千葉四街道シリーズ その2 コンテナよりもトレーラーハウスが旬!
千葉県は国内で最も中華系リサイクル業者が多いと言われているが、千葉は中華系だけでなく、イラン、イラク、アフガニスタン、トルクメニスタン、バングラデシュなどなど多種多彩な方々も多いから、正確には最も海外系リサイクル業者が多い、というべきだろう。特に自動車リサイクル関係はモスクを構えていることでもわかるようにイスラム教の方々が多い。このあたりはこちらで既報しているので。ぜひご覧ください。
(関連記事)ここは日本か?海外勢が席巻?自動車解体と中古部品販売メッカを行く(前)
スクラップ業者、でいうと千葉には600の中華系業者がいると言われているが、千葉のなかでも激戦区なのが、四街道、佐倉、若葉区、市原あたりだろうか?なかでも、やはり佐倉、四街道はかつての中国の寧波や黄岩、台州を思い起こさせるような、ある種、牧歌的ともいえる風景があちこちで見られる。民家の隣にスクラップヤードがある、ことはもはや当たり前。だいたい看板を見ればわかるが、日系業者のほうが圧倒的に少ないのが四街道の特徴。
この四街道に体感温度40度となった7月初旬に再訪。
ざっと7~8軒のスクラップヤードを見たが、うち日系は2社。あと6社は中華系と中近東系。ヤード条例をきっちり守っているヤードは鉄板を敷いているが、それが逆に照り返しで熱い!そこに卵を落としたら秒速で目玉焼きが出来るほどだ。
そんななか、変化が見られたのは、確かに塀は5メートル以上と高くしているところは増えていた。しかし勿論、無いところもある。また、気になる現場作業員さんの住まいだが、以前はコンテナハウスで、とても住まいとは言えたものではなかったが、ヤード内ではあったが、簡易なアパートのようなものを建てており、エアコンもしっかりついていた。これはかなりな前進ではなかろうか。少し安心(しかし、本来であれば、本当のアパートかなにかに住まわせるべきだろうが。。。)
ヤード条例が厳しくなる千葉からは徐々に中華系の方々は出ていっている。多くは茨城、福島、と北上している。このままでいくと、最北の北海道にたどりつくのではないだろうか?
しかし、その千葉、のなかでも四街道はまだ緩い、とも言われる。しかし、実際に四街道でヤード経営をしている業者に聞くと、やはり行政は抜き打ち的にヤードを訪れており、監視の目は間違いなく厳しくなってきているという。
そんな国際色豊かな四街道では逆に日系の業者は路傍のタンボボのように目立つ。ステンレススクラップをメインに扱う阪神金属興業の四街道ヤードはそのひとつ。同社は元々は大阪の高槻が本社。関東進出は最初は千葉の美浜区。その後、2016年に四街道に引っ越し。当初は小さなプレハブのみの事務所。強い台風が来ると飛ばされる不安があった、ようだった。阪神金属の四街道ヤードでは現在、月間900トン前後のステンレススクラップ(Ni系+Cr系)を取り扱っている。産廃、廃プラなども扱う。
(阪神金属興業の扱うステンレススクラップ)
周りは中華系に囲まれている。ちなみに阪神金属のヤードも元祖海外系、の千弘商事の場所を借りている。千弘商事は千弘不動産、ともいうべく、中華系業者にヤード用地を賃貸で貸し出していることで有名だ。
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さて、阪神金属興業の事務所はトレーラーハウスを使っている(以下写真参照)。キャンプ場でみられるような、またアメリカでもよく見られるトレーラーハウスを事務所や休憩所に使っているのが阪神金属。四街道ヤードの責任者である竹広氏によると
「1年前に導入しました。前はプレハブ事務所でしたが、いまは現場作業員の休憩所、トイレ、事務所もきちっと分かれているので快適ですよ!」とのことで、特にヤード条例を意識した訳ではないとのこと。
このトレーラーハウスを施工したのは、株式会社 浩栄。
建築金物系加工を/工事をメインとし、キッチンカー製作なども行っているとのこと。
阪神金属は二つのトレーラーハウスをつなぎ、カスタマイズしているため。それなりの金額にはなったというが、ヤードの中など、限られたスペースで快適な居住空間が得られるため、日系、海外系のスクラップディーラーさんにもおすすめ、とのこと。検討される方はモデルハウスとして四街道の阪神金属ヤードを訪問してみたらいかがだろうか?
(事務所スペース)
(阪神金属興業の四街道ヤード責任者の竹広さん)
(授業員さんの休憩所)
(IRUNIVERSE/MIRU YT)
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