2月のアルミ概況および3月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2100-2200ドル →
スクラップ +5~10円(前月最終価格より) →
為替 145-150円 (一か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半 1月の米小売売上高は2023年12月に比べて0.8%減と市場予想(0.3%減)よりも減。米国の消費減速が意識され、米長期金利の低下につながるとの期待
2月 1日 ・米国週間新規失業保険申請件数 結果 22.4万件予想 20.9万件などのプラス材料もあったが、FRB高官の発言が早期利下げに対し慎重
中国の1月の消費者物価指数(CPI)が発表され、前年同月比0.8%の下落し、4カ月連続のマイナスとなったことを嫌気しDOWN
1月15日時点で2194ドル(セツル)と月初価格から38ドルDOWNの前半締めとなった。
後半22日の日経平均は4営業日ぶりに反発、前日比836円52銭高の3万9098円68銭で終了。史上最高値を更新 34年ぶり。ワリヌイ氏死亡に対する対ロシア制裁追加の観測などプラス材料もあったが米1月の鉱工業生産統計によると、製造業の生産指数は3カ月ぶりのマイナスとなった
15日発表の米新規失業保険申請件数などは底堅さを示したなどからの利下げ時期後退懸念を嫌気しDOWN
月末日 後半スタート価格75ドルDOWNの2130ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
147.85 → 151.67(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比-6.3%の54万8912台
輸出は前年同月比+18.3%の28万595台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-16%の22万6769台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,貸家は増加したが,持家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比7.5%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 58,849 戸。
・前年同月比 7.5%減, 8か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 4,491千㎡。
・前年同月比 11.5%減, 12か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 802千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 +246.9%の340t
二次合金 -4.5%の791t
スクラップ +30.9%の2万3499t
アルミ缶 +35.7% 5058t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -11.4% 9万6570t
二次合金 +18.4%の10万3439t
スクラップ -42.3%の590t
合金スクラップ -8.9%の8263t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -3.5% 13万7054t 22カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.9% 5万4193t 2カ月連続プラス
出荷 -0.3% 5万3314t 1か月ぶりマイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比-6.3%の54万8912台
輸出は前年同月比+18.3%の28万595台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-16%の22万6769台
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,貸家は増加したが,持家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比7.5%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 58,849 戸。
・前年同月比 7.5%減, 8か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 4,491千㎡。
・前年同月比 11.5%減, 12か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 802千戸。
・前月比 1.5%減, 先月の増加から再びの減少
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年
-3.5% 13万7054t 22カ月連続マイナス
板 類 7万1592t 0% 21か月連続マイナス
押出類 4万5975t -8.4% 25か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.9% 5万4193t 2カ月連続プラス
出荷 -0.3% 5万3314t 1か月ぶりマイナス
【輸出】
新地金 +246.9%の340t
二次合金 -4.5%の791t
スクラップ +30.9%の2万3499t
アルミ缶 +35.7% 5058t
【輸入】
新地金 -11.4% 9万6570t
二次合金 +18.4%の10万3439t
スクラップ -42.3%の590t
合金スクラップ -8.9%の8263t
【見通し】
【自動車】
1月の自動車生産が-6.3%。12月国内販売台数が前年比-16%
2か月連続減少 前月に続きダイハツ トヨタ問題による生産販売低迷が今後しばらく続きそう
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -3.5% 13万7054t 22カ月連続マイナス
前月に続き中国景気後退によるスマホ需要の低迷からから来月も期待薄
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +0.9% 5万4193t 2カ月連続プラス
出荷 -0.3% 5万3314t 1か月ぶりマイナス
二次合金生産は2カ月ぶりに増加したが出荷が減少しておりダイハツトヨタ問題による影響から来月以降は注視
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続きLME価格が2100から2200ドル台と安定傾向だった。ダイハツトヨタ問題で売れず在庫あり。
需要面に関して
ダイハツトヨタ問題や中国景気後退から需給は緩んでいる。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1.米FRBの金融政策
パウエル議長が根強いインフレ圧力を最新の指標が示す中で利下げを急いでいないとのメッセージをあらためて強調してることや2月に発表されたインフレ加速を示す一連の指標から考えれば3月の利下げはない
2.中国 全人代の内容
中国政府は北京で5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、今年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後に定めたほか、今年1兆元(約20兆9000億円)の超長期特別国債を発行する計画を発表。
それでも金属相場の当初の反応からは、不動産不況と製造業の低迷からすぐに脱出できると予想されていない
中国は例年3月から4月にかけて繁忙期を迎えるが、建設が活発化する兆しはほとんどない。
これらを踏まえた今月のアルミ価格は 2100―2200ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては +5~10円程度と予想している。
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