SUSscrap MarketWatch 2024#12 Ni相場下落でSUSscrap市況も梅雨入りか否か?
前回の報告では、SUSScrapは下がらないのではないのか?という禅問答を提示していたが、6月21日現在ではその予想は外れた、ということになる。今週(17日~)から下げアナウンスが続いており、来週も続落の可能性が濃厚、となっている。但し、中部地区の2社は動いていない。230~235円の横ばいのままだ。
前回記事→SUSscrap MarketWatch 2024#11 Ni相場Down ScrapはDown or Stay?
それはやはりLMEニッケル相場の下落が全て。
上図のように、LMEニッケル相場は5月下旬から下がり続け、足元は17100ドル台まで下落。平均値では5月の19,520ドルに対して6月は21日現在で17,765ドルと1800ドル近い下げとなっている。為替はTTSベースで160円まで円安が進んでいるが。
(市中実勢304系スクラップ相場の推移 \/kg)
上図は最近3か月の304スクラップ相場の推移である。今週の20日に輸出最大手の親和スチールが5円の下げをアナウンス、JSPは22日から5円下げ。これにより両社の買値は230~235円から225~230円という価格帯に下落している。市中実勢(流通ベース)は215円前後で弱含み。
しかし来週(24日~)も「5円下げ乃至は10円下げになるだろう」(SUSscrapディーラー筋)とのことで下げ濃厚。直近高値(235円)からは15~20円の下げになるのではないか、とみられている。しかしこれで物量が増えたかというと、さほど増えていない様子。品不足は相変わらず。
ただ、国内ステンレスメーカー、輸出シッパーともにスクラップが「入り用」であることは間違いない。これがある程度相場の「下支え」にはなるだろう。鉄スクラップも十分に下げの市場環境だが、品不足で実質的には下がっていない。SUSの場合も、冒頭記したように、中部地区メーカーは下げてはいない。21日夕刻時点で。これがどう全体に影響するのか来週の動向を見極めたいところ。
(IRUNIVERSE/MIRU YT)
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