AGC 太陽光パネルカバーガラスのリサイクル実証試験に成功
―フロート板ガラス原料として国内初―
AGC(AGC 株式会社、本社:東京、社長:平井良典)は、3月26日、太陽光パネルのカバーガラス(以下 カバーガラス)を原料としたフロート板ガラス製造の実証試験に、日本で初めて成功したと発表した。これにより、型板ガラスへのリサイクル実証試験(2023 年 11 月リリース)に続いて、これまで技術的に困難とされてきたフロート板ガラスにおいても、カバーガラスのリサイクルが可能となる見通し。同試験は、3月 18 日に AGC 鹿島工場フロート板ガラス製造窯にておこなわれた。今回使用されたカバーガラス約5トンは、株式会社トクヤマ(本部:東京)の低温熱分解技術を用いて精製・供給された。
太陽光パネルは耐用年数が 20~30 年とされ、2030 年代後半より年間数十万トンが廃棄される見込みです。このうちカバーガラスは重量全体の約6割を占めており、産業廃棄物として埋め立て処理されることによる深刻な環境負荷が懸念されている。カバーガラスにはガラスの透過率を高める成分が含まれ、これによりフロート板ガラスへのリサイクルは困難とされてきた。同試験の成功を受けて、生産量の多いフロート板ガラスが、廃棄カバーガラスの水平リサイクルの受け皿となることが期待される。リサイクルの推進により、珪砂やソーダ灰など天然資源由来原料の節減*1、製造工程における GHG 排出量削減*2 につながる。
*1 リサイクルされた原料カレットを1トン利用する毎に、1.2 トンの天然資源由来原料を節減できる見込み
*2 天然資源由来原料を原料カレットに代替することで、溶解に必要な熱エネルギーを削減でき、ガラス1トンあたり原料調達から製造までで 0.5~0.7 トンの CO2 排出を削減できる見込み
(IR universe rr)
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