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イワキ(6237)  24/3上期WEB説明会メモ ポジティブ継続

24/3上期26.0%増収48.3経常増と増額着地、24/3期増額、25/3期も連続最高益期待

株価2057円(11/28)   時価総額462億円   発行済株22490千株

PER(24/3期DO予11.4X)PBR(1.45X) 配当(24/3DO予)50円  配当利回り:2.4%

 

要約

・24/3上期26.0%増収営利2.4倍、48.3経常増と全市場で好調、中国子会社取込み増額着地
・24/3期17.1%増収60.5%営利増9.4%経常増益予想に変更無く、主力製品好調で増額期待
・新中計を子会社連結などで再度見直し、25/3期売上高465億円、営利48.25億円目指す

 

 

24/3上期26.0%増収営利2.4倍、48.3経常増と全市場で好調、中国子会社取込み増額着地

 

 半導体、医療機器向けに強味を持つケミカルポンプ専業・総合メーカー。24/3上期決算が11/14に開示、11/27に説明会が実施された。24/3期HIは売上高224.36億円(期初計画比7.68億円増額、26.0%増)、営利28.05億円(同10.62億円増額、136.6%増)、経常利益32.70億円(同13.18億円増額、48.3%増)、税引利益21.88億円(同8.25億円増額、26.7%減)と11/7増額修正通りの着地となった。上期としては上場来最高収益更新(税引は前上期特益が有り除外)となっている。なお前Q4よりイワキ香港G(医療機器市場中心)、イワキ上海G(半導体・液晶中心)の新規連結効果が売上で33.96億円あるが、これを除いても6.1%増収となっている。また営業利益では11.61億円の効果があり、連結前営業利益では17.30億円(同期比45.9%増)と、実質的にも増収増益となっている。なお経常利益では持分利益が3.52億円(同期比3.79億円減少、51.8%減)、為替差益も連結組み入れから0.69億円(同期比1.80億円減、72.3%減)と減少しており、営業外収支が10.20億円縮小したため経常利益の伸び率は48.3%増に止まっている。税引利益では段階取得による差益12.97億円がなくなり、税引利益では減益に。

 

 市場別では、水処理が51.75億円(24.6%増)で。国内が13億円で上下水処理向けが好調、海外は38億円強となっているが米国向けが31億円あり水処理コントローラなどが伸長した。半導体・液晶向けは43.35億円(22.0%増)と、空気駆動用ポンプ20.5%増が大きく寄与、仕向先では国内が23億円で、海外が20億円あるが、中国向けが11億円を占める。医療機器向けは38.49億円(45.7%増)と内外ともにコロナ影響からの回復が寄与、またイワキ香港の取り込み効果で大幅増。市場は国内が23億円、海外市場が14億円で中国が12億円と大半を占めるが、海外向けはまだ小さいとの認識。

 

 製品別では量産品の主力のマグネットポンプが71.46億円(26.5%増)、定量ポンプ36.55億円(20.1%増)と好調に推移、また半導体向けの空気駆動ポンプが31.41億円(20.5%増)、内外医療向けで好調の回転容積ポンプが14.36億円(58.1%増)と伸長した。

 

 

 地域別では国内が103.73億円(12.0%増)と、水処理、医療機器市場、化学も高付加価値製品が好調に推移した。海外は120.62億円(41.1%増)となり、海外比率が同期比6ポイントアップし53.8%まで向上し過去最高となった。アジアが15.23億円(1.9%減)と韓国を除く台湾などの不振から減収となった以外、何れも2ケタの伸びに。特に中国は33.65億円(同期比20.92億円増、2.6倍)と2社連結効果が大きい。また米国は34.15億円(22.5%増)と水処理向けの拡大、2次電池材料製造向け等の好調が大きい。欧州も27.94億円(29.2%増)と2次電池材料製造向けなどに好調、円安効果もあり大幅増に。

 

 

 利益面では総利益率が一番高位にあるマグネットポンプ、次ぎに収益性の高い定量ポンプが伸び、増収効果とMIX良化、さらに円安効果が2.85億円あり、売上総利益率が6.3ポイント向上し39.8%まで高まり、増収効果による販管費比率の低下も伴い、大幅な営業利益増となった。増額幅が大きくなったのは中国関連の2社が想定よりも収益性が大きく上回っていたことが大きいとのこと。

 

 

24/3期17.1%増収60.5%営利増9.4%経常増益予想に変更無く、主力製品好調で増額期待

 

 24/3期期初会社予想に変更はなく、売上高441.81億円(17.1%増)、営利39.20億円(同60.5%増)、経常利益43.02億円(同9.4%増)、税引利益31.15億円(同29.2%減)予想を据え置いた。足元、若干受注が弱含みとの認識で、不透明要素が多いとして下期を減額、通期予想を据え置いた。このため、下期予想は売上高217.45億円(同期比11.4%増)も、営業利益11.15億円(同11.4%減)、経常利益10.32億円(40.3%減)予想となる。

