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コバルト市場近況2024#5 1人負け、LG13ドル割れ 銅高騰が反作用

 2024年5月のコバルト市場は他の鉱物が好調な中で1人負けの様相。ベンチマークとなるLGコバルトが心理的節目の$13/LBを割り込んで低迷し、全体に投げやりな雰囲気が漂う。同時に採掘される銅価格が高騰してひっ迫懸念から増産機運にあることも、コバルトの供給過剰に拍車をかけている。

 

 ■銅を増産すればコバルトも自動的に増える

 LGコバルトの仲値は5月9日に$13を下回り、5月16日には$12.85に下落した。その後も反発の兆しなく推移している。

 

過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移

 

 コバルトはもともと構造的な供給過剰を抱えるが、2024年に入り銅価格が高騰していることが反作用し、供給過剰に追い打ちをかけている。コバルトは銅の副産物であるため、銅を増産すればコバルトも自動的に増産されてしまう。しかし、供給ひっ迫感がある銅と違い、コバルトは電気自動車(EV)需要の失速などに伴い需要が予想を下回るとの観測が根強い。このため「同時に採掘される銅とコバルトで明暗が鮮明になっている」(外資系証券会社の日本人担当者)という。

 この先は採掘・取引業者のコスト割れとのせめぎあいになりそうだ。この担当者は先行きの価格動向について「あまり楽観はしていない」とため息をついていた。

 

関連記事:コバルト LGコバルト13ドル割れ 4年9か月年ぶり安値、需給とも弱く一段安 | MIRU (iru-miru.com)

 

■HGもLGに再び同調、LMEは横ばい

 LG以外のコバルトも元気のなさが目立つ。高グレードのHGコバルトも下落基調となってきた。5月16日には$15.875/LBと節目の$16を割り込み、2023年9月以来の安値を付けた。軍用機を含めた航空機向けスーパーアロイなどの好調を背景にLGと相反して上昇していたが、LG安に連れる動きとなってきた。

 

過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移

 

 国際価格であるLMEコバルトと電池向けの硫酸コバルトは横ばい。LMEコバルトは4月15日に$27.715/tonに急落して以来、ほぼ同じ水準で推移している。硫酸コバルトも4月18日に仲値RMB3万3050/mtと1月中旬の低水準を付け、以後値動きがない。

 

過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

 

過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)

 

 

■CMOC1-3月コバルト生産4倍増 米国からは「意図的な価格抑制」非難も

  中国レアメタル採掘の中国洛陽栾川モリブデン(チャイナモリブデン、CMOC)が4月29日に発表した2024年1-3月期の1-3月期のコバルト生産量は2万5000トンと前年同期に比べ4倍に増えた。販売量は24倍に増加。銅とコバルトの生産・販売増により、同社の1-3月期業績は、売上高が前年同期比4%増、純利益は6.5倍増となった。CMOCは2023年のコバルト生産量で世界最大手。

 

  CMOC以外の企業はコバルト価格の下落などを受け軒並み減産方針を採る。CMOCの1人勝ちともいえる状況に、他国からは意図的な価格操作への懸念も持ち上がっている。

  5月15日のブルームバーグ通信は、米国のホセ・フェルナンデス経済成長・エネルギー・環境担当次官が同通信のインタビューに対して「コバルトの場合、CMOCという会社が供給過剰を助長し、価格を抑えている」と話し、CMOCの行いによって現在展開されているのは「略奪的な価格設定のバリエーションだ」と語ったと伝えた。

 

関連記事:米国 コバルト過剰の原因は中国CMOCと指摘 | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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