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自動車用半導体シリーズ#5 総論

 

 世界の半導体の売上高は約75兆円であり、3~4%は前年に対して伸びてきたようだ。しかし後半から大幅に急降下した。これはひとえに、世界のGDPが伸びないからであり、ここには新型コロナの影響、ロシア・ウクライナ戦争のインパクト、中国経済の低迷などの影響である。用途別でみるとトップを行くのが通信向けであり、全体の30%を占有している。5G/6Gという高速通信が増えてくれば、当然のことながらデータセンターが要となるわけであり、こちらの投資が活発である。


 そして用途別の第2位はPC/コンピューターであり、ここにはタブレットやモニターなども含まれ、現状で世界出荷台数は7億~8億台程度と思われる。これが全半導体の26%を占めている。そして、最も注目すべき点はかつ重要なことは、自動車向け半導体もシェアがじわじわと押し上げてきており、全半導体の14%を占めるに至っている。

 これは一見すればそれほどでもないとみる向きもあるが筆者は異なる意見をもつ。少し前までは、全半導体のうち車載向けが占める比率はわずか7%しかなかった。それゆえに、新型コロナによる混乱を契機として、サプライチェーンがうまく働かず、半導体不足が叫ばれ、実際にモノ不足の事態に陥った。つまりは、半導体メーカーにとって一番重要なのは、スマホであり、データセンターであり、パソコンなどであり、そちらが最優先になるのは当たり前なのだ。たった7%しかない車載向けにぶり向ける余裕はなかった。


 ところが、ここにきて車載向けは3~4年前に比べて2倍の14%になってきたのである。今後は大きく注目する必要がある。EV、プラグインハイブリッド、燃料電池車などのエコカーの普及は、一気に車載向け半導体需要を2.5倍に押し上げると言われている。さらに自動走行運転、AIとつながる機能などを考えあわせれば、車載向け半導体こそ誠に重要な存在になってくる。ここで自動車向け半導体需要(販売高$millions)でその需要同湖を見てみよう。Fig1(上図)は半導体種類別需要予測を示したものである。

 

 

Fig1世界の自動車用半導体需要動向(上図)グラフ、(下図)2023年種類別シェア

 

 自動車用半導体種類別ではLogic ICが年平均成長率(CAGR)17.1%と最も高く、ついでMemory ICの14.2%となっている。2023年時点では占有率が低いが今後自動運転システムの高度化などの影響を受け比率は高まる。これはLogic ICも同様である。

 

 

 Fig2 2023年自動車用半導体種類別シェア

 

 自動車用半導体種類別シェアをFig2に示した。シェアでは順に、ディスクリート35%, アナログIC28%, オプティカルIC,13%, ロジックIC9%、マイコン6%、センシングIC5%,メモリ-IC4%となっている。ディスクリート半導体の中にはパワーディスクリートとパワーモジュールが含まれる。パワーディスクリートにはパワートレンジスタ、サイリスタ、整流子、パワーダイオードなどが含まれる。パワーモジュールにはフルSiC(シリコンカーバイト)、GaN(窒化ガリウム)モジュール、IGBTパワーモジュール等が含まれる。主に駆動用エンジン回路やEV駆動部電子回路に多用されている。アナログICは車載用すべてのECUに使用される。

 

 Fig3はMemory ICの種類別需要動向である。車載用Memory ICとしてはDRAMの占有率が高い。2023年では56%の占有率である。次いでNAND Flashが31%で合計すると87%を占める。この傾向は2030年頃まで続くものと思われる。

 

 Fig 3 自動車用Memory IC種類別シェア (ソース:OMDIA)

 

 

  (椿匡之)

 

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