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田中貴金属工業 真空成膜装置部材に付着した貴金属の新回収方確立

 田中貴金属グループの中核企業として産業用貴金属事業を展開する田中貴金属工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:田中 浩一朗)は、治具洗浄法「TANAKA Green Shield」を確立したことを発表した。

 

 この洗浄法は、半導体の製造工程などで使用される真空成膜装置(※1)部材の防着板(※2)に、ニッケルめっき加工を施すことが特長。ニッケルめっき加工された防着板は、容易にプラチナやパラジウムなどのPGM(※3)スパッタ膜の剥離を行うことが可能となる。
【製品ページ】https://tanaka-preciousmetals.com/jp/products/detail/tanaka-green-shield/

 

 田中貴金属工業では、スパッタリング装置・真空蒸着装置など、主にSUS(ステンレス鋼)製の真空成膜装置部材に付着したスパッタ膜を剥離して貴金属を回収精製し、回収した貴金属と精密洗浄した部材を顧客に返却するリサイクルビジネスを展開している。


 この洗浄法では、田中貴金属工業の独自技術である下地めっきのノウハウを活用している。防着板にニッケルめっき加工することで、基材を傷つけることなく、化学的処理でPGMスパッタ膜を剥離することが可能。従来工程よりも容易にPGMスパッタ膜が剥離できるようになったため、装置洗浄時に使用する洗浄剤の使用量減少が期待でき、環境負荷低減に貢献する。さらに、研磨時の飛散による貴金属の回収ロスも低減されることが見込まれるため、高いPGM回収率と低コスト化も期待できる。

<「TANAKA Green Shield」治具洗浄プロセス>

 

治具洗浄方法について
 真空成膜装置部材の治具洗浄方法は、物理剥離(ブラスト処理)やアルミニウム溶射下地成膜などの方法がある。物理剥離は、研磨剤(洗浄剤)を吹き付けることで付着膜を削り取る洗浄方法であり、低コストなため、現在主流となっている治具洗浄方法だ。この方法では、研磨剤の使用による基材表面へのダメージが基材のライフサイクル低下につながり、加えて、飛散による地金回収ロスの発生がデメリットとなっていた。一方、アルミニウム溶射下地成膜による治具洗浄は、あらかじめ防着板にアルミニウムを溶射法にてコーティングし、薬液でアルミニウムを溶解することで付着膜を剥離する方法になる。この方法では、アルミニウムの非成膜面への付着膜の回収が困難であるほか、アルミニウム成膜費用が高価であることがデメリットとなっている。


「TANAKA Green Shield」では、防着板にあらかじめニッケルめっきによる下地加工を行う。例えば、スパッタリング加工(防着板使用)後、防着板とPGMスパッタ膜との間に施したニッケルめっきコーティングのみ溶解することで、基材を傷つけずにPGMスパッタ膜だけでなく、様々な成分の付着膜を剥離することができる。この下地加工は、防着板やスパッタ膜との密着性が高く、スパッタ膜が剥がれることによるスパッタ加工不良を防ぐことができ、様々な形状の部品にもめっき加工が可能。同洗浄法では、基材劣化を防ぐことに加え、アルミニウム成膜に比べ低コストを実現する。また、洗浄剤の使用量も減らすことができるため、環境にやさしい次世代の治具洗浄になる。



<治具洗浄が行われるスパッタリングや蒸着工程について>

<治具洗浄が行われるスパッタリングや蒸着工程について>

 

* 田中貴金属工業とサーキュラーエコノミー
田中貴金属工業では、1885年(明治18年)の創業以来継続して貴金属リサイクル事業を行ってきた。長年の貴金属研究開発で培った既存の貴金属リサイクル技術に加え、「TANAKA Green Shield」といった貴金属リサイクルに関する新たな技術開発も進めている。

(※1)真空成膜装置:スパッタリングや蒸着など、半導体の製造工程において薄膜成形のプロセスで用いる装置
(※2)防着板:成膜装置のチャンバー(物理的、化学的反応を起こさせるための密封した反応容器)の内壁への着膜を防止するために設置される板
(※3)PGM:貴金属のうちプラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウムの6種類を指す

 

 

(IR universe rr)

 

 

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