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Micron Technology、24年度3Q売上高は前年度比82%増

 Micron Technologyの2024年度第3四半期売上高は前年比82%増、前四半期からも17%増と急成長。HMB(DRAM)、データセンタ向けSSD(NAND型フラッシュメモリ)が好調

 

売上高、前年度比81%増の高成長

 米Micron Technologyは2024年6月29日、2024年8月期第3四半期(2024年3月~5月)業績を発表した。同期売上高は68億1,100万米ドルで、前年度同期比81.5%増、前四半期比16.7%増と高成長を維持している。生成AI用を中心とする高性能DRAM(High Bandwidth Memory:HBM)、第2四半期以降回復が続くデータセンタ用SSD向けのNAND型フラッシュメモリが成長をけん引した。

 

 

 DRAM売上高は全社売上高の69%、NAND型フラッシュメモリ売上高は同30%となった。前期からそれぞれ13%、32%の増加となった。出荷量(ビット出荷量)はDRAMが前四半期比一桁台半ば、NAND型フラッシュメモリは同一桁台後半となっている。

 アプリケーション別では、Compute and Networkingが前期比18%増の25億7,300万米ドル、モバイル向けが同1%減の15億8,800万米ドル、組み込み向けが同16%増の12億9,400万米ドル、SSDなどストレージ向けが同50%増の13億5,300万米ドルとなった。

 

 

HBMが1億米ドル超に急拡大、 

 HBMについては同四半期から出荷が立ち上っている。すでに最先端製品であるHBM3Eで1億米ドル以上の売り上げを達成している。HMB3Eについては、12積層品のサンプル出荷も開始しており、2025年には量産を開始、同年中には構成比率も拡大する予定である。

 同製品については、2024年度中には数億米ドルの売り上げ規模に達する見通しである。2025年度には数十億米ドルにまで拡大すると予想している。なお、HBMについて2024年(暦年)分、2025年(同)分については、販売先が定まっており、販売価格も決まっている。顧客の数も拡大している。

 

フラッシュメモリもAI向けSSDで急増

 データセンタSSD(Solid State Drive)用NAND型フラッシュメモリは、2023年に顧客の在庫調整が終わったことから拡大に転じている。特にAIのトレーニング(学習)と推論インフラム向けの需要が急速に成長している。さらに従来のコンピュータ/サーバ向けでも順調に需要改善が進んでいる。

 この結果、SSDの主力である232層 30テラバイト(TB)の同四半期出荷量(総ビット数)は3倍以上に拡大した。

 

利益改善も進む

 利益面では営業利益は7億1,900万米ドルで、前年同期の17億6,100万米ドルの赤字から黒字回復を達成。前四半期からも4倍近い拡大(376.4%増)となった。売上増が高収益につながった。純利益は3億3,200万米ドルで、前年同期の18億9,600万米ドルの赤字から22億2,800万米ドルの改善となった。しかし、設備投資、開発費などの拡大に伴い、前四半期から半分以下に削減されている。

 

4Q売上高は76億±2億米ドルに拡大

 2024年度第4四半期については、第3四半期比8.6~14.6%増の76億±2億米ドルと予想している。

 2024年通年のDRAM、NAND型フラッシュメモリの世界全体のビット成長率は、いずれも10%台半ば予想している。一方、需要拡大はこのペースを上回るものとなっており、供給能力不足が懸念されることとなり、同社についても同様の状態で推移することになる。

 

2024年度設備投資額は前年度比マイナスを維持

 設備投資額は20億6,000万米ドルとなった。2023年9月~2024年5月までの9か月間の投資額は前年度同期間比15.2%減となった。2024年度第4四半期については30億米ドル規模を予定している。

 しかし、2024年度中は生産能力をピーク時から10%台前半の削減を行った状態を維持する計画である。2024年度通期の設備投資額は最大80億米ドルを計画している。このうち前工程向け投資額は前年度を下回る額に抑制する。

 2025年度についても既存能力を活用、需要増に拡大する計画である。2025年度の設備投資額は売上高の30%半ば程度とする計画で、四半期平均30億米ドルを大きく上回るものになると見込まれる。

 2025年度の設備投資額の増額分の50%以上がアイダホとニューヨークで開始する新工場建設に向けられる。そのほかHBMの生産能力拡大にも増額分の多くが振り向けられる。アイダホ工場は2027年度までに、ニューヨーク工場は2028年度までに生産増強に寄与することができるように増強を進める見通しである。

 

 

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柴田浩一(Koichi Shibata)

IRUniverse 半導体産業担当記者

1985年から30年超にわたり半導体業界で、取材、記事制作、編集を行ってきた。

半導体関連の業界団体への協力も行っている。

 

 

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