 

 部門別、製品別予想も変更しておらず、売上面では全製品、全市場の増加を、地域別でも国内200億円(3%増)、輸出は新規連結2社(イワキ香港、イワキ上海が前期はQ4のみ、今期はフル寄与)の寄与もあり210億円(15%増)と内外とも増収を見込む。市場別では半導体・液晶向けが18.3%増と、半導体設備投資不振の中で好調を維持しているウェット洗浄プロセスや薬液供給装置で好調が持続しており、CMPプロセスは減退も空気駆動ベローズポンプの伸びが続く見通しで、会社計画は十分可能とみられる。水処理分野は105.43億円(14.4%増)予想と、北米向けにコントロールユニットなどの拡大が続く見通し。医療機器向けは69.33億円(25.0%増)となっているが、市場全体が復調、好調を持続し増額期待がある。また新エネルギー向けを11.28億円(33.1%増)と見込むが、上期86.7%増、進捗率61.8%とリチウムイオン電池製造向けなどでマグネットポンプ、回転容積ポンプなどが拡大見通し、投資計画も活発化しており増額が期待される。化学向けも2次電池製造材料向けの拡大で44.55億円(21.1%増)を見込むが、こちらも増額含みと見られる。全体として上期増額分を下期減額としているが、少なくとも期初計画並みの下期売上の確保は十分可能とみられる。

 

 製品別では主力のマグネットポンプを141.19億円(17.8%増)、定量ポンプ78.94億円(23.0%増)、空気駆動ポンプ61.60億円(20.0%増)と前期と同様、順調な伸びを想定、上期進捗率が大きく変化しておらず、全体として円安傾向もあり下期期初計画を確保し嵩上げが期待される。

 

 利益面では収益性の高い上位2種のポンプ構成比が48.8%から49.9%に高まることでMIX良化も見込まれ、稼働率アップなどで総利益率を37.6%と見込むが、上期は39.8%まで高まっており、下期に大きく総利益率が下がる要因がない。また為替前提を1$=138円と置いており、1円当たり売上感応度で0.68億円、営利感応度で0.21億円あり、円安寄与も見込め、全体として売上の上振れ、利益の大幅増額が見込まれる。

 

新中計を子会社連結などで再度見直し、25/3期売上高465億円、営利48.25億円目指す


 同社は2022年11月に修正中計予想として25/3期に売上高428億円、営業利益42.91億円、経常利益49.25億円を目標数字として増額改定した。しかし24/3期会社予想で売上高は修正計画を上回り、営利予想も修正中計の91%まで達成する予想となった。また2社連結も有り前提が変化したため新中計を再度見直し、25/3期に売上高465.08億円(修正新中計計画比37億円増額)、営業利益42.91億円(同2.91億円増額)、経常利益52.15億円(同2.90億円増額)予想とした。部門別、製品別予想開示は無いが、24/3期予想に対し、水処理・医療機器市場向けが堅調に推移し、24/3期予想比5.3%増収予想とした。また国内を3%増、海外を7.2%増予想とし、さらに海外比率が高まるとしている。但し、半導体関連は同社の関連が洗浄に関連する比率が高いなどで半導体全体が不要でも堅調が維持されている分野であり、しかも24年以降、巨額の国内半導体設備投資が実行されるなど、同分野の伸びが加速見通しで、半導体関連の増額が十分あり得る。また中国の半導体設備投資は引続き活発に推移すると見られ、上海子会社連結効果も発揮されるとみられる。このため全体として25/3期再修正売上も増額が見込まれる。さらに新製品では定量ポンプでリニアポンプ“LRシリーズ”を発表、0.01ccを1分間かけて定量吐出できる超低速運転が可能で超微量制御可能なポンプで、微量な化学分析、液クロ分析などに利用できる超精密ポンプとしている。同製品は昨年10月に発表した磁気浮上型マグネットポンプ(磁力でインペラを浮上させ、非接触回転させるポンプで、軸シールがなく流体漏れがなく摩擦が少ないため、耐久性に優れる)に続き、画期的なポンプの第2弾となる製品で、ケミカルポンプ業界ではこの様なタイプのポンプを標準化したのは同社が初めてとのことで、高付加価値製品の拡大でも収益性向上が期待される。

 

 

 利益面では増収効果で8.3%営業増益を見込むが、24/3期に2社連結に伴う減価償却費の一時的な増加が4億円程度あり、この負担がなくなること、売上が増額修正見通しであること、さらに24/3期が増額含みで収益性が維持されると判断、利益面でも再増額した中計予想を大きく上回る利益が期待される。

 

 株価は11/27の説明会を受けて年初来高値2097円と更新したが、今期会社予想EPS141.79円に対しPER14.53倍はプライム機械平均PER15.8倍に対し割高感はなく、さらに増額修正期待もあり、25/3期は再増額した中計計画に対しても大きく利益が上振れする期待もあり、引続きポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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