LME Weekly 2024年2月12-16日 ドル安などでカッパー・ニッケルは上昇、アルミは小動き
(為替概況)米金利引き下げ観測後退で円安傾向定着
米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測の後退に伴う米長期金利の上昇で、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが続く。
―東京外為
2月16日(金)
東京TTS
1ドル=151.26円(0.23円高)
前週末
2月9日(金)
東京TTS
1ドル=150.53円
に対し73銭円安ドル高で終了
(カッパー)前週の下落からの買戻しと米年内利下げ観測を受けたドル安で反発
週前半は前週の下落からの修正買戻しで上昇、後半はドル安の流れを受け急反発した。末日16日、3Mは大幅続伸、前日比175.0ドル(2.1%)高の、8,489.0ドルが終値。現物終値は、前日比186.16ドル高の8,409.16ドル。3M前週末終値8,169.0ドルに対して320.0ドル(3.9%)反発。ただこの急騰に対しては、一部ショートカバーの動きも指摘された。現先プレミアムも前週から低下傾向で100ドル間際水準で推移16日には88ドルまで縮小、やや先高見通しに振れた。
LMEカッパー相場推移(セツル、USD/T)1カ月
LMEの反発と円安を受けて、国内建値は15日1,260円→1,270円10円引き上げ改定。
LMEカッパーVS国内建値推移 1カ月
(アルミ)後半のドル安も在庫急増が重し 小動きに終始
銅が、後半ドル売りの動きを受けて大幅反発したのに対し、在庫急増などが重しとなったのか、結果的には小動きに終始した。最終日9日、3Мは小幅に続落、前日比6.5ドル安の2,218.0ドルが終値。現物終値は、前日比0.04ドル安の2,198.62ドル。前週末3M終値2,216.0ドルにたいし2.0ドル小幅反発で終了。
LMEアルミVSカッパー(現物セツル USD/T)1カ月
NSPは円安傾向を受けて398円から15日405円まで引き上げたが、翌日400円に戻して終了。
LMEアルミ(現物セツル、USD/T)VS NSP(JPY/Kg)推移1カ月
(ニッケル)前週の下落からの買戻しとドル安で反発
16日3Mは反発、前日比98ドル高の16,356ドルが終値。現物終値は、前日比106.25ドル安の16,112.75ドル。3M前週末終値15,921ドルにたいして435ドル(2.7%)の反発となった。
LMEニッケルVSカッパー(現物セツル、USD/T)1カ月
(鉛・亜鉛・錫) 鉛・亜鉛は銅につれて反発、錫は大幅反発
―鉛3Mは前週末2,032.0ドルに対し16日3日続伸、32.0ドル高の2,064.0ドルと反発。
国内建値はLME反発のなか、16日381円→373円の3円引き下げ改定。
LME鉛VSカッパー価格推移(現物セツル,USD/T) 1カ月
LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月
―亜鉛3Mは続伸、前週9日2,300.5ドルに対し16日84.5ドル高、2,385.0ドルと反発した。同時にLME在庫の増加が続く。
国内建値はLME反発を受け、16日403円→409円に値上げ改定。
LME亜鉛VSカッパー価格推移(現物セツル、USD/T)1カ月
LME亜鉛(現物セツル、USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移1カ月
―錫は前週の流れを引き継いで7日続伸、27,000ドル台まで上伸も、後半軟化。3M前週末終値26,367ドルに対し、16日、26,970ドル,603ドル(2.3%)続伸で終了。
LME錫VSカッパー推移(現物セツル、USD/T)1カ月
(Topics)
2月14日
LME「ダーティーメタル」問題で環境保護団体から提訴 - ロイター | MIRU (iru-miru.com)
2月15日
方向性欠くLME銅相場のなか円安進行で、国内銅建値10円引き上げ1,270円に | MIRU (iru-miru.com)
2月16日
LME亜鉛相場は反発、円安傾向も。国内建値6円引き上げの409円に | MIRU (iru-miru.com)
(マクロ経済・重要イベント)
米国
2月13日1月の米消費者物価指数(CPI)
結果 3.1% 予想 2.9% 前回 3.4%(前年比)
2月15日 米週間新規失業保険申請件数
結果 21.2万件予想 N/A 前回 22.0万件(21.8万件から修正)
2月16日 1月の米生産者物価指数(PPI)
結果 0.9% 予想 0.6% 前回 1.0%(前年比)
米国
2月20日(火曜日)景気先行指数 2024年1月(カンファレンスボード)
2月22日(木曜日)新規失業保険申請件数(労働省)
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
関連記事
- 2025/06/16 アルミ合金&スクラップ市場近況2025#11 製品に下げ渋り気配、スクラップ高で調整色薄まる
- 2025/06/16 LME Weekly 2025年6月9日-13日 米中貿易交渉の進展期待も中東情勢緊迫化でCu Ni下落、Al続伸
- 2025/06/15 非鉄各社26/3期新前提とのギャップについて(6/13時点)
- 2025/06/15 LMEの現物と先物の鞘(6/13)
- 2025/06/15 2025年4月 アルミスクラップ輸出統計分析 アルミ合金スクラップは増加も、累計は大幅前年割れ続く
- 2025/06/14 日本製鉄: USスチール買収計画、トランプ大統領パートナーシップ承認
- 2025/06/13 SHFE軟調などでLME亜鉛続落、国内建値6円引き下げ、433円に
- 2025/06/12 インドネシア ガグ島のニッケル鉱山、観光と環境への影響懸念で操業停止
- 2025/06/12 世界のスズ需給 構造的矛盾が錫価格の変動を主導する
- 2025/06/12 利益確定売りなどでLME銅は続落、国内銅建値10円引き下げの1,450円に