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ローツェ(6323)24/2Q3決算説明メモ ポジティブからややポジティブに変更

24/2期18.2%営利減予想は増額期待、25/2期は再度営利最高益更新期待

株価16370円(1/23) 時価総額2888億円    発行済株17640千株

PER(DO24/2期予:15.3X)PBR(2.47X) 配当(24/2DO予)155円  配当利回り:0.9%

要約

・24/2Q3は5.7%減収14.6%営利減も受注1.3%減で底打ち、受注残2.2%減と高水準

・24/2期予想に変更無く6.9%減収18.2%営利減予想も受注残豊富、円安寄与で増額期待

・高採算の半導体関連装置が牽引、25/2期売上高1000億円視野に営利最高益更新期待

 

24/2Q3は5.7%減収14.6%営利減も受注1.3%減で底打ち、受注残2.2%減と高水準

 

 半導体・FPD・ライフサイエンス関連の自動化装置の開発・製造・販売を手掛け、主力事業のウエハ搬送システムで、世界シェアトップクラス。24/2Q3は売上高241.70億円(5.7%減)、営業利益58.11億円(14.6%減)、経常利益74.48億円(23.6%減)、税引利益56.52億円(22.6%減)、受注高196.48億円(0.4%減)、受注残高611.68億円(2.2%減)と同期比で減収減益も、Q2対比で0.5%減収、11.2%営利増と収益回復過程に。

 

 セグメント別では半導体・FPD製造装置関連が売上高240.22億円(6.0%減)、営利60.14億円(13.8%減)受注191.89億円(2.3%減)、受注残602.04億円(2.4%減)に。品目別では半導体関連装置が売上高208.36億円(6.8%減)、受注186.54億円(0.2%増)、受注残191.89億円(2.3%減)に。売上面では主力ユーザーAMAT向けが62.46(42.4%増)と、Q1まで部材調達難や米中摩擦などで出荷遅れがQ2に正常化、Q2,Q3と四半期最高額を更新している。納入先第2位と見られるTSMCは売上記載が無く、台湾向けが37.25億円(24.9-%減)となっており、TSMCの設備投資抑制の影響が出ている模様。但しQ2比0.8%減とほぼ底打ちに。中国向けは73.53億円(5.8%減)となっているが四半期ではQ2にQ1比55.8%増、Q3は26.8%増と、こちらも部材調達難、サプライチェーン混乱の影響が薄れ、Q1ボトムに急回復となっている。

 

 FPD関連装置売上は8.46億円(42.0%減)、受注3.45億円(66.2%減)、受注残45.53億円(5.6倍)に。売上面では韓国サムスン向けに大型案件がなく、受注もQ2のサムスンベトナム向け大型受注(26億円)の反動減で大幅減少に。

 

 Q1から新たに加わったイアス社は、売上高8.49億円(Q17.15億円、Q28.06億円)、受注1.89億円(Q1が8.20億円、Q2が4.98億円)、受注残38.24億円となっている。全自動気層分解(VPD)装置Expert™を主力製品としてウエハメーカ-等向けが一服している。

 

 利益面では減収影響、減価償却費7.11億円(15.0%増)、人件費増などあるも、採算の良い半導体関連売上が円安も寄与、総利益率は0.8ポイント改善し36.8%となり、総利益で3.7%減に止まる。但し販管費がR&D3.97億円(34.6%増)、M&Aの暖簾償却1.24億円、人件費増などが嵩み全体として30.79億円(27.1%増)となった事で営業利益段階では2ケタ減益に。また経常利益は為替差益18.00億円(49.1%減)が影響し減益率が大きくなった。

 

 

24/2期予想に変更無く6.9%減収18.2%営利減予想も受注残豊富、円安寄与で増額期待

 

 24/2期会社予想に変更はなく、売上高880.26億円(6.9%減)、営業利益216.19億円(18.2%減)、経常利益215.53億円(29.0%減)、税引利益157.18億円(26.5%減)予想を据え置いた。主力品目別売上も変更なく、半導体関連装置は719.86億円(11.0%減)、FPD関連装置45.78億円(27.8%減)、ライフサイエンス13.42億円(13.2%増)を見込む。Q3までの進捗率では売上高こそ74.0%であるが、装置別では採算の良い半導体関連が76.8%と多少上回っている。なおQ4で半導体関連がQ3比42億円も減少するとは考えにくく、FPDで大口の契約分も加わるとみられ、売上の増額が見込まれる。

 

 利益面では設備投資を46%減の24.51億円と投資一巡を見込み、償却負担も20.98億円(4.5%増)に止める。人員も抑制するが円安による仕入原価の圧迫から、営業減益を見込む。現状、半導体関連で売上増額が見込まれ、利益面でもMIX良化から営業利益の増額が見込まれ、さらに期末に向かい円高を想定、現在の円安傾向で経常利益の大幅増額が見込まれる。

 

高採算の半導体関連装置が牽引、25/2期売上高1000億円視野に営利最高益更新期待

 

 同社の半導体関連装置の主力ユーザーは半導体向けでAMAT、TSMC、マイクロン、FPDでサムソンなど。また最近は中国ローカルが会社設立ラッシュで中国向けが急拡大している。現状、先端デバイス向け設備投資でAI半導体など設備増強の動きもあり、来上期に本格回復が見込まれる。メモリ向けもAIサーバー向けにHBMの不足が深刻で、HBM向けの新規受注も期待される。加えて昨今、異種デバイスの積層化や3DNAND以外で2.5D構造など、先端デバイスの多様化も進んでいる。このためアドバンスドパッケージ(中工程)搬送システム、先端デバイス向けの新たな需要拡大も見込める。さらに分析装置も、新レーザーアブレーション装置など先端分野で裾野の拡大、シナジー効果も期待され、半導体関連装置は売上、受注とも過去最高額更新が見込まれ、収益も最高益更新が期待される。

 

 

 株価は4/11の決算を受けて一瞬下落も、その後はユーザーが勝ち組との認識も有り、堅調に推移、Q2発表で上振れ着地も24/2期変更なしで一次は調整も、その後半導体の底入れ、Q3で24/2期の利益増額期待が高まったことも有り、上場来新値更新を続けている。現在、24/2期会社予想EPS892.13円に対しPER18.3倍はプライム機械平均PER17.8倍に対し割安感が薄れた感がある。既に想定株価を上回ったものの、今後の増額修正着地でPER15倍台になるとみられ、25/2期にはAMAT、TSMC、中国新興ローカルなどから受注の回復が見込まれ、営利最高益更新も視野に入ることから、ややポジティブに変更するものの中期的に拡大が見込める企業として注目を続けたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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