富士フイルム サーキュラーマニュファクチャリングセンターをオランダに開設
欧州地域での資源循環を促進する生産拠点、トナーカートリッジの回収・再生からスタート
Circular Manufacturing Centerが入る建屋の外観
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)は、5月29日、FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.(本社:オランダ、代表取締役社長:Albert van Maren)の敷地内に、欧州地域での資源循環を促進する生産拠点「Circular Manufacturing Center (サーキュラーマニュファクチャリングセンター)」を開設すると発表した。新拠点では、第一弾として、欧州で販売する複合機の使用済みトナーカートリッジを回収し、新品のトナーカートリッジに再生する。なお、新拠点は2024年6月より稼働する。
富士フイルムビジネスイノベーションは、1995年に全社リサイクル方針「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」を定め、ユーザーが使用した機器や消耗品の回収、リユース・リサイクルを行ってきた。同年には、商品企画、開発、製造から廃棄に至る商品のライフサイクル全体を視野に入れた循環型システムを構築。回収した使用済み商品から取り出した部品を再生し、リユースするなど、新規資源投入量の抑制、および資源循環の促進に注力してきた。
2024年4月からは、欧州地域でのデジタルカラー複合機の販売を本格的に開始。これまで同社が国内を中心に進化させてきた資源循環の技術やシステムを欧州地域でも展開し、サーキュラーエコノミーへの移行促進に貢献していく。
Circular Manufacturing Centerでは、まず、欧州で販売する複合機の使用済みトナーカートリッジを回収し、新品のトナーカートリッジに再生する製造ラインを立ち上げる。同拠点で生産されるトナーカートリッジは、欧州地域向けに出荷。今後は、トナーカートリッジの回収・再生にとどまらず、複合機・プロダクションプリンターのスペアパーツの再生や、再生機※1の生産へと再生対象を順次拡大する予定だ。
なお、FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.は、使用する全電力を敷地内の風力自家発電と風力発電業者からの購入で賄っていう。そのため、今回新設をするCircular Manufacturing Centerでも同様に、使用電力由来のCO₂排出を実質ゼロとした生産を実現する。また、FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.が位置するオランダは欧州の中心地に位置するため、使用済み商品の回収及び商品を販売する輸送効率の観点からも資源循環を促進する生産拠点として適している。
富士フイルムビジネスイノベーションは、創業当初より環境保全の重要性を認識し、企業活動における環境負荷低減に取り組んできた。環境への取り組みが先駆的な欧州にCircular Manufacturing Centerを開設することで、これまで取り組んできた資源循環活動をより一層強化し、今後もサーキュラーエコノミーへの移行促進に貢献していく。
※1:ユーザーから回収した使用済みの複合機を分解・清掃・修理し、一定品質に満たない部品を交換・調整し、製造した新品の製品
【Circular Manufacturing Center(資源循環生産拠点)の概要】
名称 Circular Manufacturing Center
所在地 FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.
(Industrieterrein Vossenberg, Oudenstaart 1, 5047 TK Tilburg, The Netherlands)
事業内容 使用済みトナーカートリッジの回収・新品トナーカートリッジへの再生
専有面積 約1,000 ㎡
稼働開始日 2024年6月
※掲載されているサービス、商品名等は各社の登録商標または商標。
富士フイルムビジネスイノベーションについて
働く人々がより創造力を発揮し組織の力を最大化するために、DXを通じた知識と情報の効果的な利活用を支援。1962年の創業以来培った技術や知見をもとに、ワークフローソリューション、ITサービス、デジタル複合機などの印刷機器に関する研究・開発・生産・販売を行っている。基幹システムの販売や導入支援、業務プロセスのアウトソーシングサービスも提供し、世界中のユーザーのビジネスを革新するグローバルリーダーであり続ける。
(IR universe rr)
関連記事
- 2025/05/01 アジアン廃プラマーケットレポート2025年4月② トランプ関税がもたらす樹脂市場の混乱
- 2025/05/01 アジアン廃プラマーケットレポート2025年4月 やや持ち直す再生ペレット市場と苦境のバージン材料市場
- 2025/04/30 第5回サーキュラーエコノミーシンポジウム詳報4〜キヤノン、トヨタ
- 2025/04/30 欧州からの風:2025 April「EU使用済自動車規則案:揉めるプラスチック再生材含有ターゲットの行方は?」
- 2025/04/30 第5回サーキュラーエコノミーシンポジウム詳報3〜金城産業、ベステラ、Rジャパン
- 2025/04/30 第5回CEシンポジウム in NAGOYA講演詳報1 ――中部経産局、栗田、ケミカルリサイクル
- 2025/04/30 電力取引量(25年4月)
- 2025/04/30 【貿易統計/日本】 2025年3月の廃プラスチック輸出入統計
- 2025/04/30 アジア合成樹脂市況の近況(No37) 米関税政策、原油安と相まって軟調
- 2025/04/30 欧州からの風:2025 April「EU、AIを駆使し域内電池推進へあらたなテコ入れ」