)比8.2 %減の1.976万トンとなった。4か月ぶりに2万トンを下回った。前年同月(1.966万トン)比では、0.5 %増。

 仕入れ先別では、韓国が9,849トン、台湾が2,883トン、中国が6,192トン、インドネシアが396トン、タイが148トン及びスウェーデンが58トンとなった。

 

 過去の9月輸入量(2020年9月:1.42万トン、2021年9月1.50万トン、)との比較では、共に上回った。

 

 経済産業省のモニタリングシステムによる、ステンレス鋼輸入量(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼 合計)の仕入れ先別輸入量推移を図3に示す。2023年1月の鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼トータルの輸入量[茶色 折れ線(右軸)]は、1.92万トンとなり、前月(1.74万トン)比10.2 %増、2022年同月(2.94万トン)比34.8 %減となった。

 2月及び3月は1.5万トンを下回ったが、4月は再び1.88万トンまで増加し、2022年同月(2.43万トン)比では22.6 %減となった。5月は、やや減少し1.69万トンとなり、前年同月(2.51万トン)比32.7%減となった。6月は、2.03万トンと、7か月ぶりに2万トンを超え、8月まで3か月連続で2万トン台となったが、9月は2万トンを下回った。

 

図3 ステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)仕入れ先別輸入量推移

 

 図4に、直近2019年1月からの仕入れ先別輸入量推移を示す。

 

直近:2019年1月~2023年9月迄

図4 ステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)仕入れ先別輸入量推移

 

 2022暦年の輸入量は、21暦年(26.2万トン)比10.1 %増の28.8万トン。月換算では、2.4万トン、2022年度累計の輸入量は、前年度累計(27.5万トン)比6.2 %減の25.8万トン。月換算では2.15万トンであった

 

 9月の輸入量は2022暦年及び2022年度月換算を共に下回った。

 

 仕入れ先別特徴は、これまで輸入量第1位であった韓国(図4右軸 緑棒グラフ)からの輸入量は、2022年5月に中国に1位を譲ったものの8月及び9月には再び1位に戻した。しかし、2022年9月初頭のポスコの浦項製鉄所が受けた台風被害により、10月~2023年2月まで、0.4万トンを下回って推移していた。

 3月から0.5万トンを上回って再び1位を取り戻すとともに、輸入量は台風被害前に戻しつつある。

 

 台湾(図4右軸 青棒グラフ)からは2022年1 月に2014年以降で最大の輸入量0.66万トン台となり、その後3月に0.77万トン、6月には更に増加し0.88万トンと最高値を更新して韓国を超え中国に続く2位に浮上した。7月からは再び3位に戻し10月は0.29万トンとまで減少したが、11月は0.48万トンとなり、韓国からの輸入量を超え、2位に返り咲いた。12月は0.32万トンまで減少したが、1月は急増し0.98万トンとなり再び1位となった。3月から3位に戻して推移し、6月及び8月は中国を超えたが、9月は中国を下回った。

 

 一方、中国(図4右軸 赤棒グラフ)からの輸入量は、6月に1万トンを超え、輸入量第1位となった。7月も1.25万トンと高値を維持したが、8月及び9月は0.7万トンを下回った。11月及び12月は再び1万トンを超えた。ポスコの浦項製鉄所代替としてポスコ張家港不錆鋼からの輸入が増大したことによる。2023年1月からは、0.5万トンを上下して推移し、3月から順位は2位となった。6月及び8月は台湾に譲ったが、9月は台湾材が減少したことにより、2位を取り戻した。

 

 9月のその他の国からの輸入量は、スウェーデンからは58トン、インドネシア396トン、オーストリア49トン、タイ148トン、インド23トン、フィンランド20トン及びアメリカ合衆国48トンであった。

 

 輸入額では、9月は、韓国37.35億円(前月37.99億円)、台湾12.31億円(前月24.28億円)及び中国23.07億円(前月20.48億円)。

 その他スウェーデン1.25億円(前月1.68億円)、アメリカ合衆国2.51億円(前月2.51億円)、インドネシア1.31億円、タイ0.69億円、フィンランド0.11億円だった。

 

 9月の月単価は、韓国373円/kg(前月398円/kg)、中国373円/kg(前月387円/kg)は更に前月から単価を下げた。一方、タイ470円/kg(前月434円/kg及び台湾423円/kg(前月388円/kg)は、値上げとなった。その他、インドネシアは393円/kg、インドは331円/kgであった。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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